・2021年7月初め、ST-5150の故障機が届きました。
・いろいろ不具合があるそうです。
・以下、作業記録です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 SONY ST-5150¥39,800(1973年発売)
・Hifi Engine SONY ST-5150 AM/FM Stereo Tuner (1973-76)
・カタログ(1973年6月版) TA-1150/ST-5150
・ST-5150回路図
■動作確認------------------------------------------------------------
・ガラス板に刻まれた周波数目盛り、文字や数字が奇妙な形に踊っています。
・このシリーズでよく見る劣化現象ですね
・どうしたらこんな形状になるのか??高温環境に長期間置いたとか??
・電源コードの印字は「1974」。コードがベタベタしています。
・電源オン。周波数窓と二つのメーター照明点灯。
・75Ωアンテナケーブルを接続してFM放送を受信確認。
・Tメーターが左右に大きく振れるが、Sメーターはほとんど動かない。
・名古屋地区のFM局周波数付近でTメーターが中点を示す。
・しかしMUTINGオンでは音が出ない。MUTINGオフにすると受信音が聞こえる
・STEREOランプ点灯しない
・AMは背面バーアンテナで受信OK
■分解清掃、ガラス板交換----------------------------------------------
・周波数を刻んだガラス板はST-5130/5140/5150/5150D共通部品です。
・ガラス板は過去に解体処分したジャンク機から取り外して保管しています。
・その保管品の一枚と交換しました
・その他、銀色のフレーム、スイッチ、透過型メーターなどもあります。
・ガラス板を磨きすぎると数字や目盛りを傷つけるので注意、注意。
■再調整--------------------------------------------------------------
【レシオ検波調整】
・何も受信しない状態 T201上段コア調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
・90MHz CT204調整 → Sメーター最大
・76MHz L104調整 → Sメーター最大
【FM受信調整】
・90MHz受信 CT201,CT202,CT203調整 → Sメーター最大
・76MHz受信 L101,L102,L103調整 → Sメーター最大
・83MHz受信 IFT調整 → Sメーター最大
・RT202 FM Sメーター振れ調整
【MUTINGレベル調整】
・T202調整 → D204電圧最大
・RT201調整 → ミューティング動作レベル調整
【検波歪み調整】
・T201下段コア調整 → 高調波歪み最少
【セパレーション調整】
・SUB信号送信 → T401調整 → Lch出力最大へ
・RT401 セパレーション調整
【AM調整】
・CT101,CT102
・T301,バーアンテナ内コイル
・RT301 AM Sメーター振れ調整
■試聴----------------------------------------------------------------
・この個体はSメーターの振れ方にちょっとクセがあります。
・電波強度60dBまではほとんど振れません。
・さらに電波強度70dBまで上げるとメーターが一気に振り切れます。
・Sメーターが振れなくても出てくる音は正常なのでOKとします。
・何度も書いてますが、この時期のソニーデザインは最高ですね。
・シルバーパネルに映えるグリーンイルミネーションに見惚れてしまいます。
・お店のインテリア、オブジェとしても使えそう。