Quantcast
Channel: BLUESS Laboratory
Viewing all articles
Browse latest Browse all 568

YAMAHA T-2 修理調整記録3

$
0
0

 ・2021年1月、Rchの音が出ないという故障機が届きました。
 ・以下、作業記録です。

T106_20210404104001

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 YAMAHA T-2 \130,000
 ・オーディオの足跡 YAMAHA T-2 \130,000(1978年頃)
 ・Hifi Engine YAMAHA T-2 / Analogue FM Stereo Tuner (1978-83)

T102_20210404103901T113_20210404103901

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観に目立つキズは無く、状態はなかなか良いです。
 ・周波数窓の照明点灯、二つのメーター照明点灯、指針点灯
 ・僅かな周波数ズレがあるもの名古屋地区のFM局を受信OK
 ・残念なことにメーター指針の塗装がボロボロ。
 ・周波数デジタル表示、Tメーター動作OK、STEREOランプ点灯
 ・Sメーターの振れが小さい? でも受信音は悪くない。
 ・マルチパスH端子からの出力OK。
 ・IFバンド切替、MUTING動作、REC CALなど問題なさそう。
 ・問題はRchの音が出ないこと。

T103_20210404103201T104_20210404103201T105_20210404103201T108_20210404103201T109_20210404103201

■修理記録:Rchの出力レベルが低い-------------------------------------

 ・基準音で確認するとRchの音量レベルがLchより約20dB低い状態でした。
 ・早速基板上の部品を確認。
 ・MPX回路の出口では左右の音量は正常です。
 ・最終AF基板(フロントエンド手前の小さめの基板)で音の流れをチェック
 ・調べてみると TR414(2SK68A) で音が出なくなっていました
 ・2SK68A の手持ち在庫が無いので代替品として特性が似ている 2SK117 に交換。
 ・これによって音量レベルがLchと同程度に上がりました。
 ・左右chの特性を揃えるためLch側の TR413 も予防交換しました。
 ・全体調整をやり直してセパレーション値もOKです。

T120_20210404103201T140T141T142T144

■修理記録:Sメーターの振れ幅が小さい---------------------------------

 ・メーター調整用VR203を最大まで回しても振れ幅が小さい
 ・出てくる音は問題ないのでメーター回路の故障か?
 ・Sメーター回路の不具合を疑ってトランジスタや電解コンデンサ交換
 ・TR229,TR230(2SC1918) → 2SC1815
 ・C261(100uF/6.3v)
 ・C262(10uF/16v)
 ・C239(0.22uF/50v)
 ・C233(1uF/25v)

T125_20210404103601T126_20210404103601T160T162T163

■修理記録:メーター指針再塗装----------------------------------------

 ・二つのメーター指針の塗装がボロボロでした。
 ・これはT-1やT-2で定番の劣化現象です。、
 ・メーターを分解して指針を再塗装しました。
 ・ボロボロ塗料片はカッターナイフの先端で軽く触れるだけで剥がれます。
 ・作業は慎重に! 誤って針を曲げたら、、一巻の終わりです。

T152_20210404103601T154_20210404103601T155T156T157

■調整記録------------------------------------------------------------

【機能設定】
 ・フロントパネルスイッチ設定
 ・RF MODE=HI SENSITIVITY
 ・IF MODE=LOCAL
 ・AUTO BLEND=OFF
【同調点調整】
 ・SSGより10.7MHz注入 → T201上段コア調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
 ・指針を83MHzにセット
 ・83MHz 変調オフ 70dB → フロントエンド OSCトリマ調整
【トラッキング調整】
 ・76MHz mono 1kHz 50dB → RFコイル調整 → Sメーター最大
 ・90MHz mono 1kHz 50dB → RFトリマ調整 → Sメーター最大
【検波歪調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz mono 1kHz 60dB → T201下段コア調整 → 歪み最小
 ・83MHz mono 1kHz 60dB → VR203調整 → 歪み最小
【VCO調整】
 ・TP 19kHz に周波数カウンタ接続
 ・83MHz 無変調 60dB → VR204調整 → 19kHz±20Hz
【PLL調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz stereo 1kHz L-R 60dB → T202調整 → Lch音声レベル最大
【ステレオ歪調整1】
 ・IF MODE=LOCAL
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → VR201,CF201調整 → 歪み最小
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → VR202,CF204調整 → 歪み最小
【ステレオ歪調整2】
 ・IF MODE=DX
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → CF202,CF203調整 → Sメーター最大、歪み最小
【パイロットキャンセル歪調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → VR205,T203調整 → 19kHz漏れ信号最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → 別基板VR402調整 → セパレーション調整
 ・83MHz stereo 1kHz 60dB → 別基板VR401調整 → 左右同レベル
【Sメーター調整】
 ・83MHz 無変調 80dB → VR206調整 → Sメーター振れ調整
【REC CAL調整】
 ・REC CALスイッチオン → Tメーターが中点を示すことを確認

T100_20210404104001

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・Rchの音が出ない件は修理完了です。
 ・蛍光オレンジを塗ったメーター指針の視認性がとても良いです。
 ・見た目もイイ感じに仕上がったと思います。

T107_20210404104001

Viewing all articles
Browse latest Browse all 568

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>