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TRIO KT-9900

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 ・2015年8月末、あの KT-9900 の修理調整作業を承りました。
 ・言わずと知れたトリオの高級機です。

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■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-9900 ¥200,000
 ・オーディオの足跡 TRIO KT-9900 ¥200,000(1978年発売)
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-917
 ・取扱説明書 KENWOODダウンロードサイトから入手可能

  ・1976年 KT-9700 ¥150,000円 初のパルスカウント検波搭載機
  ・1977年 KT-8000 ¥ 69,800円 中級機初のパルスカウント検波搭載
  ・1978年 KT-9900 ¥200,000円 パルスカウント検波回路のIC化、サンプリングホールドMPX
  ・1978年 KT-8300 ¥ 63,000円 パルスカウント検波回路のIC化

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・KT-9900(W460×H161×D463mm,15kg)アンプ並みの巨艦サイズ。
 ・SANSUI TU-X1(W480×H169×D450mm,16.2kg)に匹敵する大きさ。
 ・フロントパネルやボディは既に清掃済みのようでとても美しい。
 ・背面に並ぶ端子類もサビやクスミは無くキレイな状態。
 ・天板にわずかにひっかき傷がある程度で保存状態はとても良い。
 ・電源コードが3Pインレットタイプに交換されている。
 ・底面を見るとKENWOODサービスの修理シールが5枚も貼ってある。
 ・底面の放熱口を通して電源基板に並ぶ緑MUSEの電解コンデンサが見える。
 ・メーカーサービスの修理歴多数、かつ相当手が加えられた個体のようです。

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 ・さて、FMアンテナを接続して電源オン!
 ・周波数窓照明点灯。メーター照明点灯。DIMMER機能OK。
 ・Tメーター、Sメーター動作OK。Tメーターは中点に引き込まれる感じ。
 ・DEVIATIONメーターが常時100%以上に振り切れる。
 ・MULTIPATHメーターに切り替えると動作は正常の模様。
 ・IF BAND(NARROW,NORMAL,WIDE)切替OK。緑色インジケーター点灯。
 ・MUTING(OFF,10dB,20dB)それぞれ動作OK。橙色インジケーター点灯。
 ・DLLインジケーター点灯、STEREOインジケーター点灯。
 ・あれ? NHK-FMをしばらく聴いたところ VICSノイズを感じない?
 ・この件は再調整後に再度確認します(後述)。

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 <ご指摘の不具合症状>
  ・DEVIATIONメーターの動作がおかしい。
  ・電源投入直後はメーター針が100%以上に振り切れ、しばらく経つと0%で静止。
  ・MULTIPATHメーターとしては正常動作している模様。
 <不具合状況>
  ・ご指摘の不具合症状を確認しました。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM専用9連バリコン、これは芸術品ですね。
 ・HA1137WでTメーター、Sメーター駆動
 ・パルスカウント検波
 ・HA11223W によるMPX
 ・HA1156W(裏面DDL基板)動作原理は?

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【取扱説明書から抜粋】
●高精度9連バリコン使用の高性能フロントエンド
発振回路内蔵、FM専用周波数直線9連バリコン、定評のあるDD-MOS FETおよびリニアリティのすぐれたJ-FET、本格的なショットキ・バリヤダイオード使用の高性能ダブルバランスドミキサー、Tuned Buffer付き発振回路等を採用した高性能フロントエンドにより、混変調、相互変調の大幅向上、さらにイメージ比、スプリアス妨害比等で高い妨害排除能力を示し、しかもきわめて高安定に働きます。

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●DDL (Distortion Detected Loop)による完全ロック機構
オーディオ機器としてチューナーに要求されることは、放送を歪の少ない状態で、かつ安定に受信することです。本機では、歪そのものを検出していつも歪率最少点で受信する自動制御回路(DDL)を新開発し、採用しています。

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●IF帯域3段切替方式の採用
通常の音質を重視したリスニングでは超低歪率のWIDE(広帯域)バンドで、400kHzの局間地域ではNORMAL(中帯域)で、高選択度特性によりクリアにお聞きになるときはNARROW(狭帯域)でと受信環境に応じて3段階に切り替えることができます。

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●ダブルコンバート方式によるSN比の大幅な改善
第1IF周波数10.7MHzをさらに第2IF周波数1.96MHzに変換するダブルコンバート方式の採用により、相対周波数偏移が上がるため検波効率も上がり、SN比を大幅に改善しています。またダブルコンバート方式の重要な部分である第2コンバーター部にもダブル・バランスドミキサーICを用いより十分な特性をもたせ、パルスカウント検波回路を確実に駆動させています。

●パルスカウント方式による広帯域検波部
この検波方式は、周波数変調信号を一定幅のパルス信号に変換し、それを積分して出力信号を得るもので直線検波ができます。このため歪みは全くありません。また直線検波帯域が広いので、ダブルコンバート方式を用いてSN比を改善することができます。
パルスカウント検波器にはインダクタンスなどの不安定要素が不要で、しかも調整箇所がないので経年変化がほとんどなく、環境変化に対しても安定した動作が得られます。

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●新開発サンプリングホールドMPX採用
パルスカウントの技術ポリシーをさらにMPX復調部へと展開、L,Rの信号を精確にとらえ完全分離が行えるほか、実際の動作で発生するキャリア・リークなどの不要信号を抑え、音質改善のテーマに大きな新技術をもう1枚加えました。

●クリーンサブキャリア方式によるパイロットキャンセラー回路を採用し、ビートディストーションを改善
パイロットキャンセラー回路は、高域周波数特性、位相特性を犠牲にすることなく19kHzのパイロット信号を除去させることができますが、音質上の劣化をもたらすビートディストーションを悪化させる要因ももっています。本機ではクリーンサブキャリア方式の応用により、ビートディストーションを抑え音質の改善を計っています。

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●オート・クワィティング・コントロールの採用
・電波の弱いところで良好なSN比で受信することは難しいことですが、本機には入力によって良好な受信ができるよう新開発のAUTO QUIETING CONTROL が採用されています。このスイッチのAUTOの位置でL,Rのブレンド量が自動的に変わるようになっています。

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●便利で使いやすい機能
・90dBfまでリニアに動作する電界強度指示型SIGNALメーター
・変調度によりメーター指示が変化しないので正しいアンテナ位置を知りやすい38kHz検出型MALTIPATHメーター。FM MULTIPATH観測用端子付き
・アンテナ入力に応じて使い分けできる2段切替MUTINGスイッチ。
・エアチェックに便利なピーク検出型でdBと%表示のDEVIATIONメーター。
・2組のアンテナ端子とアンテナ切替スイッチ付。

■修理記録1:DEVIATIONメーター不調------------------------------------

 ・MULTIPATHメーターとしては動作しているのでメーター自体の故障ではない。
 ・DEVIATIONメーター駆動回路の故障か?
 ・回路図を確認すると MPX基板(X04-)IC4(JRC4558D)が怪しいか?
 ・新品の同型オペアンプに交換。これでDEVIATIONメーターの動作が正常になりました。
 ・後述調整で75kHz変調=100%にセットしました。

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 ・オペアンプ交換のためにMPX基板を裏返そうとしましたが、、
 ・裏面で配線が絡み合って、これは面倒な作業です。
 ・基板を外すことは諦めて、45度ほど基板を傾けた状態で交換しました。
 ・この機種のメンテナンスはかなり大変です。

■調整記録------------------------------------------------------------

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【本体設定】
 ・MUTING:OFF
 ・MODE:STEREO
 ・IF BAND:NORMAL
【基板番号】実機
 ・X01-1290-00:J25-1613-02:フロントエンド基板
 ・X02-1150-00:J25-1614-02:IF基板
 ・X02-1160-00:J25-1618-03:パルスカウント基板
 ・X04-1110-11:J25-1626-02:MPX基板
 ・X13-2600-00:J25-1619-13:separation4
 ・X13-2610-11:J25-1615-13:DDL基板
 ・X00-2020-00:J25-1627-03:電源基板
【T METER調整(1)】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → 選局つまみを回して最適受信ポジションを探す。
【T METER調整(2)】
 ・上記最適受信ポジションにて選局つまみに手を触れた状態で。
 ・83MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → L22(X02-)調整 → Tメーター中点
【DISTORTION調整】
 ・上記最適受信ポジションにて、選局つまみから手を離した状態で。
 ・IC8-6ピン=C47(TP)Wavespectra接続
  ※IC8-6ピン=HA1137W-6ピン=クアドラチュア検波出力
 ・83MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → L23(X02-)調整 → 高調波歪最小
【OSC調整】※SMに記載無し
 ・周波数目盛り83MHz位置にセット。
 ・83MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → OSCトリマ調整 → ※
  ※OSC部は密閉構造で、調整口は一つしか開いていません。
  ※中を覗くとトリマが見えます。
【TRACKING調整(1),(3)】
 ・周波数目盛り76MHz位置にセット。
 ・76MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → L2,L1(X01-)調整 → Sメーター最大
 ・76MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → L7,L6,L5,L4,L3(X01-)調整 → Sメーター最大
【RACKING調整(2),(4)】
 ・周波数目盛り90MHz位置にセット。
 ・90MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → TC2,TC1(X01-)調整 → Sメーター最大
 ・90MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → TC7,TC6,TC5,TC4,TC3(X01-)調整 → Sメーター最大
【RF調整】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → VR1,TC8(X01-)調整 → Sメーター最大
【パルスカウント検波調整】
 ・IF基板(X02-)25ピンに周波数カウンタ接続
 ・83MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → L19(X02-)調整 → 1.965MHz ※実測2.01MHz
【DDL調整(1)】
 ・R101に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)受信 → VR2(X13-2610)調整 → 96kHz ※実測102kHz
【DDL調整(2)】
 ・C17とR111の交点をGNDに落とす。
 ・R101→オシロV端子、IC13-4ピン→オシロH端子 → リサージュ波形観察
 ・83MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → VR1(X13-2610)調整 → 指定波形
  ※HA1156W(FM MPX IC)本来VR1=VCO調整→ 10ピン=19kHzモニタ端子
  ※HA1156W-10ピン → 95kHzになる
【DDL調整(3) OFFSET】
 ・IC1-7ピン(R1右側)と3ピン(C1右側)を短絡。C17-R111の交点→GND。
 ・IC6-1ピン(R94左側)にDC電圧計セット
 ・83MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → VR3(X13-2610)調整 → 0V
【MPX-VCO調整】
 ・C16=HA11223W-16ピン(X04-)に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → VR2(X04-)調整 → 76kHz
【S METER調整(1)】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)受信 → L27(X02-)調整 → Sメーター最大振れ位置
【S METER調整(2)】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,74dB)受信 → VR2(X02-)調整 → Sメーター80dBf位置
【S METER調整(3)】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,14dB)受信 → VR1(X02-)調整 → Sメーター20dBf位置
【DDL MUTING調整】
 ・83MHz(無変調,35dBf on Smeter)受信 → VR3(X02-)調整 → DDL LED点灯※
  ※VR3を回してLEDを一旦消灯させ、再度逆方向に回してLED点灯位置にセット。
【MUTING調整】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,20dBf on Smeter)受信 → VR4(X02-)調整 → ※
  ※VR4を回して音声が消える位置にし、再度逆方向に回して音声が現れる位置にセット。
【SUB調整】
 ・83MHz(1kHz,91%変調+19kHz,9%変調,60dB,L-R)受信 → VR1,5,6(X04-)調整 → ※
  ※初めにVR1を中央にセットし、VR5,VR6を回してL信号最大位置へ。
【PILOT CANCELLER調整】
 ・83MHz(19kHz,9%変調,60db)受信 → VR3,L5(X04-)調整 → 19kHz信号最小へ
  ※Lch,Rchのバランス確認
【DISTORTION(STEREO)調整】IF BAND=WIDE
 ・83MHz(1kHz,91%変調+19kHz,9%変調,60dB,L+R)受信 → L8(X01-)調整 → 高調波歪最小
【SEPARATION(1)】IF BAND=NARROW
 ・83MHz(1kHz,91%変調+19kHz,9%変調,60dB,LorR)受信 → VR9(X04-)調整 → 反対chへの漏れ最小
【SEPARATION(2)】IF BAND=WIDE
 ・83MHz(1kHz,91%変調+19kHz,9%変調,60dB,LorR)受信 → VR8(X04-)調整 → 反対chへの漏れ最小
【SEPARATION(3)】IF BAND=WIDE
 ・83MHz(10kHz,91%変調+19kHz,9%変調,60dB,LorR)受信 → FL2(X04-)調整 → 反対chへの漏れ最小
  ※十分な効果が見られない場合はVR5とVR6を僅かに回してみる。
  ※回し過ぎると1kHzのセパレーションが悪化する。
【SEPARATION(4)】IF BAND=NORMAL
 ・83MHz(1kHz,91%変調+19kHz,9%変調,60dB,LorR)受信 → VR1(X13-)調整 → 反対chへの漏れ最小
【SCA(1)】IF BAND=NORMAL
 ・MEGURO DARC ENCODER MSG-2170でFM多重信号を生成
  ※L&R=80%、Pilot=10%、DARC=10%
  ※KT-9900の受信音にDARC信号によるノイズ確認
 ・L6調整 → D4(X04-)カソード側DC電圧最大へ
【SCA(2)】IF BAND=NORMAL
 ・MEGURO DARC ENCODER MSG-2170でFM多重信号を生成
  ※L&R=80%、Pilot=10%、DARC=10%
  ※KT-9900の受信音にDARC信号によるノイズ確認
 ・VR4調整 → IC2-7pin(X04-)電圧測定 → +電圧が-電圧に変わる位置に設定
  ※IC2-7pin電圧が+→-に変わることでSCAフィルター回路のスイッチオン。
  ※L-01Tで確かめた調整方法が使えました。
【D METER】IF BAND=NORMAL
 ・83MHz(1kHz,100%変調,60dB)受信 → VR7(X04-)調整 → Dメーター目盛100%

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■FM文字多重放送(DARC)によるノイズ問題------------------------------

 ・KT-9900とL-01TはFM文字多重放送(DARC)によるノイズ問題を抱えています。
 ・回路図を見ると、L-01TとKT-9900のSCA周りの回路はほぼ同じです。
 ・2014年11月、KENWOOD L-01Tの調整を行いました。
 ・このとき、SCA調整方法をアレンジしてノイズ問題を回避できることを確認しました。
 ・L-01Tで確かめた調整方法がKT-9900でも使えるか?
 ・これが今回の作業の大きな関心事でした。
 ・最初の動作確認時、NHK-FMを聴いても不快なノイズは感じなかったです。
 ・当初はNHK-FMのVICS問題は解消したか?と思いました。
 ・でもやはりFM多重放送によるノイズ問題は存在しました。
 ・ノイズの有無はWavespectraの観察で波形ではっきり分かります。
 ・不思議にノイズが無いときもあります。
 ・ノイズがある時、ない時、その規則性がよく分かりません。
 ・放送とは無関係にVICS信号の内容や変調具合によるのかもしれません。

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 ・MEGURO DARC ENCODER MSG-2170 FM多重信号の変調レベルを変えながら確認。
  ・L&R=80%、Pilot=10%、DARC=10% → ノイズ発生
  ・L&R=85%、Pilot=10%、DARC= 5% → ノイズ発生しない

 ・L-01Tと同じ調整手法でVICSノイズを回避できることを確認しました。
 ・ところがこの調整後に実際のNHK-FMを聴くと大きな問題がありました。
 ・VICSノイズを感じるときは、SCAフィルターのスイッチが頻繁にON/OFFを繰り返します。
 ・このON/OFF動作が耳障りなノイズ「プチ、プチ」として数秒ごとに聴こえます。
 ・聴くに耐えないので、SCA調整はオリジナルの状態に戻しました。
 ・背後にセミの鳴き声が聴こえる方がまだマシです。

■VICS WIDE-----------------------------------------------------------

 ・調べてみると、2015年4月23日 VICS WIDEが始まっていました。
  ・VICSは「Vehicle Information and Communication System」の略。
  ・1996年にサービス開始、今年で20周年。
  ・渋滞や交通規制などの道路交通情報をリアルタイムに送信。
  ・車載器に文字・図形で表示する情報通信システムで、24時間365日稼動
  ・2015年4月23日より伝送容量を最大50KBから最大100KBへと約2倍に拡大。
  ・より高精度な渋滞回避情報の提供開始。
 ・もしかしたらVICS WIDE開始に伴って何かが変わったかも?

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・大型メーター、淡いオレンジ照明、フロントパネルのデザインは上品で高級感たっぷり。
 ・電源オンから音が出るまで約5秒。
 ・NHK-FMでは多重放送の影響がありますが、民放局は良い音で受信できています。
 ・これで修理完了と思ったところ、別の不具合発覚。

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 ・1時間に1回あるかないかの不定期に「プチっ」という僅かなノイズが混じります。
 ・休日の午後、メーター類やLEDインジケーターとにらめっこでノイズ発生を待ちました。
 ・ノイズ発生時にメーター動作やインジケーターの明滅など顕著な反応は無いようです。
 ・念のためマルチパスH端子の音でも確認しました。
 ・やはり同じ「プチっ」とノイズが不定期に混じります。

 ・これは原因特定は難しい、、と思っていたらさらに別の不具合確認。
 ・稀にRchの音が出なくなります。このときLchの音は正常です。
 ・Rchの音が出ないときもメーター動作やインジケーターの点灯に不具合無し。
 ・IF BAND切替やアンテナ切替などを操作しているうち復旧するという症状です。
 ・さらに作業は続くことになりました。

■修理記録2:「プチッ」ノイズ----------------------------------------

 ・気になるノイズは固定出力/可変出力ともに出てきます。
 ・マルチパスH端子からも同様の「プチっ」ノイズが出てきます。
 ・回路図で確認すると、マルチパスH端子=MPX基板3番端子=1番端子。
 ・つまりパルスカウント検波で得られたコンポジット信号です。
 ・念のためもう一つ、IC8(HA1137W)6ピンのクアドラチュア検波の音を確認。
 ・かなり時間をかけて確認しましたが、ここの音には「プチっ」ノイズは確認できない。
 ・という事はノイズ源はやはりパルスカウント検波か?

 ・パルスカウント検波回路を載せた基板は本体背面に縦置きに配置されています。
 ・コネクタを外すと基板ごと簡単に外せます。
 ・取り外す前にトランジスタ脚の電圧確認。特に異常無さそうです。
 ・外した基板を眺めるとトランジスタの脚が黒くなっている。
 ・裏返してみると、IC3(HA1157W)は既に交換されてた痕跡あり。
 ・IC4(4558DD)と同じ4558DDの在庫があったのでとりあえず交換。
 ・これで様子を見ていますが、今のところノイズは出ていません。
 ・確認時間が短くてノイズに遭遇できていない可能性あります。

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■修理記録3:音切れ(Rchの音が出なくなる)---------------------------

 ・Lchの音は正常、Rchの音だけが出なくなる症状です。
 ・ということは、MPX回路で復調後のどこかに原因があるか?
 ・基板上の端子から信号を引き出しながら丹念に確認。
  ・Lch信号→ MPX基板16端子 → 35端子 → RL1 → 42端子 → Lch出力
  ・Rch信号→ MPX基板17端子 → 36端子 → RL1 → 45端子 → FIX出力
 ・調査の結果、リレーRL1(X13-)が怪しい感じです。
 ・部品取り用のTRIO KT-8300基板に同じ型番のリレーがありました。
 ・これを取り外してKT-9900に移植しました。

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■再試聴--------------------------------------------------------------

 ・1週間ほど動作確認しましたが不具合の再発は無さそうです。
 ・この状態でお返ししますので依頼者様の環境で動作確認をお願いします。

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