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SONY ST-3950

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 ・2024年2月、市内のHOジャンクコーナーで入手しました
 ・外観はボロボロですが周波数窓内側のガラス板は無傷みたい
 ・欲しかったのは周波数や目盛りを刻んだガラス板だけでしたが、
 ・でも初体験機種だったので解体前に一通り整備してみました
 ・以下、作業記録です

St395003

■製品情報-------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-3950 ¥49,800(1976年頃)
 ・オーディオ懐古録 SONY ST-3950 ¥49,800
 ・Hifi Engine SONY ST-3950 AM/FM Stereo Tuner (1976-78)

St395002St395011

■動作確認-------------------------------------------------

 ・電源コードの印字 → 1976
 ・フロントパネルに目立つ傷は無いが、全体にかなり汚れた状態
 ・3個並んだプッシュボタンは緑青サビが酷い状態
 ・背面パネルの錆び付いた端子類が長年放置されていた歴史を物語ります
 ・さて電源を接続してスイッチオン、緑色の周波数窓が浮かび上がる
 ・ガラス板に印字された周波数目盛りや数字にダメージなし、期待通り!
 ・TメーターとSメーターの照明電球も点灯、電球切れは無さそう
 ・75Ω端子にFMアンテナを接続して名古屋地区のFM局を受信テスト
 ・選局ツマミを回すと指針の移動に伴って激しいバリバリノイズ発生
 ・このときTメーターとSメーターはノイズに反応して激しく振れる
 ・この影響でTメーター中点とSメーター最大点が判然としない
 ・何とかFM放送は受信できるがSTEREOランプ点灯しない
 ・AM放送は背面バーアンテナで名古屋地区のAM局を受信OK
 ・まずはバリコン軸の洗浄から始めます

■内部確認-------------------------------------------------

 ・FM4連、AM2連バリコン → HA1137
 ・IFバンド Narrow/Wide切り替えなし
 ・IC201:HA1137(クアドラチュア検波)
 ・IC301:HA1156
 ・RT201:OUTPUT LEVEL調整
 ・RT202:Sメーター調整
 ・RT203:MUTING調整
 ・RT301:VCO調整(19kHz)
 ・RT501:セパレーション調整

St395000

 ・本機はHA1137によるクアドラチュア検波でした
 ・上位機ST-5950とST-4950はレシオ検波でしたがコストダウンですね
 ・ガラス板サイズと取付方法は上位機 ST-5950,ST-4950 と同じ
 ・電球仕様:STANLEY 12v/5w、端子電圧 AC10.8v(実測)×3個

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■修理記録:バリコン軸洗浄---------------------------------

 ・選局ツマミを回すと指針の移動に伴って激しいバリバリノイズ発生
 ・このときTメーターとSメーターはノイズに反応して激しく振れる
 ・この原因はバリコン軸と軸受け部に塗布されたグリスの劣化です
 ・青緑色に変色し、接触不良を起こしてノイズ源になっています
 ・まず爪楊枝の先端で青緑色の劣化グリスを剥ぎ取る
 ・エレクトロニッククリーナーを噴射して劣化グリスを溶かす
 ・軸を回転させながら歯間ブラシで残りかすを掃きだす
 ・最後に軸受け部にCRC-556を少量噴射して馴染ませる
 ・バリバリノイズは解消してFM放送受信を確認できました
 ・ただ依然としてSTEREOランプは点灯しない

■調整記録-------------------------------------------------

 【Tメーター調整】
 ・アンテナ入力なし
 ・IFT201(青)調整 → Tメーター中点へ
 【FM OSC調整】
 ・ダイヤル指針 → 周波数目盛り90位置にセット
 ・90MHz受信 → CT104調整 → Sメーター最大
 ・ダイヤル指針 → 周波数目盛り76位置にセット
 ・76MHz受信 → L104調整 → Sメーター最大
 【FMトラッキング調整】
 ・76MHz受信 → L101,L102,L103調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → IFT101調整 → Sメーター最大
 【検波調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraで観測
 ・83MHz受信 → IFT201(青)調整 → Tメーター中点 ※確認のみ
 ・83MHz受信 → IFT201(黒)調整 → 高調波歪最小
 【Sメーター振れ調整】
 ・83MHz受信 → RT202調整 → Sメーター最大振れ調整
 【ミューティング調整】
 ・83MHz受信 → RT203調整 → ミューティング調整※
 【VCO調整】
 ・TP(19kHz) → 周波数カウンタ接続
 ・アンテナ入力なし → RT301調整 → 19kHz
 【セパレーション調整】
 ・音声出力 → WaveSpectraで観測
 ・83MHz受信 → RT501調整 → 左右chの漏れ信号最小
 【オーディオレベル調整】
 ・固定出力端子 → AC電圧計セット
 ・83MHz60dB受信 → RT201調整 → 1.6v(6dB)
【AM調整】
 ・ダイヤル指針→ 600kHz位置にセット
 ・600kHz受信 → L402調整 → Sメーター最大
 ・600kHz受信 → バーアンテナ内L801調整 → Sメーター最大
 ・ダイヤル指針を1400kHz位置にセット
 ・1400kHz受信 → CT402調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → CT401調整 → Sメーター最大

St395032

■試聴-----------------------------------------------------

 ・本体カバーを外して丸ごと洗浄、錆びた端子も研磨しました
 ・緑青サビが出ていたフロントのプッシュボタンは錆び落とし
 ・上位機と同様に緑色照明に浮かび上がる周波数窓が美しい、、
 ・外観ボロボロのジャンク機だったとは思えない仕上がりです

St395006

■周波数や目盛りを刻んだガラス板の件-----------------------

 ・実はガラス板を ST-4950 に移植することでしたが入手目的でした
 ・ところが比べてみると ST-5950/ST-4950 のガラス板とは別物でした
 ・正確にはガラス板のサイズと取り付け方法は同じなのですが、
 ・残念ながらFMの目盛間隔、AM周波数の数字が異なりました
 ・そうか、バリコンユニットが異なるので目盛間隔も違うのか、、
 ・あと、白い文字の印字が丈夫で剥がれ難い造りになっていました
 ・ウエットティッシュで拭いた程度ではビクともしません
 ・残念、、移植計画は断念しました
  <上段>:ST-4950  <下段>ST-3950

St395040St395041

 → note:BLUESS Laboratory


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