・2022年11月、初めて見る機種を寄贈していただきました
・しかもオリジナルの取扱説明書付き
・ネット情報が少ない機種では取説は重要な情報源です
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 DENON TU-300Z ¥39,800 (1973年頃)
■動作確認------------------------------------------------------------
・横幅376mmmのコンパクトボディ
・外観はずいぶん汚れた状態ですが分解清掃すれば綺麗になりそう
・背面パネルを見るとFMアンテナ用F端子あり、これは期待できるかも?
・F端子にアンテナ線を接続して電源オン
・周波数窓の数字は緑色、目盛りは橙色、指針は橙色、それぞれ照明点灯
・TメーターとSメーターの水色照明点灯。
・名古屋地区のFM局で受信テスト開始
・周波数+0.3MHz付近でSTEREOランプ点灯しFM放送を受信できました。
・Sメーターが大きく振れ、Tメーターも左右に振れます
・ただSメーター最大点とTメーター中点が一致しない
・続いて背面バーアンテナでAM放送の受信テスト開始
・周波数目盛りと指針は多少ズレるが名古屋地区のAM局を受信OK
・FM/AMとも基本的な動作に問題は無さそうです
■内部確認------------------------------------------------------------
・取扱説明書に回路図が掲載されていました
・ちょっと読み取りずらい回路図ですが貴重な資料です
・これを基に実機と比較しながら内部点検しました
・FM4連、AM3連バリコン搭載 → CF×4 → IFアンプ×2 → レシオ検波
・このタイプのフロントエンド(AM受信回路一体型)を見るのは初めてかも
・PLL化される以前の古典的スイッチング復調回路
・電源回路とMUTING回路が同じ基板に載っている
・左サイドの直立基板は最終オーディオ回路
■調整記録------------------------------------------------------------
【Tメーターオフセット調整】
・FMアンテナ入力なしの状態
・T203上段コア調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
・90MHz受信 → CT104調整 → Sメーター最大
・76MHz受信 → L105 調整 → Sメーター最大
【RF調整】
・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103調整 → Sメーター最大
・76MHz受信 → L101,L102,L103調整 → Sメーター最大
・83MHz受信 → T101調整 → Sメーター最大
【レシオ検波調整】
・音声出力 → WaveSpectra
・83MHz受信 → T203上部コア調整 → Tメータ中点
・83MHz受信 → T203下部コア調整 → 高調波歪最小
・83MHz受信 → T201上下段,T202調整 → 高調波歪最小
【Sメーター、MUTING調整】
・D401カソード側 → 電圧計セット
・83MHz受信 → T401調整 → 電圧最大
・83MHz受信 → VR402調整 → Sメーター振れ具合調整
・83MHz,20dB受信 → VR401調整 → MUTING作動位置へ
【MPX調整】
・音声出力 → WaveSpectra
・83MHz,SUB信号受信 → T207調整 → Lchレベル最大
・83MHz,L/R信号受信 → VR302調整 → 漏れ信号最小
・83MHzST信号受信 → T101調整 → ステレオ歪最小
【AM調整】
・ 600kHz受信 → L106,バーアンテナ内コイル調整 → Sメーター最大
・1400kHz受信 → CT105,CT106調整 → Sメーター最大
・ 900kHz受信 → T102,T103調整 → Sメーター最大
■試聴----------------------------------------------------------------
・性能は並クラスですが見た目がかわいい感じの機種です
・コンパクトなボディ、照明に映える周波数窓が美しい
・インテリアとして良さそうです