・2014年6月初め、ヤフオクでノーチェックジャンク品を入手しました。
・予想通りというか不具合箇所が多数あって長期戦の様相です。
・夏休みにある程度作業が進んだので一旦まとめておきます。
■製品情報------------------------------------------------------------
・1972年頃の製品で、FM復調部はPLL化されていないタイプです。
・オーディオの足跡 PIONEER SX-717 ¥78,000(1972年発売)
・Hifi Engine PIONEER SX-727 輸出仕様 回路図、サービスマニュアルあり
<パイオニア製レシーバーの系譜>
1970年頃 | 1972年頃 | 1974年頃 | 1976年頃 |
SX-100S / 125,000円 →過去記事 | SX-818 / 100,000円 | - | - |
SX-90 / 80,000円 | SX-717 / 78,000円 →過去記事 | SX-737 / 85,000円 →過去記事 | SX-757 / 78,500円 →過去記事 |
SX-65 / 54,800円 | SX-616 / 64,800円 | SX-636 / 68,000円 | - |
- | SX-515 / 53,800円 | SX-535 / 57,000円 | SX-555 / 48,500円 |
SX-45 / 39,800円 | SX-414 / 39,800円 | SX-434 / 50,000円 | - |
- | - | SX-300 / 36,500円 | - |
カタログ(1970年7月版) | カタログ(1973年10月版) | カタログ(1974年5月版) | カタログ(1976年1月版) |
■動作確認------------------------------------------------------------
・どうやら訳あり品のようです。
・フロントパネルがグラグラ。何とパネルの取り付け方法が間違っている。
・ウッドケースは濃い飴色のよう。ヤニが染み込んでいるのか?再塗装されているのか?
・タバコのヤニ汚れでフロントパネルとツマミ類は黄色っぽい。
・でも幸いなことにフロントパネルに目立つ傷はない。清掃すれば綺麗になりそう。
・特殊形状のスピーカー端子はこの時期のパイオニア製品の特長です。
・SX-100Sに付属していたスピーカー端子がそのまま使えました。
・底面に修理記録のシールあり。昭和62年(1987年)6月5日。
・電源オン。周波数窓と二つのメーター照明が点灯。指針もオレンジに光っています。
・ポジションランプ確認。AM、FM、AUX、MIC点灯。2系統あるPHONOだけ点灯しない。
・AMポジションではSメーター消灯、PHONOやAUXポジションでは二つのメーターと指針が消灯。
・不思議なことにどの入力ポジションでもSTEREOランプ点灯します。
・しかも電源投入後暫くすると徐々に暗くなってそのうち消灯。何これ??
・PHONOは2系統ともレコード再生OK。ただしちょっと歪多い。
・AUXはCDプレーヤーを繋いで再生OK。歪感なくここは綺麗な音です。
・CDを聴きながら音質チェック。ボリューム、バランスにガリなし。
・ステップ式トーンコントロールに少しガリあり。
・ラウドネス、フィルターなどその効果が聴感で確認OK。
・そういえばPRE OUTとMAIN INの短絡プラグが欠品なのにスピーカーから音が出ている?
・内部で直結されているか?
・肝心のFMは局間ノイズのみ、FM放送は全く受信しない。
・Sメーター、Tメーター振れない
・AM放送も全く受信しない。AMは局間ノイズも聞こえない状態。
【問題点】
・PHONOポジションランプの電球切れ
・チューナー部(FM/AMとも)故障
・STEREOランプ挙動不審
・イコライザー回路不調
・PRE OUT MAIN IN 直結確認
■内部確認------------------------------------------------------------
・既に相当弄られた個体のようです。
・FM4連、AM3連バリコン搭載。
・チューナー基板の電解コンデンサがいくつか交換されている
・AMアンテナの内部配線が不自然に接合されている
・やはりプリアウトとメインインが内部で直結されている。
・PHONOランプ切れ → 修理痕あり
・フロントパネル裏面に製造日シール、底面に修理シールがありました。
・製造日:昭和47年(1972)6月19日
・修理日:昭和62年(1987)6月05日
■修理記録 PHONOポジションランプ交換---------------------------------
・海外版のサービスマニュアルによると8V/50mA 直径3mmタイプ。
・ここは手持ちの中古品に交換して完了。
■修理記録 フロントエンド--------------------------------------------
・FM受信不良。
・試しにIF段にSGから10.7MHzを直接注入するとちゃんと動作しました。
・レシオ検波調整で正常に受信可能。ということは原因はフロントエンド。
・調べてみるとフロントエンド内局発が発振していない。
・バリコンと付属回路が一体構造になったフロントエンドです。
・アルプス電気製 型番W11-044-0
・内部を見るには糸を解いてフロントエンド部を取り外さなければなりません。
・さて、どうしたものか、、
・と思案していたときにトラブルシューター様のT-550修理記事を拝見しました。
・LUXMAN T-550とSX-717のフロントエンドはほぼ同じもののようです。
・トラブルシューター様の修理記事を参考にさせていただきました。
・思い切ってSX-717の糸を解き、フロントエンドユニットを取り外す。
・外した状態で仮配線して各部チェック。やはり局発が発振していない。
・ハンダ面をルーペ観察すると円盤型部品にハンダ割れ発見。
・修復ついでに全箇所ハンダを盛り直してフロントエンドを元通りに取り付ける。
・さあ、どうだ・・・スイッチオン! 何と!動作しました。
・TメーターとSメーターが振れてスピーカーから音声が流れてきました。
・とりあえず第一関門通過。
■修理記録 STEREOランプ挙動不審------------------------------------
・電源投入から2~3分間、どの入力ポジションでもSTEREOランプが点灯する。
・当初は明るく点灯、次第に暗くなって最後に消灯する。
・本来FM以外の入力ポジションでSTEREOランプが点灯するはずがない。
・あれこれ調べた結果、原因はトランジスタQ19(2SC968)不調でした。
・頭部がすごく発熱しています。
・ネット通販で2SC968を調達 6個セット300円でした。高いのか安いのか?
・Q19交換によってSTEREOランプの不思議な挙動は解消しました。
・FM放送受信時の動作も正常になりました。
・ステレオ放送受信時にSTEREOランプ点灯します。
■宿題----------------------------------------------------------
・AM部不調。まったく受信しない。局間ノイズも出ない。完全に無音。
・イコライザー回路不調
・作業完了までまだ時間がかかりそうです。
・つづく、、