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SONY ST-5950 修理記録

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 ・FM不調修理依頼品の作業報告です。
 ・意外なところに不具合原因がありました。

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■製品資料------------------------------------------------------------

 ・SONY ST-5950 1号機の記録
 ・SONY ST-5950 取扱説明書
 ・SONY 1976年6月発行カタログ

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■不具合状況----------------------------------------------------------

 ・オークションで入手した外観の良いST-5950。
 ・時間とともにシグナルメーターがふらつきだしノイズも出る。
 ・1日休むと、最初の15分くらいは調子よく聴くことができる。

■サービスマニュアル購入----------------------------------------------

 ・症状から想像すると電源周り、フロントエンド、検波回路が怪しそう?
 ・回路図が無いと原因究明は難しいと思い、久しぶりに Manuals-in-PDFを利用。
 ・SONY ST-5950SDサービスマニュアル  $7.99USD、 Paypal決済。
 ・全18ページ、回路図、調整手順、パーツ表などが揃っていました。

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外装はすでにクリーニング済みのようです。
 ・フロントパネル、ボディとも目立つキズはなく外観は驚くほど綺麗です。
 ・背面の端子類もピッカピカ。電源コードも綺麗でした。
 ・部分的にサビ落とし剤が白く残っているのでこれを除去すれば完璧。

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 ・私のリスニング環境に設置して不具合が出現するのを待ちました。
 ・不具合発生時の動作(メーター類の挙動、ノイズの種類など)がヒントになるはず。

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  ・1日目 通電約6時間、異常なし
  ・2日目 通電約3時間、異常なし
  ・3日目 通電約3時間、異常なし
  ・4日目 通電約3時間、異常なし
  ・5日目 通電約4時間、異常なし
  ・6日目 通電約3時間、異常なし
 ・ところが不具合は発生しません。短時間の通電では問題ないのか?
 ・この間に回路図を見ながら各部電圧値などを確認、ちょっと予習しました。

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■不具合確認----------------------------------------------------------

 ・7日目、リスニング部屋から実験室に移動し詳しく動作チェックしました。
 ・カバーを開けて内部確認。綺麗に清掃されている感じでホコリが全くありません。
 ・音声出力をWaveSpectraで観察したところ、不具合を確認しました。
 ・通常の音声信号が出ていると思ったら、波形の乱れが不規則に発生していました。
 ・説明は難しいのですが「波形全体が一瞬跳ね上がって元に戻る」そんな感じです。
 ・普通に聴いていると音の変化としては全然分からないです。

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■原因調査------------------------------------------------------------

 ・まずは電源部の確認。
 ・赤色15v(実測15.6v)、茶色-15v(実測-15.8v)、黒色GND、問題なし。
 ・続いてフロントエンド部に供給される電圧確認。
 ・回路図値14.3v に対して13v~15v。なぜか不規則に変動して安定しない。
 ・あれ?おかしいな~?
 ・と思った瞬間! Sメーターゼロ、音声信号が消え局間ノイズになりました。
 ・この時フロントエンドに供給される電圧ゼロ。これじゃ受信しないはず。
 ・でも電源回路からは15.6vが出ている。なぜ?

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 ・原因はすぐに分かりました。
 ・フロントエンドに電源を供給する赤いコードのコネクタです。
 ・何と「コネクタがピンに正しく挿さっていない」という状態でした。
 ・写真で分かりますか?

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 ・基板側のピンが「コネクタと透明ビニールカバーの隙間」に挿さっていました。
 ・指先でコネクタ部をちょっと押してみると、ご指摘の症状が発生しました。
 ・きっと内部を清掃した方がこのケーブルを一度外したのでしょう。
 ・再度配線するときにキチンと差し込まなかったことが原因と思います。

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 ・コネクタを正しく差し込んで問題解決しました。
 ・フロントエンド部に供給される電圧確認。
 ・回路図値14.3v に対して実測15.3v。安定しています。
 ・WaveSpectraで見る波形も安定しました。もう跳ね上がることはありません。
 ・波形の乱れはフロントエンド部の僅かな電圧変動に反応していたようです。

■各部再調整----------------------------------------------------------

 ・サービスマニュアルの調整手順に従って各部再調整しました。
 ・1号機の記事に書いた適当調整法でほぼOKでした。

Image2

 ・レシオ検波の調整で歪率が改善しました。
 ・VCO調整によってセパレーションが約40dB→約50dBに改善しました。
 ・AM部の周波数ズレが大きかったので修正しました。
 ・固定出力の左右バランスを指定値で整えました。

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■試聴その他----------------------------------------------------------

 ・FM/AMとも良い性能を取り戻したと思います。
 ・F型端子の突起部が短いので、ネジで締め込むタイプが必須です。
 ・差し込むだけのワンタッチ型はグラグラして不安定要因になります。
 ・周波数目盛りを刻んたガラス板も清掃されているようですが、、
 ・残念なことにちょっと磨き過ぎですね。
 ・目盛り線がちょっと歪んでいますし、緑色の蛍光塗料も一部剥げているような。
 ・この時期のソニー製品では私も同じ失敗経験があります。
 ・未確認ですが、たぶんST-5950とST-4950のガラス板は同じものと思います。
 ・ST-4950のジャンク品を調達してガラス板だけ交換する方法があるかも?

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Xperia E1 Dual D2105

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 ・2014年6月末、海外出張用としてSIMフリーのスマホを購入しました。
 ・ソニーモバイル製、2014年の低価格帯グローバルモデル(デュアルSIM仕様)です。
 ・機種選定で Xperia M2 と迷いましたが「高機能は不要」と割り切りました。
 ・以下、自分自身の備忘録として残します。

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■製品情報------------------------------------------------------------

 ・Xperia E1 Dual ソニーモバイル・グローバルサイト
 ・参考サイト:小さなエントリーモデル、「Xperia E1 dual(D2105)」をいじってみた雑感。(前編)(後編)
  ※E1の詳細レポートが役立ちました。

■購入記録------------------------------------------------------------

 ・EXPANSYS Sony Xperia E1 Dual D2105 ¥14,375円 (2014/06/30時点)
 ・Amazon EXPANSYSストア 15,490円 (2014/06/30時点)
 ・同じショップでアマゾン経由だと1,000円ほど高いのですが、、
 ・ちょうど5,000円分のギフトカードがあったのでアマゾンで購入。

■FedExの貨物追跡システム-------------------------------------------

 ・注文直後に確認メールが届く。追跡システムが興味深かった。
 ・発送日17:00香港にて商品ピックアップ→同日23:00広州着。
 ・翌日朝4:00広州発→8:00関空着→13:00名古屋配送センター着→16:30自宅に配送。
 ・香港出発からホントに24時間以内に届いた!

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■スペックまとめ-------------------------------------------------------

【Xperia E1 dual】
 ・Snapdragon 200 MSM8210 1.2GHzデュアルコアプロセッサ
 ・512MB RAM
 ・4GB ROM(Micro SDカード最大32GB)
 ・4インチ800×480ピクセルの液晶ディスプレイ
 ・背面カメラ320万画素(固定フォーカス)
 ・デュアルSIM仕様(標準サイズスロット×2)
 ・118mm×62.4mm×12mm、質量122g 
 ・2G(GSM/EDGE/GRPS方式)、3G(WCDMA/HSPA方式)対応、※LTE非対応
 ・Android 4.3(Jelly Bean)ビルド番号「20.0.B.0.80」。
 ・すぐにアップデート通知が来て「20.0.B.0.84」になりました。
 ・Bluetoothは4.0
【付属品】
 ・BA900バッテリー(1,700mAh)
 ・ヘッドホン、
 ・Micro USBケーブル、
 ・USB電源アダプタ(電源プラグCタイプ)
 ・取扱説明書・保証書
【EXPANSYS提供のおまけ】
 ・USB電源アダプタ(日本用)
 ・純正付属品は電源プラグがCタイプなので日本では使えない。

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■初期設定------------------------------------------------------------

 ・標準サイズSIMを2枚セット可能。
 ・現在契約中のドコモSIMとIIJmioのデータ通信SIMを入れてみました。
 ・3個入りの「Nano SIM Adapter」を使っています。
 ・アダプターで入れても引っ掛からないタイプです。
 ・電源オン。言語設定画面で日本語を選択。
 ・あとは見慣れたAndroid端末の初期設定が続きます。
 ・SONY製なのに「PO Box」がプリインストールされていない。
 ・IMEアプリとして「Google日本語入力」を導入。

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■デュアルSIM関係-----------------------------------------------------

 ・デュアルSIMはGSM+WCDMAまたはGSM+GSMの組み合わせしかサポートされない。
 ・つまりWCDMA+WCDMAは有効にできないということ。
 ・通話はドコモSIM、データ通信はIIJと同時には使えない。
 ・2枚のSIMカードを挿したままで手動でSIMカードを使い分けることなら可能。
 ・ちょっぴり残念、、

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■バッテリーライフテスト-----------------------------------------------

 ・海外旅行時に現地SIMを入手してテザリングしようと思っています。
 ・最初にバッテリーの持ち具合を確かめておきたかった。
【実験条件】
 ・SIM1:IIJ-Mio契約SIM、SIM2:なし
 ・電源管理 STAMINAモードOFF、低バッテリーモードOFF
 ・バッテリー100%フル充電からスタートしてバッテリー残量記録。
 ・テザリングON、接続する機器は通常使用しているXperia AX、iPad mini、Mac Book Air
【WiFiテザリング】
 ・連続使用20時間
 ・1時間当たり5%ずつ残量が減少
【Bluetoothテザリング】
 ・連続使用61時間
 ・1時間当たり1~2%ずつ残量減少、
 ・Map表示ではやや遅さを感じるがメールチェックなら不満なし。
【テザリングなし】
 ・IIJ-mioのデータ通信SIMだけで通常待ち受け
 ・実質Gmailの着信だけ。WiFiオフ、Bluetoothオフ、バイブオフ

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         縦軸:バッテリー残量(%)、横軸:経過時間(hour) 

■使用感など----------------------------------------------------------

 ・入手から約3週間、ドコモ契約SIMを入れて通常スマホとして使っています。
 ・このコンパクトサイズは私にはちょうど良いです。最近の機種はデカ過ぎ。
 ・通話、メール、ラインなど通常使用には全く問題なし。
 ・Bluetoothテザリングが予想以上に使える。

 ・着信通知LEDは約7秒間隔で点滅するが、点滅間隔が長すぎる。
 ・パッと見ただけでは通知の有無が判断できない。
 ・本来白色に見えるはずの画面が薄く青みが強い。これは液晶パネルの特性か。
 ・本体スピーカーからビックリするほど大きな音が出る。音質はソコソコ。
 ・本体を振ってシャッフル再生する機能が面白い。
 ・プラスチック製本体がちょっと安っぽいけど価格が安いので文句なし。
 ・デュアルSIMの仕様はちょっと期待外れでしたが、海外では役に立ちそうです。

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 ・プラスチック製本体がちょっと安っぽい、でも本体価格が安いので文句なし。
 ・デュアルSIMの仕様はちょっと期待外れでしたが、海外では役に立ちそうです。

PIONEER TX-8900II

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 ・2014年6月初め、入手の機会を待っていたTX-8900IIがついにやって来ました。
 ・TX-8900に「II」が付いただけ、ネーミングに行き詰まった感じの型番です。
 ・この時期のPIONEER製中級機はICを用いたクアドラチュア検波を採用していますが、、
 ・TX-8900/8900II だけは分布定数形遅延線検波という珍しい検波回路を搭載しています。

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■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Pioneer TX-8900II ¥65,800(1976年発売)
 ・PIONEER アンプチューナー総合カタログ 1976年10月版
 ・輸出機情報 Hifi Engine Pioneer TX-9500II ※英語版サービスマニュアルあり

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■輸出機 TX-9500II ブロック図------------------------------------------

 ・Hifi Engine で入手した TX-9500II回路図と TX-8900II実機を比較しました。
 ・TX-9500IIはFMドルビー放送に対応した機種でした。
 ・TX-9500IIの背面パネルには「ディエンファシス切替スイッチ」が付いています。
 ・あとは電源部構成が微妙に異なりますがそれ以外はほぼ同一でした。

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■分布定数形遅延線検波-------------------------------------------------

 ・パイオニアではこの検波方式を「超広帯域直線検波」とカタログに表記しています。
 ・F-26では改良型として「Parallel Balanced Linear Detector:PBLD」が登場します。
 ・動作原理の研究 →

 【超広帯域直線検波】
  ・1974年 Pioneer TX-9900    140,000円
  ・1974年 Pioneer TX-8900     65,000円 ※過去記事2012/02/04
  ・1975年 Pioneer EXCLUSIVE F-3 250,000円
  ・1976年 Pioneer TX-8900Ⅱ    65,800円 ※今回記事
 【Parallel Balanced Linear Detector / PBLD】
  ・1977年 Pioneer F-26      135,000円 ※過去記事2010/09/12
  ・1978年 Pioneer F-007          95,000円 ※過去記事2012/02/22

 ・未入手は TX-9900 と EXCLUSIVE F-3 の2機種となりました。

■動作確認------------------------------------------------------------

【外観】
 ・ボディ両サイドに販売店シール。内外無線の3年保証付き。
 ・保証期間 昭和52年1月21日~昭和55年1月20日。
 ・電源オン、照明ランプ点灯、Wide/Narrowポジションランプ点灯、球切れなし。
 ・フロントパネルとツマミ類には経年の汚れがあるものの目立つ傷は無い。
 ・ボディも目立つ傷はないが、後部放熱孔周辺にサビがでている。
 ・AMアンテナに破損なし。可変出力端子だけピカピカ、他の端子は酷いサビ。

Tx8900ii01Tx8900ii03Tx8900ii05Tx8900ii07Tx8900ii06

【FM受信】
 ・FMは0.2MHzほどの周波数ズレ、Tメーター、Sメーターとも動作は正常。
 ・STEREOランプ点灯、でも出てくる音にステレオ感を感じない。
 ・左右の音量差。それに音がとても悪い。かなり歪んでいる感じ。
 ・Wide側、Narrow側どちらで受信しても症状は同じ。
 ・マルチパス出力H端子からはまともな音が出ている。
 ・ミューティング動作OK、REC CALトーンOK。
 ・復調回路に不具合がありそうです。

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【AM受信】
 ・背面バーアンテナでAM受信確認。Sメーター動作OK。音も問題なし。
 ・AM部は問題なし。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・放熱孔があるボディ後部だけ分厚いホコリが堆積しています。
 ・きれいに清掃してから内部確認しました。
 ・アンプ並みの重量級電源トランス。本体重量9.4Kg。
 ・厳重なシールドケースに納まったフロントエンド。
 ・FM5連AM3連バリコン。IF段はWide/Narrow別系統。
 ・別にPA3001もある、、複雑な回路構成です。
 ・カタログ記載事項、回路図、実機を見比べながら確認しました。

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【Narrow IF】
 ・2素子セラミックフィルター5個 → 超広帯域直線検波器
【Wide IF】
 ・4極フェイズリニアフィルター+SAW(表面弾性波)フィルター → 超広帯域直線検波器
【制御系】
 ・Narrow IFから分岐 → PA3001(同調点、Sメーター駆動、ミューティング検出)

Tx8900ii00

 ・PA3001:FM IF SYSTEM(HA11225と同じ)クアドラチュア検波
 ・PA1001:PLL MPX(KB4437と同じ)
 ・PA1002:オーディオアンプ、ミューティング回路
 ・PA2002:電源用IC
 ・HA1452:REC LEVEL TONE
 ・HA1197:AM用IC
 ・M5109PR:分布定数形検波回路の要となるIC

■分解清掃------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル裏側に「51.4.15」の印字。昭和51年(1976)4月15日と読めます。
 ・チューニングツマミはアルミ無垢製でした。
 ・切替レバーの金属部分を覆うためにプラスチック製台座が付いています。
 ・バラバラに分解してピカピカに磨き上げました。

Tx8900ii20Tx8900ii22Tx8900ii23Tx8900ii24Tx8900ii25

■不具合確認----------------------------------------------------------

 ・信号発生器から1kHz基準信号を送信したところ、更なる不具合に気が付きました。
 ・何と、FMモノラル信号を送ってもSTEREOランプが点灯します。
 ・WaveSpectraで基準信号の波形を見ると激しい高調波がたっぷり。
 ・左右の出力に約10dBのレベル差。モノラルでも明らかに左右の音量が違う。
 ・試しにVCO調整VR、セパレーション調整VRを回しても全く変化なし。

Tx8900ii28Tx8900ii27Tx8900ii31Tx8900ii32Tx8900ii33

 ・マルチパス出力H端子から出ているコンポジット信号の波形は正常と思われます。
 ・念のために 復調マシンに改造したTU-S707X(改)に接続して動作確認。
 ・TU-S707X(改)からはWide/Narrowとも綺麗に復調されたステレオ音声が出てきました。

Tx8900ii35Tx8900ii36Tx8900ii37Tx8900ii38Tx8900ii39

 ・サービスマニュアルに従ってフロントエンドから一通り受信調整してみました。
 ・検波回路までは各部キチンと調整できました。
 ・でもMPX基板ではVCO調整不可。76kHzが確認できず。STEREOランプ点灯したまま。
 ・Wide/Narrowともにセパレーション調整不可。

Tx8900ii40Tx8900ii41Tx8900ii42Tx8900ii43Tx8900ii45

 ・PA1001-2ピン 入力信号(コンポジット信号)は正常。
 ・PA1001-4ピン、5ピンから出力される左右の音声信号は酷い状態。
 ・PA1001-15ピン VCO76kHzが確認できない。
 ・これはPA1001の故障ですね。MPX-ICの不調事例は久しぶりです。

■PA1001交換、ついでにKB4437も試す------------------------------------

 ・解体して基板だけ保管していた PIONEER F-73にPA1001が載っていました。
 ・そういえば PA1001=東光KB4437
 ・こちらも基板だけ保管している Harman Kardon T610からKB4437を取り外す。
 ・TX-8900IIのMPX基板をひっくり返してPA1001を取り外す。
 ・交換実験を実施するためICソケット設置。

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 ・まずはF-73から外した新PA1001を設置。
 ・スイッチオン、、きれいなステレオ音声が聴こえてきました。
 ・VCO調整で76kHzに合わせられます。セパレーション調整で軽く50dB確保できました。
 ・次にICをKB4437に交換、、、こちらも正常動作しました。
 ・VCOとセパレーションを僅かに微調整してPA1001とほぼ同等性能を確認しました。
 ・やっぱり PA1001=KB4437ですね。初めて実機で確かめました。

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■調整記録------------------------------------------------------------

 ・F-73のPA1001をセットして、もう一度最初から再調整やり直しました。
【フロントエンド調整】
 ※シールドカバーを外して上部から調整した後にカバーを被せると受信周波数がズレる。
 ※カバーは外さず、調整は底部から行うこと。
【OSC調整】
 ・76MHz→Lo、90MHz→TCo
【RF調整】
 ・LA、LR1、LR2、LR3 → 76MHz
 ・TCA、TCR1、TCR2、TCR3 → 90MHz
【FM同調点調整】PA3001受信調整、Narrow受信
 ・T12調整→Tメーター中央
【IF Wide調整】Wide受信
 ・T1、T2、T3、T4、T5 → 高調波歪最小へ
【IF Narrow調整】Narrow受信
 ・T6 → 高調波歪最小へ
【Wide/Narrow共通調整】
 ・T7,T8,T9,T10,T11 → 高調波歪最小へ
【検波調整】
 ・VR2 → 高調波歪最小へ
【Sメーター調整】
 ・VR1 → SSG出力50dB → Sメータ目盛り4.0
 ・VR3 → SSG出力80dB → Sメータ目盛り4.8
【ミューティング調整】
 ・VR4 → Muting1 14dB
 ・VR5 → Muting2 29dB
【MPX基板調整】
 ・VR1 VCO調整 → 76kHz ※TP26
 ・VR2 パイロットキャンセル調整
 ・VR3 セパレーション調整 Wide
 ・VR4 セパレーション調整 Narrow
 ・VR5 REC LEVEL調整 -6dB
【AM調整】
 ・TC1、TC2、TC3
 ・T13、T14、バーアンテナ内コイル

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■聴いてみて----------------------------------------------------------

 ・苦労した甲斐があってFM放送がとても良い音で鳴っています。
 ・低音が良く出ているような気がしますが、気のせいかも?
 ・MPX部のICを交換式に加工したので「楽しい実験機」として活用できそう。
 ・また楽しみが増えました。

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Aurex ST-220

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 ・2014年5月終わり、HOジャンクコーナーで入手しました。
 ・フロントパネルに目立つ傷は無いものの全体にタバコのヤニ。
 ・通電チェックもしていない本当のジャンク品です。

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 ・フロントパネルに「PLL」と印字。MPX-ICは何だろう?
 ・「Computer Aided Data Inspection System」って何??
 ・久々にお目にかかった100円(税込108円)チューナーでした。

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■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Aurex ST-220¥27,800円(1976年頃)
 ・ここに掲載されている写真を見ると、天板に何かプリントされています。
 ・ブロック図かな?でも入手した個体の天板には印字なし。
 ・本体サイズ:幅400×高さ126×奥行318mm、横幅がちょっと小ぶりです。

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・あまりに汚くて清掃する気にもなりません。
 ・でも写真では綺麗に見えるから不思議。
 ・とりあえず電源オン。周波数窓の照明なし。指針も光らない。
 ・メーターは一つだけ。FMはTメーター、AMはSメーターとして動作。
 ・FMはSTEREOランプ点灯。実際のステレオ感もあり。
 ・ミューティング動作OK。AMも受信OK。
 ・出力端子は固定と可変の2系統。可変のLEVEL調整にガリなし。
 ・機能的な不具合は無さそう。

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■内部確認-------------------------------------------------------------

 ・ボディと底板は一体構造でした。
 ・両サイドと裏面のネジを外し、フロントパネルを前に引き出す。
 ・シャーシに載った基板が出てきました。予想通り内部はスカスカ。
 ・FM3連、AM2連バリコン、レシオ検波
 ・TA7142P FM IF用?詳細不明
 ・TA7157P PLL MPX-PC

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 ・初めて TA7157P に遭遇しました。
 ・TA7157Pの互換品を検索すると次のようなICが出てきます。
 ・HA1156W BA1310 MC1310P LM1310 UPC587 UPC1026C KIA7157 ULN2210N  MB4102

St22026St22027St22028St22029St22030

■調整記録-------------------------------------------------------------

 ・L03,CT03:FM OSC
 ・L01,L02 CT01,CT02:FM RF
 ・IT01:FM IFT
 ・IT04:T-Meter
 ・IT02:Distortion
 ・IT05:Muting D08右側電圧max
 ・VR01:Muting Level adj
 ・VR02:VCO 76kHz
 ・CTam01,CTam02,L06:AM
 ・IT03,IT07:AM

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 ・「Computer Aided Data Inspection System」って何?

■使用感など----------------------------------------------------------

 ・中途半端な横サイズ、同シリーズのアンプなどとセット品だった?
 ・当時はこれは最先端のデザインだった?
 ・FM/AMとも不満なく使えますが、残念ながら使い道ないです。
 ・今回はMPX-ICを確認できたことが大きな収穫でした。

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Technics ST-9030T 2号機

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 ・調整依頼品の作業報告です。

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・シリアル番号は1977年2月22日製造と読めます。
 ・外観はとても綺麗です。キズはほとんど見当たりません。
 ・電源スイッチのプラスチック部品にひび割れなし。
 ・照明のランプ切れなし。パイロットランプ切れなし。
 ・約-0.3MHzの周波数ズレ。
 ・Tメーター、Sメーター動作OK。MUTING動作OK。
 ・難点は76~80MHz区間のガサゴソ音が気になること。

30t21       ※上段:依頼品(調整後)  下段:1号機

■76~80MHz区間のガサゴソ音-------------------------------------------

 ・経験上この症状はバリコン軸とフレーム部分の接触不良が怪しいです。
 ・まずバリコン軸を回転させながら無水アルコールを含ませた細い綿棒で清掃。
 ・その後、爪楊枝の先端を使ってコンタクトグリースを極少量塗布。
 ・76MHz~90MHzを30往復させて馴染ませました。
 ・これで76~80MHz区間のガサゴゾ音はほぼ解消しました。

30t1130t1230t1330t1430t15

 ・ただ76MHz以下の部分でSメーターが振り切れる箇所があります。
 ・綿棒や爪楊枝が届かない部分にまだ不良部分がありそうです。
 ・完治ではありませんが、通常使う範囲外なのでご容赦ください。

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・過去の調整記録に基づいて一連の作業を行いました。
 ・作業前後のテスト信号をWAVファイルでお送りします。
 ・周波数ズレ → 解消
 ・受信感度 → 大幅改善(1目盛りアップ)
 ・歪率(WIDE,mono) 0.3% → 0.1%
 ・歪率(WIDE,stereo) 0.2% → 0.05%
 ・セパレーション(WIDE)約30dB → 約50dB

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■使用感など----------------------------------------------------------

 ・この時代のガンメタテクニクスはルックスが抜群ですね。
 ・オレンジ色照明とのコントラストが絶妙です。
 ・調整後は受信感度が向上、音に臨場感が増したと思います。

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30t32      ※30Tの二段重ね、貴重なショットかも。

SONY ST-J75 2号機 調整記録

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 ・調整依頼品の作業報告です。
 ・シンセ式チューナーに触れるのは何だか久しぶり。

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■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-J75 ¥67,000(1980年頃)
 ・オーディオ懐古録 SONY ST-J75 ¥67,000(1980年頃)
 ・Hifi Engine SONY ST-J75 海外機サービスマニュアル

Stj7505Stj7506Stj7507Stj7508Stj7509

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観に目立つキズなし。電源スイッチやプッシュスイッチにサビなし。
 ・周波数表示クッキリ。SIGNALメーター点灯、各種表示ランプ点灯。
 ・オートチューニング、ミューティング、各種動作OK。
 ・保存状態はとても良好。FM/AMとも不具合箇所は無さそうです。

Stj7510Stj7511Stj7512Stj7513Stj7514

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・海外仕様のST-J75はFM専用機ですが、FM部分は国内機とほぼ同じ構成です。
 ・海外版のサービスマニュアルがそのまま使えました。
 ・ただし検波調整IFT102、Primary(赤)とSecondary(黒)が逆のようです。
 ・サービスマニュアルにあったバラバラの回路図を一枚にまとめました。
 ・残念なことに中央部分が欠損していました。

Stj75_sche

Stj7515Stj7516Stj7517Stj7518Stj7519

■作業を終えて--------------------------------------------------------

Stj75adj

 ・受信感度、歪率、セパレーションが大幅に改善しました。
 ・とても良い音になったと思います。
 ・作業前後で基準信号を録音したWAVファイルをお送りします。
 ・WaveSpectraで再生して波形をご確認ください。

Stj7530Stj7531_2Stj7532

■NHK-FM 今日は一日 N響三昧------------------------------------------

 ・今回の依頼者様に教えていただきました。
 ・NHKサイト 放送予定 2014年10月13日(月・祝) 午後0時15分~10時45分
 ・これは聴き逃せませんね。永久保存版になりそう。
 ・エアチェックの準備、大丈夫ですか?

Stj7500

PIONEER SX-717

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 ・2014年6月初め、ヤフオクでノーチェックジャンク品を入手しました。
 ・予想通りというか不具合箇所が多数あって長期戦の様相です。
 ・夏休みにある程度作業が進んだので一旦まとめておきます。

Sx717111

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・1972年頃の製品で、FM復調部はPLL化されていないタイプです。
 ・オーディオの足跡 PIONEER SX-717 ¥78,000(1972年発売)
 ・Hifi Engine PIONEER SX-727 輸出仕様 回路図、サービスマニュアルあり

 <パイオニア製レシーバーの系譜>

1970年頃 1972年頃 1974年頃 1976年頃
SX-100S / 125,000円
Sx100s_2
 →過去記事
SX-818 / 100,000円
Sx818
- -
SX-90 / 80,000円
Sx90
SX-717 / 78,000円
Sx717
 →過去記事
SX-737 / 85,000円
Sx737
 →過去記事
SX-757 / 78,500円
Sx757
 →過去記事
SX-65 / 54,800円
Sx65
SX-616 / 64,800円
Sx616
SX-636 / 68,000円
Sx636
-
- SX-515 / 53,800円
Sx515
SX-535 / 57,000円
Sx535
SX-555 / 48,500円
Sx555
SX-45 / 39,800円
Sx45
SX-414 / 39,800円
Sx414
SX-434 / 50,000円
Sx434
-
- - SX-300 / 36,500円
Sx300
-
カタログ(1970年7月版)カタログ(1973年10月版)カタログ(1974年5月版)カタログ(1976年1月版)

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・どうやら訳あり品のようです。
 ・フロントパネルがグラグラ。何とパネルの取り付け方法が間違っている。
 ・ウッドケースは濃い飴色のよう。ヤニが染み込んでいるのか?再塗装されているのか?
 ・タバコのヤニ汚れでフロントパネルとツマミ類は黄色っぽい。
 ・でも幸いなことにフロントパネルに目立つ傷はない。清掃すれば綺麗になりそう。

Sx717101Sx717104Sx717105Sx717106Sx717102

 ・特殊形状のスピーカー端子はこの時期のパイオニア製品の特長です。
 ・SX-100Sに付属していたスピーカー端子がそのまま使えました。
 ・底面に修理記録のシールあり。昭和62年(1987年)6月5日。

Sx717109Sx717110Sx71716Sx71717Sx71718

 ・電源オン。周波数窓と二つのメーター照明が点灯。指針もオレンジに光っています。
 ・ポジションランプ確認。AM、FM、AUX、MIC点灯。2系統あるPHONOだけ点灯しない。
 ・AMポジションではSメーター消灯、PHONOやAUXポジションでは二つのメーターと指針が消灯。
 ・不思議なことにどの入力ポジションでもSTEREOランプ点灯します。
 ・しかも電源投入後暫くすると徐々に暗くなってそのうち消灯。何これ??

Sx71740Sx71751Sx71753Sx71755Sx71756

 ・PHONOは2系統ともレコード再生OK。ただしちょっと歪多い。
 ・AUXはCDプレーヤーを繋いで再生OK。歪感なくここは綺麗な音です。
 ・CDを聴きながら音質チェック。ボリューム、バランスにガリなし。
 ・ステップ式トーンコントロールに少しガリあり。
 ・ラウドネス、フィルターなどその効果が聴感で確認OK。
 ・そういえばPRE OUTとMAIN INの短絡プラグが欠品なのにスピーカーから音が出ている?
 ・内部で直結されているか?

Sx71731_2Sx71732Sx71733Sx71735Sx71736

 ・肝心のFMは局間ノイズのみ、FM放送は全く受信しない。
 ・Sメーター、Tメーター振れない
 ・AM放送も全く受信しない。AMは局間ノイズも聞こえない状態。

【問題点】
 ・PHONOポジションランプの電球切れ
 ・チューナー部(FM/AMとも)故障
 ・STEREOランプ挙動不審
 ・イコライザー回路不調
 ・PRE OUT MAIN IN 直結確認

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・既に相当弄られた個体のようです。
 ・FM4連、AM3連バリコン搭載。
 ・チューナー基板の電解コンデンサがいくつか交換されている
 ・AMアンテナの内部配線が不自然に接合されている
 ・やはりプリアウトとメインインが内部で直結されている。

Sx71710Sx71711Sx71720Sx71731Sx71730

 ・PHONOランプ切れ → 修理痕あり
 ・フロントパネル裏面に製造日シール、底面に修理シールがありました。
 ・製造日:昭和47年(1972)6月19日
 ・修理日:昭和62年(1987)6月05日

Sx71720_2Sx71721Sx71722Sx71723Sx71777

■修理記録 PHONOポジションランプ交換---------------------------------

 ・海外版のサービスマニュアルによると8V/50mA 直径3mmタイプ。
 ・ここは手持ちの中古品に交換して完了。

Sx71724Sx71725Sx71726Sx71727Sx71728

■修理記録 フロントエンド--------------------------------------------

 ・FM受信不良。
 ・試しにIF段にSGから10.7MHzを直接注入するとちゃんと動作しました。
 ・レシオ検波調整で正常に受信可能。ということは原因はフロントエンド。
 ・調べてみるとフロントエンド内局発が発振していない。

Sx71740_2Sx71742Sx71743Sx71744Sx71745

 ・バリコンと付属回路が一体構造になったフロントエンドです。
 ・アルプス電気製 型番W11-044-0
 ・内部を見るには糸を解いてフロントエンド部を取り外さなければなりません。
 ・さて、どうしたものか、、
 ・と思案していたときにトラブルシューター様のT-550修理記事を拝見しました。
 ・LUXMAN T-550とSX-717のフロントエンドはほぼ同じもののようです。
 ・トラブルシューター様の修理記事を参考にさせていただきました。

Sx71770Sx71768Sx71765Sx71771Sx71773

 ・思い切ってSX-717の糸を解き、フロントエンドユニットを取り外す。
 ・外した状態で仮配線して各部チェック。やはり局発が発振していない。
 ・ハンダ面をルーペ観察すると円盤型部品にハンダ割れ発見。
 ・修復ついでに全箇所ハンダを盛り直してフロントエンドを元通りに取り付ける。
 ・さあ、どうだ・・・スイッチオン! 何と!動作しました。
 ・TメーターとSメーターが振れてスピーカーから音声が流れてきました。
 ・とりあえず第一関門通過。

Sx717112

■修理記録 STEREOランプ挙動不審------------------------------------

 ・電源投入から2~3分間、どの入力ポジションでもSTEREOランプが点灯する。
 ・当初は明るく点灯、次第に暗くなって最後に消灯する。
 ・本来FM以外の入力ポジションでSTEREOランプが点灯するはずがない。
 ・あれこれ調べた結果、原因はトランジスタQ19(2SC968)不調でした。
 ・頭部がすごく発熱しています。

Sx71751_2Sx71778Sx71779Sx71780Sx71775

 ・ネット通販で2SC968を調達 6個セット300円でした。高いのか安いのか?
 ・Q19交換によってSTEREOランプの不思議な挙動は解消しました。
 ・FM放送受信時の動作も正常になりました。
 ・ステレオ放送受信時にSTEREOランプ点灯します。

■宿題----------------------------------------------------------

 ・AM部不調。まったく受信しない。局間ノイズも出ない。完全に無音。
 ・イコライザー回路不調
 ・作業完了までまだ時間がかかりそうです。
 ・つづく、、

Sx717113

PIONEER TX-7600

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 ・2014年5月終わり、ハードオフで入手したジャンク品です。
 ・税込み540円。電球やICの部品取り目的で確保しました。

Tx760001

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Pioneer TX-7600II ¥25,800(1979年頃)
  ※オーディオの足跡にはTX-7600IIの情報しかありません。
  ※TX-7600とTX-7600IIの違いは未調査

Tx7600

 ・Hifi Engine  PIONEER TX-6700(TX-606)
  ※周波数パネルやメータパネルの色が違うようです。
  ※サービスマニュアル、回路図が入手できます。

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字は1977。本体奥行きが小さめなボディ。
 ・フロントパネルやボディに目立つキズはない。
 ・よく見るとリアパネルはプラスチック製。
 ・電源オン。メーター照明OK。
 ・周波数窓の照明なし。指針だけが光るタイプでした。
 ・FM受信OK。メーター動作OK。ミューティング動作OK。
 ・STEREOランプ点灯。実際にステレオ感もある。
 ・AM用アンテナが無いのにAMも受信OK。
 ・内部にバーアンテナを持っているのか?

Tx760003Tx760004Tx760005Tx760008Tx760009

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・予想通り内部はスカスカ。
 ・小さな基板が斜めに設置されています。
 ・やはりAMバーアンテナが内部にありました。

Tx760013Tx760021Tx760022Tx760023Tx760024

 ・FM3連AM2連バリコン搭載。
 ・CF2個→PA3001(クアドラチュア検波)→PA1001
 ・HA1197 AM用IC
 ・調整用VRは2個だけ、とってもシンプル。
 ・輸出機の回路図と比較すると基本構成はほぼ一致。

Tx760011Tx760010Tx760012Tx760014Tx760015

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・FMフロントエンド
 ・L5,TC3:FMOSC調整
 ・L2,L4,TC1,TC2:RF調整
 ・T4:歪調整
 ・T6:クアドラチュア検波調整
 ・VR1:VCO調整→TP5 76kHz
 ・VR2:パイロットキャンセル

Tx760025Tx760026Tx760027Tx760028Tx760029

 ・ミューティング調整なし
 ・Sメーター振れ調整なし
 ・セパレーション調整なし

Tx7600algn

Tx6700sche

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・FM/AMとも正常に受信します。出てくる音に特に不満なし。
 ・とてもシンプルな構成ですが性能的にはこれで十分なのかも?
 ・それにしてもフロント照明が無いとはちょっと期待外れ。
 ・周波数窓の照明が無いとアナログチューナーの魅力は半減ですね。
 ・予定通り基板だけ残して解体処分だな、、

Tx760006


VICTOR JT-V6

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 ・前回の PIONEER TX-7600と同じ店で同時に入手したジャンク品です。
 ・フロントパネルのビクターロゴに「ビクター犬」がいます。
 ・よく見ると「HIS MASTER'S VOICE」の印字か。

Jtv805

 ・いつ頃の製品か?素性が良く分かりませんが、中級クラスかな?
 ・背面端子は固定/可変出力に加えてFM DET OUT(検波出力)。底面に点検口もある。
 ・MPX部がPLL-IC化されているかどうか? 年代的に微妙な感じですが、、
 ・税込み540円で一日楽しめると思えば安上がりな趣味です。

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・ネット検索でも製品の詳細情報が見つかりません。
 ・断片的な情報を実機確認事項をまとめます。

Jtv802

 ・1974年発売、定価¥39,800円
 ・1975ベストバイ・コンポーネント / ステレオサウンド35号(1975年6月発行)
 ・幅412×奥行295×高135mm(突起含まず、実測)
 ・FMミューティング機能、ハイブレンド機能
 ・固定出力端子、可変出力端子、FM DET OUT端子、AMバーアンテナ
 ・FMアンテナ端子(75Ωバラ線タイプ、300Ω)

Jtv803Jtv804Jtv806Jtv807Jtv809

 ・「JVC JT-V6」で検索すると輸出機がたくさんヒットします。
 ・周波数目盛り板の色が違うだけで見た目(背面端子も)そっくりです。

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル左上部に小さな打ち傷。それ以外に目立つキズは無い。
 ・目を凝らして見ても電源コードに製造年の印字なし。
 ・電源オン。周波数窓は指針だけが光るタイプでした。ちょっぴり残念。
 ・二つのメーター照明が点灯しない。タマ切れか?
 ・FM受信OK。メーター動作OK。ミューティング動作OK。
 ・目盛りと指針のズレも僅か。
 ・STEREOランプが赤く点灯。実際の音にもステレオ感あり。
 ・AMも受信OK。

Jtv811Jtv820Jtv822Jtv823Jtv825

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・内部はスカスカ。電源基板とチューナー基板の2枚構成。
 ・二つのメーター照明はタマ切れではなく、そもそも照明が無かった。ビックリ!

Jtv812Jtv821Jtv814Jtv815Jtv816

 ・FM3連AM2連バリコン搭載。
 ・アルプス製のフロントエンドはPIONEER TX-7600と同型。
 ・局発部のシールドはTX-7600よりもしっかり作ってある。
 ・HA1137 FM IF System / クアドラチュア検波、メーター回路
 ・HA1156 FM MPX
 ・HA1151 AM RADIO
 ・FM復調IC=HA1156、やはり1974年~1975年の製品です。

Jtv817Jtv818Jtv819Jtv826Jtv813

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・半固定抵抗の役割を確認するため本体底板点検口を開けてHA1156周辺の配線を確認。
 ・部品番号が無いので仮にVR1、VR2とする。
 ・VR1:VCO調整 TPとしてR146手前側で19kHz確認
 ・VR2:セパレーション調整
 ・ミューティング調整なし
 ・Sメーター振れ調整なし
 ・再調整によって受信感度がグンと向上しました。

Jtv8algn_2

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・ビクター製アナログチューナーは T-2020がお気に入りです。
 ・でも他のビクター製チューナーは実はよく知りません。
 ・オーディオ全盛期もビクター製品にはあまり興味が無かったせいかな?
 ・型番を見ても素性が良く分からないので、この際ちょっと勉強してみます。

Jtv824

ONKYO T-405W

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 ・東京ではAM3局にFMサイマル放送予備免許が交付されたそうですね。
 ・そういえば自宅に90MHz以上の周波数に対応したチューナーあったっけ??
 ・捜索の結果、 ONKYO T-405W と SONY ICF-C1200が対応機でした。

T405w02

 ・このT-405Wはいつどこでいくらで入手したか?まったく記憶にありません。
 ・入手したままガラクタ箱に放置していました。
 ・ICF-C1200はポータブルラジオなのでT-405Wが唯一の対応チューナーでした。

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・ONKYO製ミニコン INTEC205シリーズ 初期のFM/AMチューナーです。
 ・進化系譜 T-405W → T-405X → T-405TX
 ・後期型のT-405TXの取扱説明書を読みましたが、T-405Wとほとんど同じです。
 ・T-405TX取扱説明書<ONKYOサポート 取扱説明書ダウンロード>

■動作チェック--------------------------------------------------------

 ・外観は目立つキズなくきれいな状態。
 ・時計や周波数の表示はちょっと薄暗くなっている印象。でもちゃんと読める。
 ・FM/AMとも受信OK。周波数ズレなし。STEREOランプ点灯。
 ・オートチューニングで 76MHz~108MHzまでサーチする。
 ・AMはステレオ対応ではない。

T405w03T405w09T405w05T405w06T405w04

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字「1988」
 ・フロントエンドは3連バリキャップの小さなパッケージ
 ・LA1837、LM7001

T405w10T405w12T405w13T405w14T405w15

■調整方法------------------------------------------------------------

 ・中身はひろくん様のサイトで公開されている T-405TX とほぼ同じ物です。
 ・調整方法もそのまま使えます。

T405walig

 ・半固定抵抗R111の調整方法が気になったので配線を確認しました。
 ・背面パネルを分解、基板を外して裏返し。
 ・TP101 → LA1837-26ピン・28ピン
 ・R111 → LA1837-30ピン、ジャンパ線J132で電圧測定

T405w16T405w17T405w18T405w19T405w21

 ・R111で自動選局時(FM/AM)のオートストップレベルを調整できるようです。
 ・ZIP-FM、FM三重、INTER-FM、FM愛知、NHK岐阜、NHK名古屋で止まるよう調整→1.9V

■時刻設定------------------------------------------------------------

 ・「TIMER」ボタンを数回押す
  「WEEKDAY」→「WEEKEND」→「REC」→「DAY SET」→「ADJUST」
 ・「ADJUST」選択→「MEMORY」ボタンで決定
 ・曜日設定→「PRESET」ボタンで選択→「MEMORY」ボタンで決定
 ・時刻設定→「PRESET」ボタンで選択→「MEMORY」ボタンで決定

■試聴----------------------------------------------------------------

T405w01

 ・そんなに高性能ではないものの、FM/AMとも不満なく音が出ています。
 ・不勉強だった「AM放送のFM化」についてこの機に調べてみました。
 ・総務省資料

 ・関東広域圏(東京):90.5MHz、91.6MHz、93.0MHz
 ・中京広域圏(名古屋):92.9MHz、93.7MHz
 ・近畿広域圏(大阪):90.6MHz、91.9MHz、93.3MHz
 ・総務省の資料によると広域放送以外に県域放送にも周波数割り当てがあります。
 ・注意書き「平成32年3月31日までに使用されない場合は、当該周波数について削除する。」

 ・名古屋に2局というのは当然CBCラジオと東海ラジオですね。
 ・T405Wは今のところ使い道ありませんが、これが役に立つ日は来るでしょうか??

ONKYO T-405X

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 ・多分どこのHOジャンクコーナーにも置いてある機種ですね。
 ・今までまったく興味なかった機種なのに、、
 ・108MHzまで受信できる機種として興味が湧いてきました。
 ・2014年9月中旬、久しぶりのHO巡回で確保。
 ・税込み540円。前回のT-405Wとの相違点にも興味あり。

T405x04

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・ONKYO製ミニコン INTEC205シリーズ FM/AMチューナー。
 ・進化系譜 T-405W → T-405X → T-405TX
 ・T-405TX取扱説明書<ONKYOサポート 取扱説明書ダウンロード>
 ・Hifi Engine T-405X 海外版サービスマニュアル

■動作チェック--------------------------------------------------------

 ・外観は擦り傷や汚れがあってちょっと残念な状態。
 ・ボディ上面後部に放熱用のスリットがある。
 ・時計や周波数の表示はちょっと薄暗くなっている印象。
 ・FM/AMとも受信OK。周波数ズレなし。STEREOランプ点灯。
 ・FMオートチューニングで 76MHz~108MHzまでサーチする。
 ・オートチューニング時、各駅停車並みに微弱電波に反応する。
 ・ミューティングレベル要調整。

T405x02T405x05T405x01T405x14T405x15

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字「2001」
 ・フロントエンドは3連バリキャップの小さなパッケージ
 ・LA1837、LM7001
 ・内部構造は T-405Wとほとんど同じ。

T405x07T405x08T405x11T405x12T405x13

■受信調整------------------------------------------------------------

  ・前回 T-405Wと同じ。

Onkyo_t405x_sch

■T-405X / T-405W 比較------------------------------------------------

 ・ほぼ同じ構成ですが、基板をよく見ると微妙な違いがありました。
 ・こうなると T-405TXも気になりますが、、2台もあればもういいかな?

T405xw02

T405xw06

T-405XT-405W
T405xw07xT405xw07w
T405xw08x黒いリード線はGND同士を繋いでいる。T405xw08w
T405xw09xT405xw09w
T405xw10xT405xw10w

 

T405xw04

PIONEER F-8800X

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 ・2014年6月末、HOジャンクコーナーで入手しました。
 ・動作未確認で税込み540円。
 ・最近はチューナーのジャンク品が安くなった気がします。
 ・高級品はそれなりに売れるでしょうが、それ以外はきっと売れないですからね。

F8800x01

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡  Pioneer F-8800X ¥38,000(1979年頃)
 ・輸出品情報は見当たりません。
 ・型番は「TX」ではなくて「F」から始まります。
 ・進化の系譜は TX-8800 → TX-8800II → F-8800X かな?

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字「1978」
 ・フロントパネルとボディに目立つキズなし。
 ・電源OK。周波数窓とメーター照明がオレンジ色に点灯。上品な感じでグッド。
 ・FM受信OK。わずかに周波数ズレ。二つのメーター動作OK。STEREOランプ点灯。

F8800x05F8800x06F8800x07F8800x08F8800x09

 ・チューニングつまみから手を離すとLOCKランプ点灯。
 ・AM受信OK。WIDE/NARROW切替はFM用かと思ったら何とAM用でした。
 ・WIDE側で聴くAMはとても良い感じ。

F8800x10F8800x11F8800x12F8800x13F8800x14

【難点】
 ・76MHz~84MHz区間を移動するとき「ガサゴソ」というノイズ発生。
 ・ノイズ発生時はSメーターが振り切れるほど反応する。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルはアルミ製ですが、
 ・パネル中央部、周波数窓とメーター周辺の色違い部分はプラ製でした。
 ・チューニングつまみはずっしり重いアルミ無垢製。

F8800x15F8800x16F8800x17F8800x18F8800x19

 ・FM4連AM2連バリコン→CF3個→クアドラチュア検波→PLL MPX
 ・この時期のPIONEER製チューナーのオーソドックスな構成です。
 ・局発周辺がシールドされている、検波コアが大型、が特徴。
 ・外観は安っぽいけど内部はしっかり造ってある印象です。

F8800x20F8800x21F8800x23F8800x24F8800x25

 ・PA3001 クアドラチュア検波
 ・PA1001 PLL-MPX IC
 ・HA1197 AMシステム

■修理記録:76MHz~84MHz区間を移動するときの「ガサゴソノイズ」-------

 ・この症状はバリコン軸とフレーム部分の接触不良が原因です。
 ・まずバリコン軸を回転させながら無水アルコールを含ませた細い綿棒で清掃。
 ・爪楊枝の先端で緑青のようなサビ物体をかき出す。
 ・その後、爪楊枝の先端を使ってコンタクトグリースを極少量塗布。
 ・76MHz~90MHzを30往復させて馴染ませました。
 ・これで76~80MHz区間のガサゴゾ音は解消しました。

F8800x26

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・基板上に部品番号の記載がありません。
 ・確認した半固定抵抗の用途は以下の通り
  ・FM Muthingレベル調整
  ・VCO調整
  ・セパレーション調整
  ・パイロットキャンセル調整
  ・AMメーター調整

F8800xalign

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・オレンジ色に映える周波数窓がいい雰囲気を出しています。
 ・FM受信性能の目安にしているNHK-FM岐阜放送局がクリアに聴こえます。
 ・見た目の高級感は無いけど、実用上十分な性能を持っていいます。
 ・WIDE側で聴くAMが意外にいい音です。

F8800x02

ONKYO T-422M

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 ・2014年9月、実は T-405Xと一緒に買ってきました。
 ・FM108MHz対応だけでなく、AMステレオにも対応しています。
 ・税込み540円、、こんなものばかり買ってどうするんだ、、

T42204

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オンキョー T-422M インテック275シリーズ
 ・1996年6月発売

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観は目立つキズなし。なかなかの美品です。
 ・時計や周波数表示は結構明るい。劣化している印象はない。
 ・FM/AMとも受信OK。周波数ズレなし。STEREOランプ点灯
 ・オートチューニングで76MHz~108MHzまでサーチ。
 ・AMではCBCラジオ(1053kHz)でSTEREOランプ点灯。
 ・特に不具合なさそう。

T42201T42202T42205

■内部確認、調整記録--------------------------------------------------

T422algn

 ・電源コードの印字「1999」
 ・フロントエンドは3連バリキャップの小さなパッケージ
 ・LA1206、LA3401、LM7001、MC13028AP

T42211T42212T42213T42214_2

 ・L101:TP電圧ゼロ(検波調整)
 ・L102:高調波歪最小
 ・R101:ミューティング調整
 ・R201:セパレーション調整

T42215T42216T42217T42218

 ・T-405W/Xには無かったセパレーション調整VRがある。
 ・上記調整で50dBほど確保。

■時計設定------------------------------------------------------------

 ・ACCUCLOCK機能で自動設定できません。
 ・設定モードの入り方
 ・MEMORYボタンを押しながらDISPLAYボタンを押す

 ・DISPLAYを何回か押してADJUST表示にする
  ・MEMORYを押す
 ・TUNING/PRESETボタンを何回か押してMANUALを表示
  ・MEMORYを押す
 ・TUNING/PRESETボタンで曜日を合わせる
  ・MEMORYを押す
 ・TUNING/PRESETボタンで時刻を合わせる
 ・MEMORYを押して設定モードを終了

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・見た目はかなり美品、周波数や局名表示が明るくて見やすい。
 ・FM/AMとも不満なく聴けます。
 ・名古屋ではCBCラジオがまだAMステレオ放送を続けています。
 ・T-405W、T-405X、T-422MとFM108MHz対応機が続きましたが、、
 ・結局AMステレオにも対応したT-422Mを残すことにしました。
 ・T-405WとT-405Xは欲しいと言う知人に譲渡。

T42203

TRiO KT-1100 修理記録 (2)

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 ・修理依頼品の作業報告です。
 ・FMの周波数ズレが大きく、-2MHz辺りの周波数で受信するそうです。
 ・FM局発トリマコンデンサが怪しい?

Trio_kt110005

■状況確認------------------------------------------------------------

 ・ワンオーナー品で、十数年ぶりに通電したら不調だったそうです。
 ・確かに-2MHz辺りの周波数でFM放送を受信します。
 ・各FM局はズレた周波数でそれぞれ受信可能。STEREOランプ点灯。
 ・聴こえてくる音は特に違和感なし。
 ・Wide/Narrow切替、Muting調整、タッチセンサーなど動作OK。
 ・二つのメータ動作もOK。AM放送は正常に受信OK。
 ・問題はFM受信時の周波数ズレだけのようです。
 ・電源ケーブルの印字「1982」

Trio_kt110001Trio_kt110002

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・フロントエンド内、OSCトリマコンデンサを回しても反応なし。
 ・思い切りグルグル回しても周波数が変わらない。
 ・ここはこの時期のトリオ製チューナー共通の弱点です。

Trio_kt110020Trio_kt110022Trio_kt110024Trio_kt110025Trio_kt110026

 ・バリコンユニット上に新トリマ(青色10pF)を直付けしました。
 ・足の短いタップネジを穴に埋め込みGND側端子としました。
 ・下記受信調整によって周波数ズレは解消しました。

Trio_kt110027

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・83MHz付近では目盛りと指針がぴったり合いますが、両端では多少ズレます。
 ・フロントエンド内コイルが調整不可なのでこの点はご容赦ください。

Trio_kt110010Trio_kt110021Trio_kt110012Trio_kt110015Trio_kt110011

■試聴----------------------------------------------------------------

Trio_kt1100algn

 ・修理後連続3日間動作確認しました。大丈夫そうです。
 ・歪率、セパレーション特性は素晴らしい値が出ています。
 ・KT-1100、やはり良い機種ですね。

Trio_kt110006

■修理について--------------------------------------------------------
 ・当方はプロの技術者・修理屋ではありません。FM大好きの趣味が高じた素人です。
 ・大切な愛機の修理調整はメーカーサービスに依頼されることをお勧めします。
 ・JVCケンウッドとなった今でも古いトリオ製品の修理を受け付けてくれます。
 ・オーディオ修理専門の業者さんも多々あります。
 ・実験材料としてご提供いただける場合のみ修理をお引き受けします。
 ・万一作業中に壊してしまっても笑ってお許しいただけることが条件です。

 

SONY ST-5140 修理記録

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 ・1972年製ワンオーナー品のST-5140。修理依頼品です。
 ・電源を入れて暫くするとノイズが発生して使い物にならないそうです。
 ・以下、ちょっと難航した作業報告です。

St514006

■製品情報-------------------------------------------------------------

 ・1971年版 ST-5140カタログ
 ・SONY ST-5140 1号機の記録
 ・SONY ST-5140 2号機の記録
 ・Hifi Engine 輸出機 ST-5140サービスマニュアル

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルやボディに目立つキズなし。
 ・大切に扱われてきた個体であることがよく分かります。
 ・電源コードの印字は「1972」
 ・電源オン、周波数窓とメーターが緑色に浮かび上がる。
 ・ランプ切れなし。Sメーター、Tメーターとも動作OK。
 ・周波数ズレは僅か。STEREOランプ点灯。
 ・出音に歪感なし。ステレオ感あり。ミューティング動作OK。
 ・周波数右端の周波数目盛りの緑色が剥げています。
 ・AMも動作OK。 ・電源投入直後はFM/AMとも正常動作と思いました。

St514001St514008St514009St514002St514003

 ・約1時間後、音声に「ボソッ、ボソッ、」とノイズが乗るようになる。
 ・いつの間にか STEREOランプ消灯、Tメーターが振れなくなる。
 ・マルチパスH端子からも同じノイズが出ている。
 ・Tメーター不動でもSメーターの動作は正常。
 ・ボソボソ音がやがてバリバリ音に変わっていく。
 ・確かにこれではチューナーとして使い物にならない状態。
 ・FMは深刻な不調。でもAMは問題なく受信可能。
 ・FM部のどこかトランジスタが寿命を迎えている感じ?

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・マルチパスH端子からもノイズが出ている → 原因はMPX回路より前段。
 ・レシオ検波回路 D207 D208 から直接音を取り出して確認。
 ・ここの段階で既にノイズが乗っている。
 ・ミューティング回路 D211 D212 から直接音を取り出して聞く。
 ・ここから聞こえる音は正常。ノイズなし。

St514020St514021St514022St514023St514025

■修理記録 Q206 2SC403C故障------------------------------------------

 ・Sメーター正常、Tメーター不調 と言うことはQ205かQ206が死んでいるか?
 ・Q205電圧確認 回路に示された指定値とほぼ同じ。
 ・Q206指定値3.1V→実測13.6V、指定値2.5V→実測値12.9V
 ・Q206不良を疑って 2SC1815に交換。
 ・これで Tメーターが左右に振れるようになりノイズがかなり軽減した。
 ・でも完治ではなくまだノイズが乗る。STEREOランプ点灯しない。
 ・ついでにQ205も交換、でも効果なし。

St514060St514063St514061St514062

■修理記録 Q401 2SK23 故障-------------------------------------------

 ・回路図を追って基板確認。
 ・MPX回路入口にあるQ401 2SK23 故障発見。
 ・代替品として ST5150基板にあった 2SK23 を移植。
 ・これでノイズが大幅に軽減。STEREOランプ点灯。
 ・でもまだ完治しない。
 ・今度はL-chだけに不定期にノイズ発生。

St514024St514040

■修理記録 Q405 2SC632 故障------------------------------------------

 ・回路図を追って基板確認。
 ・MPX回路後段のプリアンプ回路 Q405 2SC632 故障発見。
 ・代替品として 2SC1815 に交換。
 ・左右のバランスをとるため Q404も同様に交換。
 ・ついでにプリアンプ回路 Q406,Q407 2SC1364 → 2SC1815に交換。
 ・これで不快なノイズはなくなりました。
 ・作業完了! と思って調整作業に取り掛かったとき更なる不具合発覚。
 ・MUTING オンにするとノイズ発生。MUTINGオフならノイズ無し。
 ・ずっとMUTINGオフ状態で作業していたので気付かなかった、、

St514023_2St514041

■修理記録 Q207 2SK23 ハンダ不良-------------------------------------

 ・IF回路最後尾にある Q207 2SK23。
 ・指先で Q207 2SK23 に触れるとノイズが消えたり発生したり、、
 ・原因は Q207の接触不良。ハンダ補強してノイズ解消。
 ・これでようやく正常動作するようになりました。
 ・<おまけ>基板全体にハンダが痩せているので Q207以外もハンダ補強。

St514073

■電源基板(予防措置)------------------------------------------------

 ・故障ではないものの精神的安心材料として交換。
 ・C701 1000uF/35v 交換→ 1000uF/63v
 ・C702  220uF/25v 交換→  220uF/35v
 ・C703   47uF/16v 交換→   47uF/50v
 ・Q702 2SC1364 交換→ 2SC1815
 ・Q703 2SC1364 交換→ 2SC1815

St514032St514030St514034St514033St514035

■各部調整------------------------------------------------------------

【FMフロントエンド調整】
 ・OSC調整 CT104,L104
 ・トラッキング調整 CT101,CT102,CT103 / L101,L102,L103
 ・IFT調整 IFT101
【レシオ検波調整】
 ・T201上段コア Tメーター中央
 ・T201下段コア 高調波歪最小
【MUTING調整】
 ・T202 D212電圧最大
 ・RT201 MUTINGレベル調整
【Sメーター調整】
 ・RT202 Sメーター振れ具合調整
【MPX調整】
 ・T401 スイッチング信号調整
 ・RT401 セパレーション調整

St5140algn

■フロントパネル分解清掃----------------------------------------------

St514007

 ・ソニー製チューナーの魅力は何といっても緑色に浮かび上がる照明です。
 ・ガラスが曇って魅力半減状態だったので分解して裏側まで磨きました。
 ・ガラス板右端の緑色塗料が剥げていたので「特製補強」しておきました。
 ・周波数窓周囲の銀色フレームが元々綺麗なので照明が一層映えますね。
 ・パネル裏側に製造年の印字があるかと思ったら、、無かったです。

St514070St514071

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・薄暗い部屋にそっと設置する。
 ・スイッチオン、NHK-FMのクラシック放送を聴く。
 ・ワインでも飲みながらボーっとする。
 ・頭の中がアルファ波に満たされる幸せなひととき。
 ・作業完了しました。

St514011


なめたネジを外すツール

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 ・相変わらずオールドチューナーの整備を進めています。
 ・今回はゴージャスな外観の巨艦チューナーなので何とか復活させたい、、
 ・ところがフロントパネルを固定しているネジが全部潰れて(なめて)いました。
 ・M3×6mm 平ネジ7本(上側3本、下側4本)
 ・整備に挑戦したものの諦めた先人がいたようです。
 ・なべネジなら「ネジザウルス」で簡単に外せますが平ネジには歯が立たない。
 ・どうしたものか、、と調べてみると便利な道具がありました。

Nameneji30

■ネジザウルス-------------------------------------------------------

 ・ジャンク機を分解するときの必需品。
 ・今回は役立たずでしたが、わずかでも頭が出ていれば平ネジも掴めます。

Yamaha_t5_038Yamaha_t5_039

■ネジすべり止め液----------------------------------------------------

 ・黒い液体の中に尖った粒子が入っているそうです。
 ・なめたネジ穴に1~2滴たらしてドライバーでグリグリ。
 ・ドライバーの先端が「ジャリジャリ」する感じです。
 ・ネジ穴が少し残っていれば粒子が食い込んで回せます。
 ・7本のうち3本はこの方法で外せました。
 ・最初に貫通ドライバーでネジ穴を叩いておくと良さそうです。

Nameneji10Nameneji11Nameneji12Nameneji13Nameneji14

■なめたネジはずしビット----------------------------------------------

 ・残りの4本はネジ穴が完全に無くなっています。
 ・きっと電動ドライバーで思いっ切り回したのでしょうね。
 ・次の手段として3本セットの「ネジはずしビット」を買いました。
 ・ネジ穴にドリルで小穴を開け、ビットを逆回転で締めこんで外す道具です。

Nameneji21Nameneji24Nameneji25Nameneji26Nameneji27

 ・今回はM3サイズの平ネジなので赤色(M2.5~M3用)を使います。
 ・ちなみに黄色(M4~M5用)、緑色(M6~M8用)
 ・電動ドライバーの先端にドリル部を装着。
 ・潰れたネジ頭に正回転(右回転)で深さ1mmほどの穴を掘る。
 ・先端をビットに取り替えて逆回転(左回転)でビットを食いつかせる。
 ・これで面白いほど簡単にネジが外れました。
 ・トルクがかかるようにゆっくり回すのがコツです。

Nameneji31Nameneji32Nameneji33

 ・やれやれ、、ようやくフロントパネルが外れました。

Nameneji00

KENWOOD KT-727

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 ・調整依頼品の作業報告です。
 ・周波数ズレはないものの歪感が大きいそうです。

Kt72709

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡には情報がありません。
 ・古いオーディオ雑誌にあった製品情報を掲載します。

Kt727_catalog

 ・1984年発売、当時の定価45,000円。ミニコンサイズとしては高額。
 ・歪率0.0095%、セパレーション69dB。これは凄い数値ですね。

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・ボディ全体にキズは少なく質感は良いです。
 ・フロントパネルもキレイですが、光にかざすと擦り傷が目立ちます。
 ・電源オン。FL管の劣化は無いようで明るいです。
 ・ただFM/AMの切替スイッチの接触が悪い。
 ・ミューティングとオートチューニングのボタンもちょっと反応が鈍い。
 ・FM受信OK。でも通常受信できるFM局をオートチューニングが通過する。
 ・FMの音質は確かに歪っぽい。同調点がズレている予感。
 ・AMは不具合なさそう。

Kt72704Kt72705Kt72706Kt72707Kt72712

■フロントパネルはKT-929を同じ?--------------------------------------

 ・フロントパネルを分解清掃しました。
 ・Sメーターは無くて同調を示す緑色LEDが1個だけです。
 ・でもSメーター用のLED設置スペースと基板配線が用意されていました。
 ・プラスチック製の薄いパネルで不要な穴が隠されています。
 ・パネルベースは上位機KT-929と同じもののようです。

Kt72735Kt72734

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・ひろくんのホームページに詳しい調整方法が記載されています。

【FM部】
 ・VT電圧 → TP2、76MHz-7.6V、90MHz-25.6V 確認のみ
 ・フロントエンド調整 76MHz L1,L2,L3、90MHz TC1,TC2TC3
 ・IFT調整 L5
 ・VR1:Sメーターレベル調整 ※Sメーター実装なし
 ・VR2:歪調整
 ・VR8:VCO調整、TP6 76kHz
 ・VR9:セパレーション調整 Rch
 ・VR10:セパレーション調整 Lch
【AM部】
 ・VT電圧 → TP2、729kHz-2.8V、1332kHz-20.0V 確認のみ
 ・729KHZ L17,L19、90MHz TC6

Kt72700

 ・FM同調点が大きくズレていました。
 ・再調整の結果、歪率が大幅に改善しました。0.7%→0.02%
 ・MPX部調整でセパレーションが60dB超になりました。

Kt72720Kt72721Kt72722Kt72723Kt72724
Kt72725Kt72726Kt72727Kt72728Kt72729
Kt72730Kt72731Kt72732Kt72733Kt72736

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・シンセチューナーでFM放送をゆっくり聴いたのは久しぶりかも、、
 ・受信性能の目安にしているNHK-FM岐阜放送局がきれいに受信できます。
 ・コミュニティFMの微弱電波もよく拾っています。なかなか優秀です。
 ・WIDE側で聴くAM放送が心地良い音質です。
 ・Sメーターが省略されているのが唯一残念な点です。

Kt72703

Lo-D FT-420

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 ・2014年9月、修理調整のご褒美として古いチューナーを頂戴しました。
 ・フロントパネルに「PLL MPX CIRCUIT」と表示があります。
 ・使われているIC確認と電球など部品取り用途にピッタリです。

Ft42007

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Lo-D FT-420 ¥45,000(1976年頃)

 ・上記サイトの解説を読むと、使われているICの型番まで記載がありました。
 ・1976年製、HA1137、HA1156。
 ・開腹する瞬間が楽しみなのに、、楽しみが無くなっちゃいました。

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・長期保管品との事で、外観は傷も少なく外観はまずまずの状態。
 ・アルミ製フロントパネルはキレイな状態。
 ・背面にはマルチパス出力端子。電源コードの印字「1976」

Ft42001Ft42003Ft42004Ft42005Ft42006

 ・電源オン。周波数窓と二つのメーター照明ランプ点灯。
 ・FM/AMとも受信OK。二つのメーター動作OK。
 ・STEREOランプ点灯。ミューティング動作OK。
 ・MPX NOISE FILTERスイッチをオンにすると高音域が減衰。
 ・特に不具合は無さそう。

Ft42009Ft42011Ft42012Ft42013

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・フロントエンドはFM4連AM2連の小さなユニット→CF3個
 ・HA1137(クアドラチュア検波)
 ・HA1156(PLL MPX-IC)
 ・HA1138(AM SYSTEM)

Ft42020Ft42021Ft42022Ft42023Ft42024

 ・照明窓は周波数を印刷したアクリル板を裏から電球で照らす透過照明です。
 ・凝った造作がまったく無いので見た目はちょっと安っぽい感じ。
 ・周波数窓の照明色と二つのメーター窓の照明色が微妙に違うのも気になる。

Ft42025Ft42026Ft42027Ft42028Ft42029

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM関係】
 ・OSC調整:L105、TC104
 ・RF調整 L101,L102,L103、TC101,TC102,TC103
 ・IFT調整:T101
 ・検波調整:T102(下段:同調点、上段:高調波歪)
 ・VR201:Sメーター調整
 ・VR202:ゲイン調整
 ・VR301:ミューティング調整
 ・VR302:VCO(19kHz)→ TP
 ・VR303:セパレーション調整
【AM関係】
 ・T252、背面バーアンテナ、TC??

F420_align

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・この時期の中級チューナーの鉄板構成(HA1137→HA1196)です。
 ・性能はごく普通、でも特に不満なし。
 ・意外な発見! が無かったのが残念でした。

Ft42008

KENWOOD L-01T

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 ・2014年10月初め、L-01Tの修理を承りました。
 ・「FMは受信できるが、バリバリというノイズが発生する」という症状とのこと。
 ・余暇を利用しての作業のため時間が掛かってしまいました。
 ・以下、作業報告です。

L01t108

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD L-01T ¥160,000(1979年)
 ・オーディオの足跡 KENWOOD L-01T ¥160,000(1979年頃)
 ・Hifi engine KENWOOD L-01T 輸出機のサービスマニュアルが入手できます。
 ・cooltune様のサイトに当時のカタログがあります。
 ・取扱説明書<捜索中>

L01t100L01t103L01t104L01t105

<概要>
 ・1979年発売。その前年に発売されたKT-9900から多くの技術を受け継いだ高性能機。
 ・非磁性体構造:アルミシャーシ、強化ナイロン、アクリル、木製ケース。
 ・2電源構成:局発回路用とその他検波復調回路用を独立して搭載。
 ・ダイレクトコンバージョン:電波が強いときRF増幅段を通さず直接ミキサー段へ入力。
 ・パルスカウント検波:トリオ自慢の検波方式。
 ・サンプリングホールドMPX:FM文字多重放送との干渉問題あり。

L01t109L01t111L01t112L01t1135

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・実機を見ると予想以上のサイズ。デカイ&重い。
 ・特に奥行き452mm、レコードプレーヤー並みですね。
 ・全体に多少のキズがあるものの致命傷はない感じ。
 ・正面アクリルパネル左側(KENWOODロゴ付近)にあるヒッカキ傷が残念。

 ・電源オン、オレンジ色照明が部分的に暗い。電球切れか?
 ・Wide/Narrow、Direct/Normal の青い三角形表示も一部電球切れ?
 ・STEREOランプは赤く点灯。二つのメーター照明点灯。
 ・TメーターとSメーターの動作正常。FM局を正常に受信している。
 ・電源投入後1分くらいは不具合なしと思いました。

 ・その後、ご指摘のようなバリバリというノイズ発生。
 ・固定出力、可変出力ともにノイズが聞こえる。
 ・マルチパスH端子からも同じノイズが聞こえる。
 ・ノイズ発生時でも二つのメーターは正常動作している。

 ・本体底面にKENWOODサービスの修理記録。
 ・昭和61年(1986年)ダイヤル指針の電球が交換された模様。

L01t101L01t102

 ・背面にある切替スイッチ CONTINUOUS DIAL LIGHT でフロントパネルの照明切替可能。
 ・オン:すべての電球が点灯
 ・オフ:ダイヤル指針とポジションインジケーターのみ点灯
 ・すべての電球が点灯している方が美しいのですが、省エネ仕様ということでしょう。

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・上部カバーは木製、とっても軽い。底板も木製。
 ・アンプ並みに巨大な電源トランス2個。立派な電源回路。
 ・大きな電解コンデンサー。よく見ると大小すべてKENWOODブランド。
 ・7連バリコンを納めた大きなシールドケース。
 ・このシールドケースを外すには底板を外して裏側からネジを外す必要あり。
 ・さすが高級機、という印象です。

L01t01L01t17L01t18L01t03L01t04
L01t06L01t07L01t08L01t09L01t10
L01t11L01t12L01t13L01t14L01t15

 ・LA1231N、AN610P、TR4010A、HA11223W

■修理記録1:電球修理、、といっても接点を磨いただけ-----------------

 ・周波数窓の照明やインジケーター用に多くのミニ電球が並んでいる。
 ・点灯していない電球を取り外す。
 ・90度回転するとロックが外れて台座ごと取り出せる。
 ・ルーペで電球を観察するとフィラメントは切れていない。
 ・接触不良を疑って基板との接点部分を清掃して再設置 → みごと点灯。
 ・点灯していなかった7個の電球はすべて接触不良が原因でした。
 ・全球点灯すると美しい照明ですね。これはいい雰囲気です。
  ※電球仕様:直径4mm、8V/0.1A

L01t21L01t22L01t23L01t24L01t27

■修理記録1:バリバリ音の原因調査------------------------------------

 ・SメーターとTメーターは正常動作。つまりメーター駆動用LA1231は正常。
 ・LA1231N-6pinクアドラチュア検波の音を直接聞くと正常な音声が聴こえる。

 ・TP(R78右側)にてダウンコンバート周波数1.96MHz確認。
 ・L6(第2OSCコイル)にて1.96MHz調整可能。
 ・ところがTR4010A-5pin出力にはノイズが乗っている。
 ・TR4010A-5pin出力はそのままマルチパスH端子から出ている
 ・これらの症状から不調原因は TR4010A の故障を疑いました。

L01t09_3L01t10_3L01t11_2L01t12_2

<参考>KT-8300(故障機)-------------------------------------------

 ・実は今回のL-01Tとほぼ同じ故障症状の KT-8300(故障機)が手元にあります。
 ・この KT-8300 は故障品としてずいぶん前に寄付していただいたものです。
 ・前所有者がKENWOODサービスに修理依頼したところ「修理不能」で戻されたそうです。
 ・修理不能の理由は「専用ICが入手できないため」だったそうです。
 ・専用ICとは TR4010 のことだと直感しました。

 ・L-01T と KT-8300 のパルスカウント検波部はほぼ同じ構成です。
 ・今回 L-01T の症状を見て、故障原因は KT-8300(故障機)と同じ専用ICだと思いました。
 ・新品のTR4010 は入手不能でも同型ICは KT-8300、KT-8100、KT-80で使われています。
 ・部品取りできるジャンク機が手に入るのを気長に待つことにしました。
  ※L-01T/TR4010A、KT-8300/TR4010

■修理記録2:KT-8300(正常機)入手-----------------------------------

 ・待機状態をお伝えしたところ、L-01T 依頼者様から KT-8300(正常機)が届きました。
 ・部品取り用にご手配いただきました。誠にありがとうございました。
 ・電源を入れ動作確認したところFM放送を正常に受信できました。
 ・ただ、LOCKランプが点灯不良。
 ・チューニングつまみから指を離しても赤色LEDが点灯しない。その後不規則に明滅する。
 ・ちょっと気になりましたが、FM受信性能とは直接関係無いので今回はスルーしました。
 ・基板上にある TR4010 を取り外して代わりにICソケット装着。
 ・いつでも復旧できる状態にしておきました。

L01t35Kt830001Kt830003Kt830006Kt830007

■修理記録3:KT-8300(故障機)修理-----------------------------------

 ・KT-8300(故障機)の TR4010 を外してICソケット装着。
 ・先に取り外した KT-8300(正常機)のTR4010を移植。
 ・これでノイズが消えるかと思ったら、、残念、ノイズ症状に変化ありません。
 ・「専用ICの故障」と診断されていたのに、原因は TR4010 ではありませんでした。

■修理記録4:L-01T TR4010交換----------------------------------------

 ・L-01T の TR4010A を取り外してこちらもICソケット装着。
 ・KT-8300(正常機)から取り外した TR4010 を移植。
 ・ところが KT-8300(故障機)同様に不具合状況が改善しません。
 ・TR4010を交換しても症状(ノイズ発生状況)は変わらないです。

 ・取り外すときの半田ごての熱で TR4010 が壊れたかも?
 ・TR4010 を元の KT-8300(正常機)に戻してみるとキレイなFM音声が出てきます。
 ・L-01Tから取り外した TR4010A をKT-8300(正常機)に移植すると正常動作。

L01t42L01t41Kt830008

<分かったこと>
 ・L-01TのTR4010Aは故障ではなかった。
 ・KT-8300(故障機)のTR4010も故障ではなかった。

■修理記録5:L-01T AN610P交換

 ・専用ICとはてっきりTR4010のことだと思っていましたが次はAN610Pが怪しい?
 ・KT-8300ではカンタイプのMC1496が使われています。
 ・同じバランスドモジュレータでも仕様が異なるのでAN610Pを新規手配。
 ・ヤフオクに出ていた新品10個セットを1,400円で入手。
 ・相場を知らないので高いのか安いのか?分かりません?
 ・手元に届いてL-01TオリジナルのAN610Pと交換。
 ・しかしノイズ状況に変化ありません。
 ・AN610Pの初期不良を疑って4個試しましたが症状は変わらず。

L01t50L01t46L01t47L01t48L01t49

<分かったこと>
 ・AN610Pは故障していない。

■修理記録6:L-01T 電解コンデンサーなど交換-------------------------------

 ・TR4010A-4ピン入力は正常、ところが5ピン出力不調。
 ・TR4010A自体は正常。ということは TR4010A周辺回路が怪しい?
 ・試しに TR4010A 周辺の電解コンデンサ4個交換 → 症状変化なし
   ※C122(1uF50V),C48(100uF10V),C49(10uF16V),C51(1uF50V),C52(1uF50V)
 ・コイルL9(2.2uH)交換 → 症状変化なし

■修理記録7:L-01T ローパスフィルター交換---------------------------------

 ・L-01T、KT-8300(正常機)を並べて置き、回路図と見比べながら実機比較調査。
 ・回路図に記された電圧指定値をつぶさに調べました。
 ・TR4010の各ピン電圧は指定値とほぼ一致するが6ピンと8ピンだけは安定しない。
 ・6ピンと8ピンの間にはローパスフィルターFL3(LPF250kHz)、まさかこれ?

L01t_fl3

 ・KT-8300(正常機)の基板を見ると同じ型番ローパスフィルターFL5がありました。
 ・KT-8300(正常機)から外して L-01T に移植すると、、、結果は大当たり!!
 ・不快なノイズが消えて正常な音声が出てきました。
 ・ノイズ源はローパスフィルターFL3でした。やれやれ、、
 ・KT-8300(故障機)も多分同じ原因でしょう(未確認)。

L01t54L01t55L01t56L01t57L01t58

■修理記録8:Q27 2SC1384 ハンダ割れ----------------------------------

 ・上記作業中はマルチパスH端子から出てくる音を聴いていました。
 ・ノイズ問題が解消したと思い、音声出力端子(固定/可変)の音を確認しました。
 ・ところが固定/可変ともに Lch の音声がブツブツに途切れます。
 ・よく聴いてみると再生音自体のステレオ分離は正常に行われています。
 ・HA11223W以降の回路を追っていくと、Q27 2SC1384 がグラグラ、ハンダ割れでした。
 ・ハンダ補修してブツ切れ解消。これで不具合はなくなりました。

L01t60L01t61

■修理記録9:ミニ電球交換---------------------------------------------

 ・修理記録1で復活した照明用電球の1個が、作業中にいつの間にか本当に切れていました。
 ・電球仕様:直径4mm、8V/0.1A、ベース部の直径10mm(サイズ的にはT4.2ミニベース?)
 ・ポムロル様のL-01T修理記事を参考にさせていただきミニ電球を交換しました。
 ・エナメル線仕様で 8V/01Aの電球は直径3mmのものしか見つかりませんでした。
 ・細かい手作業なので老眼オヤジにはちょっと厳しい、、、
 ・接点となる部分のエナメルを剥がさないと点灯しない。

L01t81L01t84L01t85L01t86L01t87

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・ノイズ源の修理を終え、海外版サービスマニュアルに沿って各部調整しました。

L01t_bd_s

【FMフロントエンド】
 ・OSC調整76MHz → L1
 ・OSC調整90MHz → TC1
 ・トラッキング調整76MHz → L2,L3,L4,L5,L6
 ・トラッキング調整90MHz → TC2,TC3,TC4,TC5,TC6
 ・IFT調整 → L17,L19,L21 → Sメーター最大
【Tメーター調整】
 ・LA1231Nクアドラチュア検波調整 → L6 → Tメーター中央
【ミューティング調整】
 ・VR2
【WIDE GAIN調整】
 ・Narrow受信 → Sメーターレベル記録
 ・Wide受信 → VR1調整 → Narrow受信時と同レベルに
【Sメーター調整】
 ・VR3
【VCO調整】
 ・無変調 → VR6調整 → TP(R117) → 76kHz
【Pilotキャンセル】
 ・VR7,L16調整 → 19kHz漏れ最小へ
【ステレオ歪調整】
 ・フロントエンドL21調整 → 高調波歪最小へ
【SCA調整】
 ・L10,L11,VR5:詳細は後述
【ノイズアンプ調整】
 ・離調状態  VR4調整 → Q6(2SC2785)エミッタ電圧 → 8V
【セパレーション調整】
 ・Wide受信時 VR10→Rch、VR11→Lch
 ・Narrow受信 VR1(X13-2690基板)
<VR一覧>
 VR1:Wide gain
 VR2:Muting
 VR3:S-meter
 VR4:Noise Amp
 VR5:SCA
 VR6:VCO
 VR7:Pilot cancel
 VR8:Lch-max
 VR9:Rch-max
 VR10:Wide separation Rch
 VR11:Wide separation Lch
 VR1:Narrow separation(X13-2690基板)

L01t_align

L01t_sche_s

 ・さすが高級機、調整ズレはほとんどなかったです。
 ・遠距離受信の目安にしているNHK-FM(岐阜)が綺麗に受信できます。
 ・歪率、セパレーションなど素晴らしい数値が出ています。

■FM文字多重放送(DARC)によるノイズ問題------------------------------------------

 ・実はL-01Tにはもう一つの興味がありました。
 ・FM文字多重放送( DARC = Data Radio Channel )の影響によるノイズ問題です。
 ・KT-9900、L-01TではFM文字多重放送の影響によるノイズが発生するそうです。
 ・FM文字多重放送に該当するのは民放FM局の「見えるラジオ」と NHK-FMの「VICS」。
 ・これが原因でKT-9900やL-01Tを手放した方もいらっしゃったとか、、
 ・理論的な解説は cooltune様のL-01T記事をご覧ください。

 ・今回調整したL-01Tで受信してみると、やはりNHK-FMでは耳障りなノイズがあります。
 ・これは LUXMAN T-300Vで経験したノイズと同じです。過去記事→
 ・一方、NHK-FM以外の民放FM局ではこのノイズは発生しません。
 ・あれ?FM-Aichiの「見えるラジオ」はどうなった?

 ・調べてみるとFM-Aichiの「見えるラジオ」は2014年3月31日に終了していました。
 ・同様にJFN系列各局も2014年3月31日で「見えるラジオ」が終わっていました。
 ・FM-Aichi FM文字多重放送「見えるラジオ」サービス終了のお知らせ
   →近年スマートフォン等を通じて様々な情報サービスを受けることが可能になった。
   →「見えるラジオ」はその役割を果たし終えたと考えるのが妥当な環境となった。
 ・ということは、現在ノイズ問題を抱えるのは「VICS」を載せているNHK-FMだけということ。
 ・何ということでしょう、、肝心なNHK-FMだけが抱える問題となっていました。
 ・逆に民放FMだけを聴く人にとってはFM多重放送問題は解決されたことになります。

 ・MEGURO DARC ENCODER MSG-2170 でFM多重信号を生成して実験しました。
  ※L+R=80%、Pilot=10%、DARC=10%
 ・無音時の信号(緑色)と多重信号を載せた信号(青色)の違いです。
 ・巷ではこのノイズを「セミの鳴き声」に例えていますが、まさにそんな感じです。
 ・特にクラシック音楽のピアニシモ部分で相当不快なノイズとして聞こえます。
 ・大音量のロックやジャズでは気にならないかも?

L01t_vics01

■SCA調整-------------------------------------------------------------

 ・アメリカではSCA放送としてサブキャリア67kHzに多重信号を載せています。
 ・これを除去するため L-01T では豪華なSCAフィルター回路が搭載されています。
 ・海外版SMには調整要領にSCA調整としてL10,L11,VR5の設定方法が記されていました。
 ・一方、日本の多重放送は76kHzをサブキャリアとして多重信号を載せています。
 ・SCAフィルターを日本の76kHzに同調させればノイズ問題は解決するのでは?

 ・MEGURO DARC ENCODER MSG-2170でFM多重信号を生成
  ※L&R=80%、Pilot=10%、DARC=10%
 ・L10,L11調整 → D36カソード側DC電圧最大へ
 ・VR5調整 → IC9-1pin電圧測定 → +電圧が-電圧に変わる位置に設定
 ・IC9-1pin電圧が+→-に変わることでSCAフィルター回路のスイッチオン。
 ・これで聴感上の耳障りな歪が消えました。

 
L01t92L01t94L01t96L01t91L01t90

L01t_sca01

着手前 D36電圧 IC9-1pin
多重なし MSG2170(多重信号オフ) 0V +7.5V
民放FM局受信時(VICSなし) 0V +7.5V
多重あり NHK-FM受信時(VICSあり) 0.2V~0.3V +7.5V
MSG2170(多重信号オン) 0.3V +7.5V
L10,L11調整後 D36電圧 IC9-1pin
多重なし MSG2170(多重信号オフ) 0V +7.5V
民放FM局受信時(VICSなし) 0V +7.5V
多重あり NHK-FM受信時(VICSあり) 0.5V~1.0V+7.5V
MSG2170(多重信号オン) 1.1V+7.5V
VR5調整後 D36電圧 IC9-1pin
多重なし MSG2170(多重信号オフ) 0V +7.5V
民放FM局受信時(VICSなし) 0V +7.5V
多重あり NHK-FM受信時(VICSあり) 0.5V~1.0V -6.6V
MSG2170(多重信号オン) 1.1V -6.6V

 ・VICS信号が載ったNHK-FMを受信しながらでも調整できました。
 ・D36電圧は放送内容によって変動しますが、L10を反時計回りに約1回転(360度)
 ・続いてL11も反時計回りに約1回転(360度)、これでおよそ最大電圧位置になります。
 ・次にIC9-1pinの電圧を見ながらVR5を時計方向に少し回す。
 ・+7.5V→安定して-6.6Vを示す位置にセット。

Msg2174p66

 ・SCA回路オン/オフで可聴域の再生音への影響が,最も気になりるところです。
 ・本来はSCAフィルター L12,L13,L14,L15も最適化すべきですね。
 ・元々は67kHz前後の周波数をカットする設定のはず。
 ・ということは 57kHz(38+19)付近もフィルターの影響を受けている可能性あり。
 ・聴いた感じでは特に気になる影響は分かりません。
 ・ここの調整法は自分用のL-01Tを入手してからの宿題とします。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・漆黒のフロントパネルに映えるオレンジ照明が抜群に美しい。惚れ惚れします。
 ・パルスカウント検波ですから電波の弱いFM局では音質に不満を感じます。
 ・でもDIRECTで受信できるFM局なら素晴らしい音質を体感できます。
 ・これはイイです。私もぜひ一台欲しくなりました。

L01t107

 ・L-01Tのような高級機は本来はプロにキチンと修理調整してもらった方が良いです。
 ・特にKENWOOD製品はまだメーカーサービスによる修理調整が期待できます。
 ・当方は「実験材料」としてご提供いただける場合に限りお引き受けしています。
 ・作業途中で壊してしまっても笑ってお許しいただけることが条件です。壊す確率は高いです。

SONY ST-S333ESXII 調整記録

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 ・2014年11月初め、ST-S333ESXIIの修理調整を承りました。
 ・以下、作業の報告です。

333esxii08

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESXII ¥49,800(1987年発売)
 ・1987年10月発行「SONY ES テクノロジーカタログ」
 ・Hifi Engine ST-S730ES 海外版サービスマニュアル
 ・輸出機の命名基準がよく分かりません。調べた範囲で掲載します。

国内モデル海外モデル
ST-S555ESST-S555ES
ST-S555ESXST-S800ES
ST-S333ESST-444ES
ST-S333ESXST-S700ES / ST-444ESX Euro-model
ST-S333ESXIIST-S730ES
ST-S333ESGST-S???ES
ST-S333ESAST-S770ES ?
ST-S333ESJST-S707ES ?
ST-SA5ESST-SA5ES
ST-SA50ESST-SA50ES

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・この333ESXIIは中古で入手されたそうですが、保存状態はあまり良くないです。
 ・全体に打ちキズ、擦りキズ、ボディ凹み、塗装ハゲあり。
 ・チューニングつまみにキズ。ボディへの取付が緩んでグラグラ状態。
 ・電源コードの印字「1987」

333esxii02333esxii11

 ・電源オン、周波数表示がなぜか2色に見える。内側の着色アクリル板が外れている?
 ・FM同軸アンテナを接続して動作確認。FM放送を正常に受信しました。
 ・周波数ズレなし、Sメーター点灯、各種インジケーター点灯。
 ・WIDE/NARROWそれぞれ受信OK。STEREOランプ点灯、MUTING動作OK。
 ・AUTO受信、MANUAL受信それぞれOK。CAL TONE動作OK。
 ・AMはアンテナ欠品でしたが、手持ちの333シリーズ用AMループアンテナで確認。
 ・感度良くAM放送を受信しました。
 ・FM/AMとも基本動作に問題は無いです。

333esxii03333esxii04333esxii05333esxii06333esxii07

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・サイドウッドを外してボディを開ける。
 ・内部はものすごい量のホコリが堆積していました。
 ・基板上のパーツが「雲に浮かんでいる」ような不思議な光景。
 ・でもこれは「内部を弄った先人はいない」という証かもしれません。

333esxii21333esxii22333esxii23333esxii24333esxii25

 ・まずはホコリを除去するために大掃除しました。
 ・清掃のためフロントパネルを外したところ、内側からアクリル板がこぼれ落ちました。
 ・周波数表示が2色に見えたのは、このアクリル板が外れていたせいでした。
 ・それからチューニングつまみには何故かプラスチック製の黒いリングが載ってる??
 ・よく見ると本来はフロントパネル側に接着してあるはずの円形の部品でした。
 ・グラグラの原因はやはりチューニングつまみを固定するナットが緩んでいる。
 ・ナットを締め直して固定すると今度は軸が歪んでいることが判明。
 ・チューニングつまみ周辺にかなり強い衝撃が加わったようです。

333esxii26333esxii27333esxii28333esxii29_2333esxii31

 ・4連バリキャップ → Wide/Narrow切替 → PLL検波 → CXA1064
 ・LA1235(クアドラチュア検波)は同調点検出用
 ・LA1245 AM用

333esxii32333esxii33333esxii41333esxii35333esxii36
333esxii39333esxii40333esxii42333esxii43333esxii44

■調整記録------------------------------------------------------------

・海外版SMの記述をベースにして一部アレンジしました。

【FM同調点調整】
・IFT205調整 LA1235-7pin~10pin間電圧ゼロ

【VT電圧調整】
・IC803-5pin電圧測定
・90MHz L104調整 21.0V±0.2V
・76MHz 確認のみ 8.0V±1.0V

【SST回路調整】
・SST調整はVT電圧調整後、かつトラッキング調整前に行うこと
・76MHz受信 RT801調整 IC802-11pin電圧 → 0V
・90MHz受信 IC802-9pin電圧 → 14V確認

【トラッキング調整】
・IC203(LA1235)-13pin(又はRT204)電圧max
・76MHz L101,L102,L103
・90MHz CT101,CT102,CT103

【PLL検波調整】
・TP201をGNDに落とす
・IFT207調整 TP202 DC電圧ゼロ
・CT201調整 歪最小

【IF歪調整】
・Wide受信、MUTINGオフ
・IC203(LA1235)-13pin電圧計セット
・RT202、RT203 時計回り一杯に回す
・SSG出力20dBモノラル信号送信
 ・IFT201調整 電圧最大へ
 ・IFT101調整 電圧最大へ
・SSG出力80dBにセット
 ・IFT203、RT202を交互に調整 歪最小へ
・SSG出力20dBにセット、Mutingオン
 ・IFT202調整 電圧計最大へ
・SSG出力80dBステレオ信号送信
 ・IFT204、RT203を交互に調整 歪最小へ

【STEREOインジケータ調整】
・RT206 SSG出力20dBでステレオインジケータ点灯

【パイロットキャンセル】
・RT303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認

【セパレーション調整】
・RT301 R→L
・RT302 L→R

【Sメーター調整】
・RT204

【MUTINGレベル調整】
・RT205(Wide)
・RT201(Narrow)

【CAL TONE】
・調整用VRありませんが、Peak Level-6dBの波形が出ていました。

【AM調整】
・IC601-6pin電圧測定
・RT401 Sメーター調整
・RT402 AUTOSTOP調整

333esxiialig

 ・外見的な破損はありますが、回路的な故障は無かったです。
 ・FMは検波調整、IF歪調整、セパレーション調整で数値が大きく改善しました。
 ・調整前後の基準音を録音したファイルでご確認ください。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・333シリーズは ESXII→ESG→ESA→ESJと新品を買い替えた経験あります。
 ・当時は回路構成など何も知らないまま、雑誌の新製品情報に踊らされていました。
 ・オーディオ全盛期、バブリーな時代でした。
 ・そういえば333ESGが一番音がいい、、なんて勝手に自己評価していました。
 ・久しぶりにシンセチューナーを聴きましたが、良い音が出ていると思います。

333esxii09

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