・2024年5月、2015年に修理調整した個体 の再修理を承りました
・オート選局では全く受信できなくなったそうです
・前回から9年も経っているので再調整は必須ですが、どこか故障かも?
・以下、作業記録です
■製品情報--------------------------------------------------
・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESXII ¥49,800(1987年発売)
・SONY ES テクノロジーカタログ 1987年10月発行
・Hifi Engine ST-S730ES 海外版サービスマニュアル
■内部確認--------------------------------------------------
・前回記録によれば2012年に専門業者によって修理調整済みであること
・フロントエンドのトリマコンデンサ、数個の電解コンデンサ交換済み
・メモリ保持用コンデンサも交換済み、アースバーのハンダ補修済み
・その上で2015年に再調整だけ行ったことになっています
・今回も再調整から着手したところ、最初から問題ありでした
【FM同調点調整】
・IFT205調整 LA1235-7pin~10pin間電圧ゼロ
★ところがIFT205を回しても端子間電圧約+5vで全く変化しない
■修理記録:IFT205外付けコンデンサ追加----------------------
・同調できない原因はIFT205に内蔵されたコンデンサーの容量抜けです
・対策として内蔵コンデンサーを除去して外付けで100pFを追加しました
・IFT205の二次側、R245に並列にセラミックコンデンサ(101)追加
・これで同調点調整ができるようになりました
■調整記録--------------------------------------------------
【FM同調点調整】
・IFT205調整 LA1235-7pin~10pin間電圧ゼロ ★外付けコンデンサ追加
【VT電圧調整】
・IC803-5pin電圧測定
・90MHz L104調整 21.0V±0.2V ※21.3V
・76MHz 確認のみ 8.0V±1.0V ※7.9V
【SST回路調整】
・SST調整はVT電圧調整後、かつトラッキング調整前に行うこと
・76MHz受信 RT801調整 IC802-11pin電圧 → 0V
・90MHz受信 IC802-9pin電圧 → 14V確認 ※13.9V
【トラッキング調整】
・IC203(LA1235)-13pin(又はRT204)電圧max
・76MHz L101,L102,L103
・90MHz CT101,CT102,CT103
【PLL検波調整】
・TP201をGNDに落とす
・IFT207調整 TP202 DC電圧ゼロ
・CT201調整 歪最小
【IF歪調整】
・Wide受信、MUTINGオフ
・IC203(LA1235)-13pin電圧計セット
・RT202、RT203 時計回り一杯に回す
・SSG出力20dBモノラル信号送信
・IFT201調整 電圧最大へ ※コア割れのため調整不能
・IFT101調整 電圧最大へ
・SSG出力80dBにセット
・IFT203、RT202を交互に調整 歪最小へ
・SSG出力20dBにセット、Mutingオン
・IFT202調整 電圧計最大へ
・SSG出力80dBステレオ信号送信
・IFT204、RT203を交互に調整 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
・RT206 SSG出力20dBでステレオインジケータ点灯
【パイロットキャンセル】
・RT303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
・RT301 R→L
・RT302 L→R
※60dB
【Sメーター調整】
・RT204
【MUTINGレベル調整】
・RT205
【CAL TONE】
・Peak Level-5.8dB 344Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
・RT401 Sメーター調整
・RT402 AUTOSTOP調整
■試聴------------------------------------------------------
・修理調整後は名古屋地区のFM局を周波数ズレなく受信しています
・AMは適当なループアンテナで確認しました
・これでまたFM放送を楽しめると思います