・2014年3月、HOジャンクコーナーで買った故障品です。
・値札に「FM受信不可、AM受信OK」と書かれていました。
・パルスカウント検波搭載、故障原因は大体予想がつきます。
・税込み1,050円、消費税が上がる前にとりあえず確保しておきました。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 TRIO KT-990 ¥53,800円(1982年発売)
・KT-990 1号機の記録(KT-900との比較表あり)
■動作確認------------------------------------------------------------
・フロントパネルがグラグラして選局つまみと干渉している。
・ボディ全体は結構きれい。AMループアンテナ付き。
・電源オン、照明点灯、FMは何も受信しない、局間ノイズのみ。
・Sメーター、Tメーター点灯しない。
・AMは付属アンテナで受信OK。Sメーター点灯。
・ミューティング動作OK、WIDE/NARROW切替OK、AMは正常です。
■内部チェック--------------------------------------------------------
・FM4連AM2連バリコン
・パルスカウント検波:TR7020、TR4011
・MPX部:uPC1223C
・AM部 :LA1245
・LED DRIVER:AN6877
・フロントパネルとボディを繋ぐプラスチック部品が破損している。
・この破損は1号機と同じ症状。KT-900との共通弱点です。
・破損部分をボンドで接着した後、銀色テープで補強しました。
■FM修理--------------------------------------------------------------
・フロントエンド内のOSCトリマを回しても全く変化なし。
・FM不調の原因はやはりトリマの容量抜けですね。
・1号機と同様にフロントエンドユニット外側に新トリマー(青色10pF)を直付け。
・手前にある電解コンデンサを外すと作業がしやすい。
・下記受信調整によってばっちり受信できるようになりました。
■受信調整------------------------------------------------------------
・L4 TR7020クアドラチュア検波調整→ TP1~TP2間電圧ゼロ
・L6 TR4011パルスカウント検波調整→ TR4011-1ピン → 1.96MHz
・VR7 VCO調整→ TP3 76kHz
・VR6 パイロットキャンセル調整→ 19kHz漏れ信号最小
・VR4,5 Wide受信時セパレーション調整
・VR3 Narrow受信時セパレーション調整
・フロントエンド内IFT→ ステレオ受信時の高調波歪最小
・VR1:WIDE LEVEL
・VR2:REC CAL
・VR3:NARROW SEPARATION
・VR4:WIDE SEPARATION R
・VR5:WIDE SEPARATION L
・VR6:PILOT CANCEL
・VR7:VCO
■試聴---------------------------------------------------------------
・全面ガラス張りのデザインがとてもお洒落な機種です。
・前面が浮き上がるような照明効果は独特の雰囲気を醸し出しています。
・KT-990/KT-900のデザインはイイですね。
・薄暗い部屋でボーっと眺めているとステキな気分に浸れます。
・音はもちろんグッド。Wide側で聴くAMもなかなかです。