・2015年8月夏休み、HOでジャンク品を買いました。税込1,080円。
・第一印象で VICTOR T-2020によく似ていると感じました。
・外観だけでなくチューニングつまみを回すときの重厚フィーリングも同じ。
・これはPTL検波を搭載した新機種発見か?
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 VICTOR T-55 ¥45,000(1978年頃)
<T-55の特徴 ~オーディオの足跡から引用~>
・上位機 JT-V77と同等のフロントエンドやIF、MPX回路を採用。
・新設計の広帯域検波回路搭載。
・つまり検波部以外はJT-V77と同等ということ。
・JT-V77を調べてみると検波部は PTL(Phase Tracking Loop)方式です。
・ということは T-55の検波回路はPTL方式ではなくて「新設計の広帯域検波回路」。
・「新設計の広帯域検波回路」って何でしょう?
■動作確認------------------------------------------------------------
・電源オン。周波数窓の照明は上品な白色です。
・TメーターとSメーターはLED点灯タイプ。※要確認:LEDかフィラメント電球か?
・+0.3MHzの周波数ズレ。
・Tメーター中点とSメーター最大点が一致しない。
・STEREOランプ点灯、HOLDランプ点灯。MUTING動作OK。RECトーンOK。
・OUTPUTレベルVRに多少のガリ。
・AMもOK。
・大きな不具合は無さそうです。
■内部確認------------------------------------------------------------
・FM4連、AM2連バリコン
・HA11211 FM-IF
・HA11223W PLL-MPX
・HA1197 AM SYSTEM
・基板の配置はT-2020によく似た感じです。
・でも検波回路はずいぶん異なります。
・「新設計の広帯域検波回路」とはHA11211を使ったクアドラチュア検波でした。
・特別な付加回路は無さそうです。
・残念、新種発見ならず、、でした。
・SメーターとTメーターはLED式でした。
・見た目はT-2020と似ていますが、T-2020はフィラメント電球を並べていました。
■調整記録------------------------------------------------------------
【FM同調点調整】
・TP13-TP14間にDC電圧計セット(Tメーター電圧)
・83MHz受信 最適受信位置を探す
・T102上段コア → ±0V
【FM OSC調整】
・TP-12 DC電圧計セット(Sメーター電圧)
・76MHz受信→L104調整→ 電圧最大
・90MHz調整→TC104調整→電圧最大
【FM RF調整】
・76MHz受信→L101,L102,L103調整→Sメーター最大
・90MHz受信→TC101,TC102,TC103調整→Sメーター最大
・上記作業を数回繰り返す
・83MHz受信→T101調整→Sメーター最大
【検波歪調整】
・WaveSpectraにて観測
・83MHz受信→T102下段コア→二次高調波歪最小
【VCO調整】
・TP18に周波数カウンタ接続
・R191調整→76kHz±100Hz
【パイロットキャンセル調整】
・WaveSpectraにて観測
・R195調整→19kHz漏れ信号最小
【セパレーション調整】
・R326調整→Rch
・R327調整→Lch
【REC レベル調整】
・R336調整→ メイン出力-6dB
【AM部調整】
・背面バーアンテナ、L107
・フロントエンド TC-AM1,TC-AM2
■試聴----------------------------------------------------------------
・性能は並みクラスですが、白く浮き上がる照明窓が上品な印象です。
・緑色LEDメーターがくっきり明るくて周波数窓とよい対比です。
・チューニングつまみの回転フィーリングがずっしり重くて高級感あります。