・OTTO製チューナーの修理調整作業を承りました。
・「オットー」、今は亡きSANYOのオーディオブランドです。
・照明窓の雰囲気がとても良い機種です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 OTTO/SANYO FMT-1100 \59,800(1973年頃)
・上記サイトの記述によれば「当時のラインナップの最上位機」だそうです。
■動作確認------------------------------------------------------------
・電源オン。青色を基調とした鮮やかな照明が点灯。電球切れは無さそう。
・FM/AMポジションランプ点灯。名古屋地区のFM放送を受信しました。
・STEREOランプ点灯。実際にステレオ感あり。
・固定出力/可変出力ともOK。可変VRにガリあり
・ミューティング動作OK。
・ヘッドホン端子からも音がでました。
・背面AMバーアンテナの取付部が破損していますがAM受信もOKです。
■内部確認------------------------------------------------------------
・ALPS製FM4連AM3連フロントエンド。
・デュアルゲートMOS型FETを採用した高周波2段増幅回路。
・IF段は専用ICとクリスタルフィルターとLCブロックフィルター。
・MPX回路は専用IC(LA3300)によるダブル・バランスドディモジュレーター方式。
・16kHzローパスフィルター搭載。
・ミューティングレベル可変、出力レベルコントロール機能搭載。
■調整記録------------------------------------------------------------
【レシオ検波調整】
・IF基板 TP1 に SSGから10.7MHz直接注入
・IF基板 T2調整 → Sメーター最大
・IF基板 TP2 周波数カウンタ接続 T1上段コア調整 → Tメーター中点
・IF基板 VR1調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
・指針76MHz位置にセット
・76MHz 60dB → フロントエンドLO調整 → Sメーター最大
・指針90MHz位置にセット
・90MHz 60dB → フロントエンドTCO調整 → Sメーター最大
【トラッキング調整】
・指針76MHz位置にセット
・76MHz 60dB → フロントエンド LA,LR1,LR2 → Sメーター最大
・指針90MHz位置にセット
・90MHz 60dB → フロントエンド TCA,TCR1,TCR2調整 → Sメーター最大
【IF調整】
・指針83MHz位置にセット
・83MHz 60dB → フロントエンドIF調整 → Sメーター最大
【MPX調整】
・アンテナ入力なし
・MPX基板 TP38kHz 周波数カウンタ接続
・MPX基板 T3調整 → 38kHz
・T4,T5調整 → Lchレベル最大
【セパレーション調整】
・83MHz 1kHz 100% 60dB L/Rch → MPX基板VR2,VR3調整 → 漏れ信号最小
【AM調整】
・OSC調整
・729kHz(NHKラジオ)位置にセット AM OSC調整 → Sメーター最大
・1332kHz(東海ラジオ)位置にセット AM3 OSC調整 → Sメーター最大
・RF調整
・729kHz受信 バーアンテナ内コイル、AM RF調整 → Sメーター最大
・1332kHz受信 AM1,AM2調整 → Sメーター最大
■試聴----------------------------------------------------------------
・特に故障箇所は無かったので調整作業のみ行いました。
・青色照明が映える周波数窓、雰囲気は抜群に良いですね。
・どことなくパイオニア製チューナーに似た感じです。
・BGM用、観賞用チューナーとして十分使えます。