・2016年6月、ST-SA50ESの故障機が届きました。
・オート選局できない状態だそうです。
・外観は悪くないので何とか復活させたい、、
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 SONY ST-SA50ES \40,000(1997年10月発売)
■動作確認------------------------------------------------------------
・電源コードの印字「1997」。
・ボディに多少の擦り傷ですがまずまずの保存状態です。
・電源オン。ドットマトリクス式の表示部点灯。輝度劣化は無さそう。
・FMアンテナを接続してオート選局実行。
・76MHz~90MHz、TV1ch~3ch区間をサーチしますが地元FM局をすべて素通り。
・マニュアル選局では-0.1MHzの周波数でSメーターが僅かに点灯。
・ただしMONO受信。STEREOランプ点灯せず。
・検波回路の調整ズレが予想されます。
・AMは手持ちのループアンテナで受信できました。
・AMはステレオ放送対応でした。
・名古屋地区のCBCラジオ(1053kHz)を受信するとSTEREOランプ点灯します。
・メモリ登録OK。ただしメモリボタンのうち「3」「5」の反応が鈍い。
■内部確認------------------------------------------------------------
・ESシリーズの流れを汲む、とは思えない簡素な造りです。
・PLL回路内蔵のフロントエンドパック。
・LA1235:FM IFシステム
・LA3401:PLL FM MPX
・LA1247:AM Tuner
・MC13028AP:AM Stereo Ddecoder
・LC72130:AM/FM PLL Frequency Synthesizer
■調整記録------------------------------------------------------------
【Sメーター調整】
・83MHz(無変調,60dB)受信 → RV221調整 → メーター表示60dB
※Sメーターは切替操作によってdB表示可能。
【検波調整】
・TP251 DC電圧計セット
・83MHz(1kHz,100%変調,80dB)受信 → T252調整 → 0.0V ※実測252mV
・83MHz(1kHz,100%変調,80dB)受信 → T253調整 → 高調波歪最小
【フロントエンド調整】
・83MHz(無変調,40dB)→ フロントエンド内コイル調整 → Sメーター最大
・83MHz(無変調,40dB)→ フロントエンド内IFT調整 → Sメーター最大
※フロントエンド内RFコイルの調整は難しいです。触らない方が無難。
【IF歪調整】
・IF BAND=NARROW
・83MHz(1kHz,100%変調,80dB)受信 → RV232調整 → 高調波歪最小
【SEPARATION調整】
・IF BAND=WIDE
・83MHz(1kHz,100%変調,80dB)受信 → RV301調整 → 漏れ信号最小
・IF BAND=NARROW
・83MHz(1kHz,100%変調,80dB)受信 → RV302調整 → 漏れ信号最小
【STレベル調整】
・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)受信 → RV251調整 → STEREOランプ点灯位置へ
【AM調整】
・1053kHz(CBCラジオ)受信
・FE401左側コア調整 → Sメーター最大
・IFT401コア調整 → Sメーター最大
※FE401右側コア→AM OSC
■試聴----------------------------------------------------------------
・特にFM検波調整が大きくズレていました。
・各部再調整によって良い性能を取り戻したと思います。
・本機は AM受信時に STEREO ランプが点灯する貴重な機種です。
・名古屋のCBCラジオ(1053kHz)はまだAMステレオで放送しています。
・Wikiによれば、全国でAMステレオ放送を実施しているのは4局のみ。
・次の放送設備更新時までは続くのでしょうか、、