・前回修理記録の続編です
・部品取り機として残した個体の修理が「一応」完了しました
・以下作業記録です

■製品情報--------------------------------------------------
・オーディオ懐古録 YAMAHA T-7 NATURAL SOUND STEREO TUNER ¥69,800円
・Hifi Engine Yamaha T-7 Natural Sound AM/FM Stereo Tuner (1980-82)
![]() | ![]() |
■当初の動作確認---------------------------------------------
【SN/202393(部品取り機)】
・TメーターとSメーターが点灯して受信しているようです
・STEREOランプも点灯しますが、ただ音が出ません
・REC CALトーンは正常音が聞こえました
・たぶんMUTINGが作動したまま解除されない状態と思います
・電源コンデンサがすべて交換済み、さらに改造痕も多々ありました
■当初の内部確認---------------------------------------------
【SN/202393(部品取り機)】
・外観はキズが多く、底板も凹んでいる
・すべての電解コンデンサーが交換済みでした
・あとフィルムコンデンサもいくつか交換済み
・バッテリーも交換済み
・過去の事例を思い出しながら IC120(LC7200)-23pinをGNDに落とす
・すると予想通り受信音が聞こえてきました
・やはり何らかの理由でMUTINGが解除できない状態です
・この原因を探してオート選局回路の電圧測定を始めたところ
・FM/AM切換ボタンを押した瞬間にFM受信音が聞こえてきました
・これは、、ひょっとして、プッシュスイッチの接触不良か??
・前面に並んだプッシュスイッチを各100回操作
・これ以降は音が出なくなる現象は発生しなくなった、と思いましたが
・ランニングテスト中にまた再発、原因は別にあるようです
・そして更なる不具合を確認、強制DX(Narrow)にすると音が酷く歪みます
・Local(Wide)では正常な音声なので気づきませんでした

■今回の修理記録:DX受信時の歪み----------------------------
・YAMAHA機のIF BAND切換は Local(Wide) と DX(Narrow) です
・ Local(Wide)では歪みなし、DX(Narrow)にするとひどく歪む
・この症状から不調箇所は DX(Narrow) にありそうです
・DX(Narrow) 回路にあるのはセラミックフィルター CF3 CF4のみ
・これを別のジャンク機から取り外した青色フィルターに交換
・ひどく歪んでいた音が正常化しました
・DX(Narrow)を使うことは無いのですが、でも安心材料です
![]() | ![]() |
■調整記録--------------------------------------------------
【本体スイッチ設定】
・FUNCTION = FM
・RX MODE = AUTO DX
・MUTE/OTS = OFF
・BLEND = OFF
・REC CAL = OFF
・AM調整を先に行います
【AM OSC調整】
・ 600kHz受信 → T110調整 → シグナルメーター最大
・1400kHz受信 → AMOSC調整 → シグナルメーター最大
【AM RF調整】
・ 600kHz受信 → T109調整 → シグナルメーター最大
・1400kHz受信 → AMANT調整 → シグナルメーター最大
【FM同調点調整】
・IC111 20pin(またはR282)-GND → 電圧計セット
・SSG10.7MHzをCF101に注入 → T103調整 → 電圧ゼロ
【FM OSC調整】
・IC102 (LA1231) 13pin → 電圧計セット
・83MHz受信 → フロントエンドTC4調整 → 電圧最大
※OSCコイルL4の調整が難しいため83MHzのみで調整
【FM RF部調整】
・IC102 (LA1231) 13pin → 電圧計セット
・83MHz受信 → フロントエンドTC1,TC2,TC3調整 → 電圧最大
※RFコイルL1~L3の調整が難しいため83MHzのみで調整
【Mono歪調整】
・音声出力 → WaveSpectra接続
・83MHz → TC101調整 → 高調波歪最小
【VCO調整】
・R263右足 → 周波数カウンタ接続
・83MHz → VR108調整 → 19kHz±10Hz
【ST SUB調整】
・音声出力 → WaveSpectra接続
・83MHz SUB → T112調整 → Lchレベル最大
【Stereo歪調整】
・音声出力 → WaveSpectra接続
・83MHz ST → VR101 VR102 VR103,T102調整 → 高調波最小
【Pilot Cancel調整】
・音声出力 → WaveSpectra接続
・83MHz ST → T113,VR109調整 → 19kHz漏れ信号最小
【セパレーション調整】
・音声出力 → WaveSpectra接続
・83MHz ST → VR105調整 → Lch漏れ信号最小
・83MHz ST → VR106調整 → Rch漏れ信号最小
【シグナルインジケーター点灯調整】
・83MHz 100dB → VR112調整 LED全点灯
・83MHz 0dB → VR111調整 LED全消灯
【プリセットチューニング上限位置調整】
・自動選局時に指針がスケールを振り切らないように制限する設定
・90.5MHz受信 → プリセット5に登録
・83MHz付近でプリセット5を押し指針移動開始
・このとき90.2MHz付近で自動停止するようにVR113を調整する
【プリセットチューニング下限位置調整】
・75.5MHz受信 → プリセット1に登録
・83MHz付近でプリセット1を押し指針移動開始
・このとき75.8MHz付近で自動停止するようにVR114を調整する

■試聴------------------------------------------------------
・電源オン時にミューティングが解除されない問題は残っていますが、
・でもFM/AM切換ボタンを一度操作すると解除されることが判明
・不調原因ははスイッチ内部の接触不良かな?と想像します
・スイッチを取り外して分解洗浄しようかと思いましたが、
・取り付け部のロック剤を見ると、、このまま動態保存することにしました

