Quantcast
Channel: BLUESS Laboratory
Viewing all articles
Browse latest Browse all 568

SONY ST-S333ESXII 修理調整記録5

$
0
0

 ・2015年9月末、ST-S333ESXIIの調整作業を承りました。
 ・特に故障箇所は無かったので各部再調整だけ行いました。
 ・以下、作業記録です。

333esxii08

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESXII ¥49,800(1987年発売)
 ・1987年10月発行 SONY ES テクノロジーカタログ
 ・Hifi Engine ST-S730ES 海外版サービスマニュアル

333esxii02333esxii04

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・天板に擦り傷。フロントパネルとサイドウッドはほぼ無傷。
 ・電源OK。FM受信OK。周波数ズレなし。AUTO選局OK。
 ・IF BAND切替OK。MUTING動作OK。STEREOランプ点灯。
 ・CAL TONE出力 OK。
 ・手持ちのループアンテナでAM受信確認OK。
 ・特に不具合は感じません。

333esxii07

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・修理調整記録4で最終オーディオ回路のLPFに新種を発見しました。
 ・今回の個体は、過去に多く見たアクティブ型でした。
 ・MPX-ICは今回もCXA1064。LA3450を搭載した個体にはなかなか遭遇しません。
 ・このシーズの定番、裏面にGNDハンダクラック多数。

333esxii10333esxii12333esxii13333esxii14333esxii15
333esxii16333esxii18333esxii20333esxii21333esxii22

■修理記録・ハンダクラック修正----------------------------------------

 ・不具合としては発症していませんが予防措置です。
 ・クラック箇所を修正しました。

333esxii11333esxii30333esxii31333esxii32

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・海外版SMの記述をベースにして一部アレンジ。

【FM同調点調整】
 ・IFT205調整 LA1235-7pin~10pin間電圧ゼロ ※調整前実測615mV
 【VT電圧調整】
 ・IC803-5pin電圧測定
 ・90MHz L104調整 21.0V±0.2V ※調整前実測21.6V
 ・76MHz 確認のみ 8.0V±1.0V ※調整前実測8.05V
【SST回路調整】
 ・SST調整はVT電圧調整後、かつトラッキング調整前に行うこと
 ・76MHz受信 RT801調整 IC802-11pin電圧 → 0V
 ・90MHz受信 IC802-9pin電圧 → 14V確認 ※調整前実測14.0V
【トラッキング調整】
 ・IC203(LA1235)-13pin(又はRT204)電圧max
 ・76MHz L101,L102,L103
 ・90MHz CT101,CT102,CT103
【PLL検波調整】
 ・TP201をGNDに落とす
 ・IFT207調整 TP202 DC電圧ゼロ ※調整前実測218mV
 ・CT201調整 歪最小
【IF歪調整】
 ・Wide受信、MUTINGオフ
 ・IC203(LA1235)-13pin電圧計セット
 ・RT202、RT203 時計回り一杯に回す
 ・SSG出力20dBモノラル信号送信
  ・IFT201調整 電圧最大へ
  ・IFT101調整 電圧最大へ
 ・SSG出力80dBにセット
  ・IFT203、RT202を交互に調整 歪最小へ
 ・SSG出力20dBにセット、Mutingオン
  ・IFT202調整 電圧計最大へ
 ・SSG出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT204、RT203を交互に調整 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・RT206 SSG出力20dBでステレオインジケータ点灯
【パイロットキャンセル】
 ・RT303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・RT301 R→L ※調整後実測64dB
 ・RT302 L→R ※調整後実測68dB
【Sメーター調整】
 ・RT204
【MUTINGレベル調整】
 ・RT205
【CAL TONE】
 ・Peak Level-5.8dB 316Hzの波形が出ていました。-6dBに調整。
【AM調整】
 ・RT401 Sメーター調整
 ・RT402 AUTOSTOP調整

333esxii33

<調整結果>
 ・FM同調点が大きく外れていて周波数ズレ寸前でした。
 ・PLL検波調整にズレが大きかったです。
 ・セパレーション値も大幅に改善しました。

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・はんだクラック以外に顕著な不具合はありませんでした。
 ・各部再調整によって良好な性能を取り戻したと思います。
 ・FM/AMとも良い音です。

333esxii07_2


Viewing all articles
Browse latest Browse all 568

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>