・2020年11月、333ESXの調整作業を承りました。
・以下、作業記録です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESX ¥49,800(1986年頃)
・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESXII ¥49,800(1987年頃)
■動作確認-----------------------------------------------------------
・外観は経年の汚れが目立つものの目立つキズは無い。
・背面端子類もくすんでいるがそんなに悪い状態ではない。
・さて、FMアンテナ端子を接続して受信テスト。
・電源オンで周波数表示部点灯。
【オート選局上り方向】
・正しい周波数で受信するが音が出ない、MUTINGがかかった状態
・STEREOランプ点灯しない
【オート選局下り方向】
・-0.1MHzの周波数で受信して音が出る
・STEREOランプ点灯
・付属AMループアンテナを接続してAM受信テスト。
・AMはオート選局で名古屋地区のAM局をすべて受信。
・AMは問題なさそうです。
・FM同調点がズレていることが予想されます。
■内部確認------------------------------------------------------------
・基板を見たところ、既に人の手が加えられた個体でした。
・オペアンプや電解コンデンサーが多数交換済み。
・ハンダ面にもコンデンサーが追加されています。
・音質アップを狙った改造のようです。
■調整記録------------------------------------------------------------
【FM同調点調整】
・IFT205調整 LA1235-7pin~10pin間電圧ゼロ ※調整前実測-0.45V
【VT電圧調整】
・フロントエンド内ジャンパ線 JW3 → 電圧計セット
・90MHz L104調整 21.0V±0.2V ※調整前実測21.1V
・76MHz 確認のみ 8.0V±1.0V ※調整前実測 8.0V
【SST回路調整】
・SST調整はVT電圧調整後、かつトラッキング調整前に行うこと
・76MHz受信 RT801調整 IC802-11pin電圧 → 0V 実測1.0mV
・90MHz受信 IC802-9pin電圧 → 14V確認 ※調整前実測14.1V
【トラッキング調整】
・IC203(LA1235)-13pin(又はRT204)電圧max
・76MHz L101,L102,L103
・90MHz CT101,CT102,CT103
【PLL検波調整】
・TP201をGNDに落とす
・IFT207調整 TP202 DC電圧ゼロ ※調整前実測-114mV
・CT201調整 歪最小
【IF歪調整】
・Wide受信、MUTINGオフ
・IC203(LA1235)-13pin電圧計セット
・RT201、RT202 時計回り一杯に回す
・SSG出力20dBモノラル信号送信
・IFT201調整 電圧最大へ
・IFT101調整 電圧最大へ
・SSG出力80dBにセット
・IFT203、RT201を交互に調整 歪最小へ
・SSG出力20dBにセット、Mutingオン
・IFT202調整 電圧計最大へ
・SSG出力80dBステレオ信号送信
・IFT204、RT202を交互に調整 歪最小へ
【パイロットキャンセル】
・RT304、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
・RT301 R→L ※調整後実測62dB
・RT302 L→R ※調整後実測64dB
【Sメーター調整】
・RT205
【MUTINGレベル調整】
・RT204
【CAL TONE】
・テストトーン 404Hz確認
・RT303調整 → 音声レベル-6dB設定
【AM調整】
・RT401 Sメーター調整
・RT402 AUTOSTOP調整
■試聴----------------------------------------------------------------
・同調点の不具合は再調整で修正できました。
・良い音で受信できています。