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YAMAHA T-7 修理調整記録6-2

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 ・前回修理記録の続編です
 ・部品取り機として残した個体の修理が「一応」完了しました
 ・以下作業記録です

T704_20250216084901

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 YAMAHA T-7 NATURAL SOUND STEREO TUNER ¥69,800円
 ・Hifi Engine Yamaha T-7 Natural Sound AM/FM Stereo Tuner (1980-82)

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■当初の動作確認---------------------------------------------

【SN/202393(部品取り機)】
 ・TメーターとSメーターが点灯して受信しているようです
 ・STEREOランプも点灯しますが、ただ音が出ません
 ・REC CALトーンは正常音が聞こえました
 ・たぶんMUTINGが作動したまま解除されない状態と思います
 ・電源コンデンサがすべて交換済み、さらに改造痕も多々ありました

■当初の内部確認---------------------------------------------

【SN/202393(部品取り機)】
 ・外観はキズが多く、底板も凹んでいる
 ・すべての電解コンデンサーが交換済みでした
 ・あとフィルムコンデンサもいくつか交換済み
 ・バッテリーも交換済み
 ・過去の事例を思い出しながら IC120(LC7200)-23pinをGNDに落とす
 ・すると予想通り受信音が聞こえてきました
 ・やはり何らかの理由でMUTINGが解除できない状態です
 ・この原因を探してオート選局回路の電圧測定を始めたところ
 ・FM/AM切換ボタンを押した瞬間にFM受信音が聞こえてきました
 ・これは、、ひょっとして、プッシュスイッチの接触不良か??
 ・前面に並んだプッシュスイッチを各100回操作
 ・これ以降は音が出なくなる現象は発生しなくなった、と思いましたが
 ・ランニングテスト中にまた再発、原因は別にあるようです
 ・そして更なる不具合を確認、強制DX(Narrow)にすると音が酷く歪みます
 ・Local(Wide)では正常な音声なので気づきませんでした

T700_20250216084901

■今回の修理記録:DX受信時の歪み----------------------------

 ・YAMAHA機のIF BAND切換は Local(Wide) と DX(Narrow) です
 ・ Local(Wide)では歪みなし、DX(Narrow)にするとひどく歪む
 ・この症状から不調箇所は DX(Narrow) にありそうです
 ・DX(Narrow) 回路にあるのはセラミックフィルター CF3 CF4のみ
 ・これを別のジャンク機から取り外した青色フィルターに交換
 ・ひどく歪んでいた音が正常化しました
 ・DX(Narrow)を使うことは無いのですが、でも安心材料です

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■調整記録--------------------------------------------------

【本体スイッチ設定】
 ・FUNCTION = FM
 ・RX MODE = AUTO DX
 ・MUTE/OTS = OFF
 ・BLEND = OFF
 ・REC CAL = OFF
 ・AM調整を先に行います
【AM OSC調整】
 ・ 600kHz受信 → T110調整 → シグナルメーター最大
 ・1400kHz受信 → AMOSC調整 → シグナルメーター最大
【AM RF調整】
 ・ 600kHz受信 → T109調整 → シグナルメーター最大
 ・1400kHz受信 → AMANT調整 → シグナルメーター最大
【FM同調点調整】
 ・IC111 20pin(またはR282)-GND → 電圧計セット
 ・SSG10.7MHzをCF101に注入 → T103調整 → 電圧ゼロ
【FM OSC調整】
 ・IC102 (LA1231) 13pin → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → フロントエンドTC4調整 → 電圧最大
 ※OSCコイルL4の調整が難しいため83MHzのみで調整
【FM RF部調整】
 ・IC102 (LA1231) 13pin → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → フロントエンドTC1,TC2,TC3調整 → 電圧最大
 ※RFコイルL1~L3の調整が難しいため83MHzのみで調整
【Mono歪調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → TC101調整 → 高調波歪最小
【VCO調整】
 ・R263右足 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz → VR108調整 → 19kHz±10Hz
【ST SUB調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz SUB → T112調整 → Lchレベル最大
【Stereo歪調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR101 VR102 VR103,T102調整 → 高調波最小
【Pilot Cancel調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → T113,VR109調整 → 19kHz漏れ信号最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR105調整 → Lch漏れ信号最小
 ・83MHz ST → VR106調整 → Rch漏れ信号最小
【シグナルインジケーター点灯調整】
 ・83MHz 100dB → VR112調整 LED全点灯
 ・83MHz 0dB → VR111調整 LED全消灯
【プリセットチューニング上限位置調整】
 ・自動選局時に指針がスケールを振り切らないように制限する設定
 ・90.5MHz受信 → プリセット5に登録
 ・83MHz付近でプリセット5を押し指針移動開始
 ・このとき90.2MHz付近で自動停止するようにVR113を調整する
【プリセットチューニング下限位置調整】
 ・75.5MHz受信 → プリセット1に登録
 ・83MHz付近でプリセット1を押し指針移動開始
 ・このとき75.8MHz付近で自動停止するようにVR114を調整する

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■試聴------------------------------------------------------

 ・電源オン時にミューティングが解除されない問題は残っていますが、
 ・でもFM/AM切換ボタンを一度操作すると解除されることが判明
 ・不調原因ははスイッチ内部の接触不良かな?と想像します
 ・スイッチを取り外して分解洗浄しようかと思いましたが、
 ・取り付け部のロック剤を見ると、、このまま動態保存することにしました

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note:BLUESS Laboratory


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