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SONY ST-S333ESA 修理調整記録2

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 ・2020年9月、333ESAゴールドモデルの故障品が届きました。
 ・以下、作業記録です。

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■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESA ¥55,000(1991年発売)
 ・Hifi engine SONY ST-770ES? FM Stereo / FM-AM Tuner (1991-92)

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・持ち上げてみると何だか重い??
 ・底面を見ると4本の脚が重量級インシュレーターに交換済み。
 ・直径60mm、厚さ25mm、重量390g、これはTAOC製でしょうか?
 ・ボディは多少の擦り傷はあるものの全体に美しい、サイドウッドほぼ無傷。
 ・残念なことに選局ツマミを強打したようで回転軸が歪んでいる。
 ・ツマミを回すと楕円を描いて回転する感じです。
 ・さて、FMアンテナを接続して電源オン。
 ・表示部点灯。文字欠けや輝度劣化は感じられない。
 ・IF BANDやRF切換などボタン操作に応じてインジケーター点灯OK。
 ・オート選局で名古屋地区のFM局を受信するとすべて素通りして受信不可。
 ・MUTINGオフにすると受信OK。STEREOランプ点灯。
 ・受信感度が弱く、Sメーターが下から2~3セグメント点灯する程度。
 ・続いてAMループアンテナを接続して名古屋地区のAM局をテスト受信。
 ・AMはオート選局で名古屋地区のAM放送局を受信OK。
 ・REC CALトーン OK。

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■修理記録:選局ツマミの回転軸交換----------------------------------

 ・選局ツマミが正常回転しないのは回転軸が歪んでいるから。
 ・力技で無理やり修正しようと試みましたが、、難しいです、断念。
 ・部品取り用に保管している同型ジャンク機から軸部品だけ移植しました。
 ・バリコンチューナーのシャフト交換と同じ要領でした。

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■修理記録:ハンダ修正------------------------------------------------

 ・ハンダ面を確認すると音声出力端子とアースバーにハンダ割れを発見。
 ・これは333シリーズ定番の不具合箇所です。
 ・不良個所のハンダを盛り直して修正。
 ・音声端子のハンダにアクセスするには背面パネルを外すと作業が楽です。

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■修理記録:キャパシタ交換--------------------------------------------

 ・メモリ保持用の電気二重層コンデンサを交換しておきました。
 ・0.1F/5.5v

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■調整記録------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・IC251(LA1235)7pin~10pin → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT251調整 → 電圧ゼロ ※実測 0.76V
【VT電圧調整】
 ・フロントエンド内JW8 → 電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・90MHz → L104調整 → 21.0V±0.2V ※調整前実測21.4V
 ・76MHz → 確認のみ → 8.0V±1.0V ※調整前実測 7.9V
【トラッキング調整】
 ・IF BAND = NARROW
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)→ 電圧計セット
 ・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103 → 電圧最大
 ・76MHz受信 → L101,L102,L103 → 電圧最大
【PLL検波調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・TP201を短絡 ※これによってIF回路をパス
 ・TP271 → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT272調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測326mV
 ・CT271調整 → 歪最小 ※Wavespectraにて波形確認
 ・TP201を開放
【IF歪調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)→ 電圧計セット
 ・RV201、RV202 時計回り一杯に回す
 ・83MHz 40dBモノラル信号受信
  ・IFT201調整 → 電圧最大
 ・83MHz 40dBステレオ信号受信
  ・IFT202調整 → 電圧最大
  ・IFT101調整 → 電圧最大 ※IFT101フロントエンド内
 ・RV201、RV202 回転範囲の中央位置に回す
 ・83MHz 80dBモノラル信号受信
  ・IFT203調整 → 歪最小へ
 ・83MHz 80dBステレオ信号受信
  ・IFT204調整 → 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・83MHz 20dB受信 → RV251調整 → ステレオインジケータ点灯
【MUTINGレベル調整】
 ・IF BAND = WIDE
  ・MUTING = ON
  ・83MHZ 25dB受信 → RV252調整 → MUTING作動位置へ
【IF NARROWゲイン調整】
 ・IF BAND = NARROW
 ・83MHz 80dB受信 → RV203調整 → NARROWゲイン調整
【Sメーター調整】
 ・83MHz受信 → RV241調整 → Sメーター点灯レベル調整
【パイロットキャンセル】
 ・83MHz ST信号受信 → RV303,L301調整 → 19kHz信号漏れ最小 ※左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・83MHz ST信号受信 → RV301 R→L ※調整後実測72dB
 ・83MHz ST信号受信 → RV302 L→R ※調整後実測66dB
【CAL TONE】
 ・Peak Level-6dB 395Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
 ・RV401 Sメーター調整
 ・RV402 AUTOSTOP調整

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■試聴---------------------------------------------------------------

 ・不調原因はFM同調点の大幅なズレでした。
 ・その他の調整ポイントも大きく外れていました。
 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。

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