・シンセチューナーの修理調整作業を承りました。
・受信感度が悪いそうです。
・再調整だけで復活すると良いのですが、、
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 KENWOOD KT-880 ¥45,000(1984年頃)
・KENWOOD 1985年1月版カタログ
・KT-880と同じカタログに KT-3030、KT-2020、KT-1010IIが載っています。
・定価45,000円でも当時のラインナップ最下位モデルですね。
■動作確認------------------------------------------------------------
・シルバーモデル。外観に目立つキズはなく保存状態は良い。
・電源オン。周波数表示OK。
・オート選局で名古屋地区のFM局を受信しました。
・ただSメーターは僅かしか点灯せず、STEREOランプは点灯せず。
・実際の音声にステレオ感なし。
・AM放送は適当なAMループアンテナで名古屋地区の放送局を受信。
・AMは特に問題なさそうです。
■内部確認------------------------------------------------------------
・4連バリキャップ構成。調整はコイルのみ。トラッキング調整不可。
・LA1231N FM IF System
・uPC1223C FM PLL MPX
・LA1245 AM Tuner
・DLLD バランス型PLL検波
・DCC IF歪補正回路(簡易版)
■調整記録------------------------------------------------------------
【VT電圧】
・TP9~TP10 DC電圧計セット
・アンテナ入力なし
・76MHz → L5調整 → 3.0V ※実測 2.9V
・90MHz → TC1調整 →25.0V ※実測24.5V
【FM検波調整】
・TP3~TP4 DC電圧計セット
・83MHz(無変調,80dB)受信 → T2調整 → 0.0V±10mV ※LA1231N クアドラチュア検波調整
・TP5~TP6 DC電圧計セット
・83MHz(無変調,80dB)受信 → T2調整 → 0.0V±10mV ※PLL検波調整
【RF調整】
・LA1231N 13ピン DC電圧計セット
・83MHz(無変調,40dB)→ L1,L2,L3調整 → 電圧最大
【IFT調整】
・LA1231N 13ピン DC電圧計セット
・83MHz(無変調,40dB)→ T1調整 → 電圧最大
【MPX VCO調整】
・TP7 周波数カウンタ接続
・83MHz(無変調,80dB) → VR4調整 → 76kHz±10Hz
【歪調整1 DET】
・音声出力をWaveSpectra接続
・83MHz(MONO信号,400Hz,100%変調,80dB)→ VR1調整 → 二次高調波最小
【歪調整2 MONO】
・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR2調整 → 二次高調波最小
【歪調整3 STEREO/MAIN】
・83MHz(MAIN信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR3調整 → 二次高調波最小
【SEPARATION調整】
・83MHz(L/R信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR5調整 → 反対ch漏れ信号最小
【AM VT電圧調整】
・TP3 DC電圧計セット
・ 522kHz受信 → T6調整 → 2.6V
・1629kHz受信 → TC5調整 → 21V
【AM 受信調整】
・ 729kHz(NHK第一放送)受信 → T8調整 → Sメーター最大
・1332kHz(東海ラジオ)受信 → TC3調整 → Sメーター最大
・1053kHz(CBCラジオ)受信 → T9調整 → Sメーター最大
■試聴----------------------------------------------------------------
・FM同調点が大きくズレていました。
・再調整で良い性能を取り戻したと思います。
・シルバーモデルのフロントマスクは精悍に見えます。