・2015年9月末、YAMAHA T-1の修理調整作業を承りました。
・以下、作業記録です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオ回顧録 YAMAHA T-1 ¥60,000円
・オーディオの足跡 YAMAHA T-1 ¥60,000円(1977年頃)
・取扱説明書(PDF形式)
・回路図
■動作確認------------------------------------------------------------
・フロントパネルはキレイです。キズは見当たりません。
・天板後部に目立つ引っかきキズ。
・FMアンテナを接続して電源オン。ライトグリーンの美しい照明点灯。
・指針の照明、メーター照明も点灯。タマ切れなし。
・DXインジケーター点灯、STEREOランプ点灯。
・さて、肝心のFMは+0.2MHzの周波数ズレ。
・Sメーター最大とTメーター中点が一致しない。
・FM音声はちょっと歪っぽい感じ。
・メーター針の塗装がボロボロ状態。。
・AMは全くの無音、局間ノイズも出ない
■修理記録:メーター指針再塗装----------------------------------------
・TメーターとSメーターの指針を見ると、朱色の塗料がボロボロになった状態です。
・これではかっこ悪いのでメーターを分解して針を再塗装しました。
・分解、組み立ては慎重に、慎重に、、 ※詳しい手順と注意事項は1号機記事参照。
・今回はタッチペンで赤く塗りました。
■修理記録 AM受信-----------------------------------------------------
・全くの無音状態、局間ノイズも出ない。
・この機種のAMアンテナはFMアンテナと共用するタイプです。
・回路図記載の電圧値と実機を確認。特に異常値はない。
・TR229 2SD655 → 中古同品に交換 → 効果なし
・TR230 2SC1918 → 2SC1815交換 → 効果なし
・電解コンデンサ C260,C261,C263 → 新品交換 → 効果なし
・これだけ交換して効果なし。
・Sメーターが全く動かないのでそもそも受信できていない状態。
・あと残っているのは T202,T203ですが部品が無いので未交換です。
■調整記録------------------------------------------------------------
【レシオ検波調整】
・何も受信しない状態 → T201上段コア調整 → Tメーター中点へ
【FM OSC調整】
・76MHz受信 → Lo 調整 → Sメーター最大、Tメーター中点
・90MHz受信 → TCo調整 → Sメーター最大、Tメーター中点
【FM RF調整】
・76MHz受信 → LA,LR1,LR2 調整 → Sメーター最大
・90MHz受信 → TCA,TCR1,TCR2 調整 → Sメーター最大
・83MHz調整 → IFT 調整 → Sメーター最大
【レシオ検波歪調整】
・83MHz受信 → T201下段コア調整 → 高調波歪最小
【IF歪調整】
・83MHz受信 → VR201,CF201,CF204調整 → 高調波歪最小
【FM-Sメーター振れ調整】
・83MHz受信 → VR202 → Sメーター振れ具合調整
【VCO調整】
・変調0% → VR204調整 → 19kHz
【パイロットキャンセル】
・83MHz受信 → VR203、T205、T206調整 → 19kHz漏れ信号最小、左右バランス注意
【セパレーション調整】
・83MHzステレオ信号受信 → VR205,VR206調整 → セパレーション最大
■試聴----------------------------------------------------------------
・T1の特徴は何といってもエメラルドグリーンに輝く美しい周波数窓です。
・メーター針を赤く塗り直した効果も絶大ですね。
・FMは現状でベストの状態になったと思います。
・一方でAMは不調のまま。申し訳ありませんがこのままお返しします。