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ROTEL RT-2000

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 ・2020年6月、ヤフオクで格安ジャンク品を入手しました。
 ・電源は入るがメーター振れず音も出ないという逸品です。
 ・ROTEL製品はフロントパネルのデザインがお気に入りなので何とか復活させたい、、
 ・以下、作業記録です。

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■製品情報------------------------------------------------------------

オーディオの足跡 ROTEL RT-2000 ¥60,000(1970年代後半頃?)
Hifi Engine Rotel RT-2000 Stereo Quartz PLL AM/FM Tuner (1978)

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・見た目は粗大ごみクラスでした。
 ・長期間放置されていたようで外観は経年の汚れがビッシリ、、
 ・ツマミやボタン、選局ノブも相当汚い。
 ・ボディ右サイド後部に凹み痕。本体を落下させたか?
 ・底面の足が4本とも無い。
 ・電源オン、周波数窓の照明点灯、二つのメーター照明点灯
 ・FM/AMとも何も受信しない。局間ノイズも出ない。
 ・これは全く動作していない状態か??
 ・いやな予感、、、ホントに粗大ごみかも?

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・Alps社製 FM5連、AM2連フロントエンド
 ・IF BAND切換 (Wide/Narrow)
 ・ LA1231 ×3個 (検波用、ミューティング用、チューニングロック用)
 ・HA11223W FM PLL-MPX
 ・uPC1178C AM Tuner
 ・タッチセンサー基板とチューニングロック基板が直立配置
 ・水晶発振器(10.7MHz)とIF信号(10.7MHz)を比較するクオーツロック式
 ・上位機RT-2100とほぼ同じ構成で、RT-2100には周波数デジタル表示機能が追加。

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■修理記録------------------------------------------------------------

 ・まずは電源回路の調査から。
 ・TP21の電圧を測定すると、、何と0v。
 ・原因は AC3,AC5(1A)2本のヒューズ切れでした。
 ・これを新品ヒューズに交換したところチューナー回路が動き出しました。
 ・ヒューズが2本も切れた原因は何だったのか??
 ・ちょっと気になりますが、ヒューズ交換後は正常動作しています。

■再び動作確認--------------------------------------------------------

 ・名古屋地区のFM局を受信しながら動作確認。
 ・Tメーター中点とSメーター最大点が一致しない。
 ・Sメーター最大点で約+0.2MHzの周波数ズレ。
 ・Wide/Narrow切換OK、Muting動作OK、LOCKランプ点灯、STEREOランプ点灯
 ・76MHz~80MHz区間で指針移動に伴う雑音発生。
 ・AMは背面バーアンテナで受信OK。

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■修理記録:徹底洗浄--------------------------------------------------

 ・とりあえず動作することが分かったので俄然やる気が出てきました。
 ・まずは粗大ごみクラスの外観を徹底洗浄。
 ・フロントパネルはバラバラに分解してツマミやノブを洗浄。
 ・チューニングつまみ、両サイドのハンドル部材はすべてアルミ無垢材でした。
 ・背面端子は全部外してマイクロ研磨。
 ・75Ωアンテナ端子が特殊形状なのでこれを一般的なF端子に交換。
 ・手持ち部品から適当なサイズの足を追加。
 ・アルミパネルがピカピカに輝く美しい状態によみがえりました。

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■修理記録:指針移動に伴う雑音----------------------------------------

 ・経験的にこれはフロントエンド内バリコン軸の接触不良が原因です。
 ・見てみると軸受け部分のグリスが緑青色に変色しています。
 ・爪楊枝の先端で丹念に除去してからコンタクトグリスを薄く塗布。
 ・これで指針移動に伴う雑音は解消しました。

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■修理記録:アンテナ端子交換----------------------------------------

 ・背面パネル、75ΩFMアンテナ端子が特殊形状です。
 ・そういえば過去に見たROTEL機も同じ特殊端子でした。
 ・これでは使いにくいので一般的なF端子に交換。

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■調整記録------------------------------------------------------------

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 ・海外版サービスマニュアルをベースにして調整手順を組み立てました。
  ・MUTING LOCK OFF
  ・HI-BLEND OFF
  ・MULTIPATH OFF
  ・IF=WIDE
  ・MODE=AUTO
  ・Tメーター電圧 → TP( L114左側2本のジャンパ線)
  ・Sメーター電圧 → VR102(Sメーター調整用)
【電源電圧調整】
 ・TP21~GND間 → 電圧計セット
 ・VR901調整 → +13V
【FM IFゼロバランス調整】
 ・入力信号なし(無信号)→ L114下部コア調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
 ・FUNCTION=FM MONO
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・指針 76MHzの位置にセット → 76MHz受信 → Lo調整 → Sメーター最大
 ・指針 90MHzの位置にセット → 90MHz受信 → TCo調整 → Sメーター最大
 ※Loがボンドで固められているので調整不可
 ※実際には以下の調整を実施
 ※指針 83MHzの位置にセット → 83MHz受信 → TCo調整 → Sメーター最大
【FM RF調整】
 ・76MHz受信 → LA,LR1,LR2 調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → TCA,TCR1,TCR2 調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → IFT調整 → Sメーター最大
【FM IFT調整】
 ・83MHz受信 → Sメーター最大となる位置に移動
 ・Tメーターが中点から外れていたらL114下部コア調整 → Tメーター中点
 ・83MHz受信 → L114上部コア調整 → 高調波歪最小
【FM Sメーター調整】
 ・83MHz受信 → VR102調整 → Sメーター振れ具合調整
 ※Sメーターが過敏に振れ過ぎ。故障かも?
【MUTING調整】
 ・83MHz受信 → Tメーターが中点を示す位置で受信
 ・IC104(LA1231)-7pin ~GND → DC電圧計セット
 ・L110調整 → 5.7V
 ・MUTING ON
 ・L110 → MUTING作動位置がTメーター中点を挟んで左右対称に
 ・20dB → VR101 → MUTING作動位置
【FM LOCK調整】
 ・83MHz受信 → Tメーターが中点を示す位置で受信
 ・IC105(LA1231)-7pin ~GND → DC電圧計セット
 ・L111調整 → 5.7V
 ・LOCK ON
 ・Tメーターが中点から外れた場合 → L111調整 → 中点へ
【IF BAND スイッチング調整】
 ・IF BAND WIDE
 ・IC103(LA1222)-2pin~GND → DC電圧計セット
 ・VR103調整 → +電圧が出現する位置
 ・この状態でIF BAND切換スイッチ → NARROW
 ・電圧計が0Vを示すことを確認
【パイロットキャンセル調整】
 ・FUNCTION=AUTO
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHzST受信 → VR105調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chバランス注意
【VCO調整】
 ・VR104横の抵抗R217(5.6kΩ) → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz無変調 → VR104調整 → 76kHz
【セパレーション調整】WIDE
 ・IF BAND WIDE
 ・83MHzST信号 → VR107調整 → 反対chへの漏れ信号最小
 ・L103調整 → STEREO歪最小
【セパレーション調整】NARROW
 ・IF BAND NARROW
 ・83MHzST信号 → VR106調整 → 反対chへの漏れ信号最小
 ・L102調整 → STEREO歪最小
【AM調整】
 ・AM基板 TP1 → 455kHz(400Hz,30%変調)直接注入
 ・L403,L401調整 → Sメーター最大
 ・ 600kHz受信 → L402(OSC),L002(バーアンテナ内)調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → CT6(OSC),CT5(ANT)調整 → Sメーター最大
 ・VR401調整 → Sメーター振れ具合調整

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■試聴----------------------------------------------------------------

 ・ROTEL機はフロントパネルに配された「斜めのアクセントライン」がお気に入りです。
 ・他社製品には無い独自のデザインポリシーを感じます。
 ・ピカピカに輝くアルミ製パネルとオレンジ照明窓が美しい、、自己満足、、

Re200012

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