・2013年11月初め、調整依頼品の KT-1010 が届きました。
・特に不具合箇所はなかったので調整だけで作業完了しました。
・トリオ製としては入門機の位置付けですが性能は上々です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 TRiO KT-1010 ¥59,800(1983年頃)
・BLUESS Laboratory TRiO KT-1010 1号機の記録
・ひろくんのホームページ TRiO KT-1010 ・取扱説明書
■動作確認------------------------------------------------------------
・外観では本体上面にちょっと目立つ擦り傷あり。
・FM/AMとも受信動作に問題なし。
・AM放送ではIFバンドをWIDE~NARROW可変調整できる。
■内部確認------------------------------------------------------------
・薄型シンセ式チューナーなのにバリコン機同様の電球照明を使っている。
・5連バリキャップ、PLL検波、DCC歪補正回路、電源トランス2個。
・IC3:LA1231N FM-IFシステム
・IC6:LA1245 AMシステム
・IC8:uPC1223C MPXシステム
・VR1:WIDE GAIN
・VR2:MUTE LEVEL
・VR3:VCO
・VR4:PILOT CANCEL
・VR5:WIDE SEP
・VR6:WIDE SEP
・VR7:NARROW SEP
・VR8:DIST DET
・VR9:WIDE MONO DIST
・VR10:NARROW MONO DIST
・VR11:WIDE STEREO DIST
・VR12:NARROW STEREO DIST
■調整記録------------------------------------------------------------
【VT電圧】※確認のみ
・76MHz → 23.3V(L7)
・90MHz → 7.4V(TC5)
【RF調整】※LA1231-13pin
・76MHz → L1,L2,L3
・90MHz → TC1,TC2,TC3
【FM同調点調整】
・83MHz → L11調整 → TP1~TP2間電圧ゼロ
【FM WIDE-NARROWレベル調整】
・83MHz(WIDE) → L5,L8 → LA1231-13pin電圧最大
・83MHz(NARROW) → VR1 → WIDE受信時と同じ
【PLL検波調整】
・83MHz → L13 → TP3~TP4間電圧ゼロ
・83MHz → VR8 → 高調波歪最小
【MPX調整】
・VCO調整 → VR3 → TP7(76kHz)
・PILOTキャンセル調整 → VR4,L21 → 19kHz最小へ
・WIDEセパレーション調整 → VR5,VR6
・NARROWセパレーション調整 → VR7
【DCC歪補正】
・MONO WIDE受信 → VR9 → 高調波最小
・MONO NARROW受信 → VR10 → 高調波最小
・STEREO WIDE受信 → VR11 → 高調波最小
・STEREO NARROW受信 → VR12 → 高調波最小
【FMミューティング調整】
・VR2
【AM調整】
・729kHz NHK第一受信 → L18 → レベルメーター最大へ
・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC6 → レベルメーター最大へ
・1053kHz CBCラジオ受信 → L20 → レベルメーター最大へ
【調整後】
・RF調整にて受信感度が向上しました。
・FM同調点のズレを修正しました。
・PLL検波調整でズレを修正しました。
・VCOとセパレーション調整でステレオ感が大幅改善しました。
・実測値=約60dB(WIDE)でした。
■試聴----------------------------------------------------------------
・FM放送は感度良く受信できます。特に不満はないです。
・AM放送では、復調帯域を可変調整できる「AM帯域可変機能」が面白い。
・WIDE端で聞くと高音域が伸びて瑞々しい印象になります。