・2021年3月、ST-5140の故障品が届きました。
・以下、作業記録です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 SONY ST-5140
・Hifi Engine SONY ST-5140
・TA-1140/ST-5140 カタログ 1971年版
■動作確認------------------------------------------------------------
・フロントパネルは割と綺麗な状態。
・電源オン、周波数窓と二つのメーター照明点灯OK。
・FM/AMインジケーター点灯。
・名古屋地区のFM局を受信すると、、
・Sメーターは大きく振れるがTメーターは全く動かない。
・Tメーターは振れないがFM放送は受信できる。
・固定端子、可変端子とも音声出力OK。
・ただしSTEREOランプが点灯しない。実際のステレオ感もない。
・FM局間でMUTING機能が作動しない。
・指針と周波数のズレ+0.2MHz。
・AM放送は受信OK。
■修理記録:Tメーター交換---------------------------------------------
・Tメーター端子では電圧変化があるのに針が全く振れない。
・原因はメーター自体の故障でした。
・保管品の中から弟機ST-5150のメーターを移植しました。
・メーターサイズは同じですが、デザインがちょっと違います。
・メーターの目盛りや文字が照明に透ける「透過タイプ」です。
・Tメーターだけ変えると一体感が無くなるのでSメーターも一緒に交換しました。
・交換後はTメーターは正常に動いています。
■修理記録:MPX UNIT交換----------------------------------------------
・下記【MPX調整】でもやはりSTEREOランプは点灯しない。
・モノラル信号は出ているのでスイッチング回路に不具合がありそう。
・調べてみると、MPX基板のスイッチング回路で19kHzと38kHzが観測できない。
・MU401(MPX UNIT:1-425-548)から19kHz信号が出ていないことが判明。
・どうやらMU401の内部故障のようです。
・同型部品はST-5140、ST-5130のMPX回路で使われています。
・対策として手持ちのST-5130ジャンク機から MU401 を取り外して移植しました。
・これによってSTEREOランプが点灯しセパレーション調整も可能になりました。
■調整記録------------------------------------------------------------
【FMフロントエンド調整】
・OSC調整 CT104,L104
・トラッキング調整 CT101,CT102,CT103 / L101,L102,L103
・IFT調整 IFT101
【レシオ検波調整】
・T201上段コア Tメーター中央
・T201下段コア 高調波歪最小
【MUTING調整】
・T202 D212電圧最大
・RT201 MUTINGレベル調整
【Sメーター調整】
・RT202 Sメーター振れ具合調整
【MPX調整】
・T401 スイッチング信号調整(※SUB信号注入 → Lch出力最大へ)
・RT401 セパレーション調整
■試聴----------------------------------------------------------------
・メーターを交換したので雰囲気がちょっと変わりました。
・それにしてもこの時期のSONY製品はデザインがステキ!
・薄暗い部屋に浮かび上がる照明窓が特に美しい。