・2023年6月、市内の中古店で1,000円ジャンク機を入手しました
・小型ながら5連バリコン搭載のFM専用機です
・KT-7700と共通パーツが多いので部品取り機として活用できます
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 TRIO KT-5500 ¥38,000(1975年発売)
・KT-5500 取扱説明書 PDF形式
■動作確認------------------------------------------------------------
・ボディに目立つキズは無くフロントパネルは店舗で清掃済みかな?
・ただよく見るとモード切換ノブに僅かに擦り傷
・FMアンテナ線を接続して電源オン
・周波数窓のオレンジ色照明点灯、メーター照明もOK
・名古屋地区のFM放送を僅かな周波数ズレで受信OK
・メーターの振れ具合を見るとFM放送を正常に受信している模様
・しかし固定/可変端子とも出てくる音に酷い雑音が被っている感じ
・さらにSTEREOランプが不規則に明滅する
■内部確認------------------------------------------------------------
・FM専用5連バリコン
・IC:HA1137 FM-IFシステム用IC
・IC:HA1196 PLL-MPX用IC
・T6:クアドラチュア検波 歪調整
・VR1:Sメーター振れ調整
・VR2:Tメーター中点調整
・VR3:検波信号レベル調整
・VR4:セパレーション調整
・VR5:VCO調整
・TP1:IF周波数確認(GND)
・TP2:IF周波数確認(10.7MHz)
・TP3:76kHz確認
■修理記録:ICの黒ずんだ足の清掃---------------------------------
・HA1137とHA1196 の足が真っ黒に変色しています
・最近よく遭遇するマイグレーションですね
・試しに硬めの歯ブラシでICの足を磨いてみると、
・酷い雑音はキレイに消え去り正常な音声が出るようになりました
・本当はICを取り外して裏側まで洗浄したいところですが、、
・KT-5500の弱点は底面に点検口が無いこと
・ハンダ面にアクセスするにはバリコン糸を解いて基板を裏返す必要あります
・以前整備したKT-5500ではICソケットが使われていたのですが、、
・個体によって仕様(ICソケットの有無)が違うようです
■調整記録----------------------------------------------------------
【Tメーターオフセット調整】
・アンテナ入力なし → VR2調整 → Tメーター指針中点へ
【OSC調整】
・76MHz受信 → To調整 → Sメーター最大
・90MHz受信 → TCo調整 → Sメーター最大
【RF調整】
・76MHz受信 → T1,T2,T3,T4調整 → Sメーター最大
・90MHz受信 → TC1,TC2,TC3,TC4調整 → Sメーター最大
・この調整作業を数回繰り返す。
【IFTコア調整】
・83MHz受信 → T5調整 → Sメーター最大
【検波調整】
・音声出力をWaveSpectraに接続
・83MHz受信 → T6調整 → 高調波歪最小
【検波信号レベル調整】
・固定出力端子にAC電圧計セット
・83MHz60dB受信 → VR3調整 → 0.7V
【Sメーター振れ調整】
・83MHz受信 → VR1調整 → Sメーター振れ具合調整
【VCO調整】
・TP3に周波数カウンタ接続
・83MHz無変調 → VR5調整 → 76kHz
【セパレーション調整】
・音声出力端子をWaveSpectraに接続
・83MHz L/R信号 → VR4調整 → 反対ch漏れ最小
■試聴----------------------------------------------------------------
・フロントパネルを分解して周波数窓の裏側まで磨きました
・KT-7700と並べて記念写真を撮っておきました
・フロントマスクは KT-7700 とよく似てる、というかデザインは同じ
・電源スイッチ、切換スイッチ、チューニングノブも同じ部品
・二つのメーター、インジケーターの赤色LEDも同じ
・ただし本体サイズは小型で全幅380mmのコンパクトボディ
・KT-7700と並べるとサイズ感がよく分かります