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YAMAHA T-2000W 修理調整記録3

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 ・2024年4月、T-2000WとT-2000の故障機2台セットが届きました
 ・どちらも難ありですがニコイチ合体でT-2000Wを復活させる目論見ですが、
 ・以下、復活までの作業記録です

T2000w104

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA T-2000W ¥85,000(1987年頃)
 ・オーディオ懐古録 YAMAHA T-2000W AM/FM DIGITAL TUNER ¥85,000(1987年頃)
 ・Hifi Engine YAMAHA T-80 Natural Sound Stereo FM/AM Tuner (1984-85)

T2000w102T2000w107

<T-2000WとT-2000の違い>
 ・サイドウッドの有無
 ・本体サイズ「高さ」の違い
 ・T-2000Wでは嵩上げのため底面にゲタをはいている
 ・本体の足:T-2000Wは大型タイプ、T-2000は普通のプラ足
 ・内部構造、回路構成は全く同一

■動作確認--------------------------------------------------

<上段:T-2000>
 ・フロントパネルの操作ボタンがいくつか欠損していて外観は残念な状態
 ・でも目立つキズはなくパネル自体やボディの状態は比較的良好
 ・電源スイッチON、表示部に周波数やシグナルインジケーター点灯
 ・オート選局で名古屋地区のFM局を受信できました
 ・周波数ズレなし、STEREOランプ点灯、各操作ボタン反応OK
 ・適当なAMアンテナで名古屋地区のAM局の受信確認OK
 ・見た目はかなり残念ですが、でも動作は問題なさそうです

<下段:T-2000W>
 ・ツルピカ光沢のあるサイドウッドがとても美しい
 ・電源ボタン欠損、代わりにサイドウッドに似た木片が貼り付けてある
 ・フロントパネルに目立つ傷なし、ただボディ上面に拭き取れない汚れ
 ・電源スイッチON、周波数表示や機能切換インジケーター点灯
 ・オート選局で名古屋地区のFM局を受信できました
 ・周波数ズレなし、STEREOランプ点灯、各操作ボタン反応OK
 ・ただシグナルインジケーターの点灯レベルがかなり低い
 ・上段T-2000で受信できた微弱電波局がT-2000Wでは受信できない
 ・適当なAMアンテナで名古屋地区のAM局の受信確認OK
 ・問題はFM受信感度の低下、調整だけで復活するか?

■調整記録--------------------------------------------------

Tt2000w00

・FINE TUNINGモード
【VT電圧調整】
・フロントエンド基板とのコネクタVT端子 → 電圧計セット
・76MHz → 2.6V ※確認のみ
・90MHz → 20.2V
【FMレシオ検波調整】
・基板上 NVcc~TM → 電圧計セット
・83MHz受信 → T203調整 → 0v
・83MHz受信 → VC202,VR203調整 → 高調波歪最小
【フロントエンド調整】
・VR210 → 電圧計セット ※Sメーター電圧
・76MHz受信 → T101,T102,T103,T104調整 → 電圧最大
・90MHz受信 → VC101,VC102,VC103,VC104調整 → 電圧最大
【FMレシオ検波調整】
※上記手順をもう一度実施
【シグナルメーター調整】
・83MHz受信 → VR210調整 → シグナルインジケーター点灯レベル
【MPX VCO調整】
・TP 19kHz → 周波数カウンタ接続
・83MHz stereo 受信 → VR207調整 → 76kHz
【PILOT CANCEL調整】
・83MHz stereo 受信 → T212,VR208調整 → 19kHz成分最小
【SUB調整】
・83MHz SUB 受信 → T211調整 → Lch信号最大
【STEREO歪調整】
・LOCALモード
・83MHz受信 → T201,T202,VR201,VR202調整 → 高調波歪最小
・DXモード
・83MHz受信 → VC201調整 → 高調波歪最小
【セパレーション調整】
・83MHz stereo 受信 → VR205調整 → Rch信号最小
・83MHz stereo 受信 → VR206調整 → Lch信号最小
【FM CSL調整】
・基板上 TP(K4)~TP(T6) 短絡
・83.0MHz受信 → VR209調整 → 表示部「3.00」
【AM調整】
・フロントエンド基板とのコネクタVT端子 → 電圧計セット
・513kHz → 3.0V 
・1620kHz → AM OSC調整 → 25V
・VR204端子 → 電圧計セット※Sメーター電圧
・729kHz受信 → AM RF(コイル)調整 → 電圧最大
・1332kHz受信 → AM RF(トリマ)調整 → 電圧最大
・VR204調整 → シグナルインジケーター点灯調整

T2000w50

■修理記録:トリマコンデンサ交換----------------------------

<上段:T-2000>
 ・故障個所なし、上記再調整によって受信性能が復活しました

<下段:T-2000W>
 ・FMの受信感度が低い現象は再調整後も改善しない
 ・VR210で測定するシグナルインジケーター電圧がT-2000よりかなり低い
 ・対策としてまずフロントエンドのトリマコンデンサを交換してみました
 ・VC101,VC102,VC103,VC104(T-80回路図では11pF)→ 新品10pFに交換
 ・受信感度が大幅に改善しシグナルインジケーターはフル点灯しました
 ・やはりトリマコンデンサの劣化が原因でした

T2000w21_20240609081501T2000w24_20240609081501

■修理記録:メモリ保持用キャパシタ交換----------------------

 ・C310 0.047F/5.5v → 1F/5.5v

T2000w30_20240609081501T2000w31_20240609081501

■試聴------------------------------------------------------

 ・サイドウッドが美しいT-2000Wが復活しました
 ・T-2000からは電源ボタンとメモリプレート取り外しました
 ・外観がより残念になったT-2000は部品取り用に保管しておきます

T2000w105

note:BLUESS Laboratory


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