・2021年3月、333ESGの故障機が届きました。なぜかESGが続きます。
・内部を見たら、、既にあちこち修理痕のある個体でした。
・以下、作業記録です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESG ¥49,800(1989年発売)
・1987年10月発行「SONY ES テクノロジーカタログ」
■動作確認------------------------------------------------------------
・外観に目立つキズは無くなかなかの美品です。
・FMアンテナを接続して電源オン。
・表示部点灯。文字欠けや輝度劣化は感じられない。
・IF BANDやRF切換などボタン操作に応じてインジケーター点灯OK。
・オート選局で名古屋地区のFM局を受信するとすべて素通りして受信不可。
・上り方向、下り方向ともにオート選局不可。
・マニュアル受信ならモノラル音声で受信可能。
・ただしシグナルメーターが全く点灯しない。
・STEREOランプ点灯しない。
・REC CALトーンは聞こえる。
・付属のAMループアンテナで名古屋地区のAM局をテスト受信。
・AMはオート選局で受信OK。
■内部点検------------------------------------------------------------
・アースバーと音声出力端子にハンダを盛り直した跡がありました。
・電源回路 C923,C927(47uF/50v)交換済みでした。
・ただC923,C927を指先で触れてみるとグラグラ状態です。
・ハンダ面を見るとプリント配線が基板から剥がれて宙に浮いた状態でした。
・SONY機のプリント配線はとても脆いので部品交換は慎重に!
■修理記録:フロントエンドL102 コアが無い!---------------------------
・まずはフロントエンドの仮調整しようと点検を始めたところ、
・何と! L102 中央に埋め込まれたコアが無い!!
・L102内側には黒い粉が付着して汚れた感じです。
・これは、、どうやら修理調整にチャレンジした先人がいたようです。
・でも、誤ってL102内部のコアを割ってしまった、とか、?
・割れた残骸をキレイに除去してそのまま転売、、でしょうか?
・対策として同種コイルから内部コアだけ抜いて移植しました。
・後述のトラッキング調整によって受信感度が大幅に上昇。
・シグナルメーターの大きく点灯するようになりました。
・コアは割れやすいので調整は慎重に!
・金属製ドライバーは使用禁止、専用のコアドライバーを使いましょう。
■修理記録:キャパシタ交換--------------------------------------------
・メモリ内容を全く保持できません。
・原因はメモリ保持用キャパシタC605の容量抜け。
・対策としてメモリ保持用キャパシタを交換しました。
・C605(0.1F/5.5v) → 0.1F/5.5v 縦型
■調整記録------------------------------------------------------------
■試聴---------------------------------------------------------------
・FM同調点以外も各調整ポイントが大きく外れていていました。
・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。
・それにしても、、
・こんな状態でも「動作品」として売られているんですね。
・確かにAMは正常でしたが、、