・2020年3月、KT-1100Dの故障品が届きました。
・以下、作業記録です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 KENWOOD KT-1100D ¥74,800(1987年頃)
・KENWOOD チューナーカタログ 1986年11月版
■動作確認------------------------------------------------------------
・FMアンテナを接続して電源オン。
・表示管点灯。文字欠けや輝度劣化は見られない。
・オート選局で名古屋地区のFM放送局を受信しようとすると、、
・上り方向、下り方向ともに放送周波数を通過して受信できない。
・通過するときにTメーター、Sメーターのセグメントは点灯する。
・しかし中点から右に二本ズレた位置の赤いバーがフル点灯。
・マニュアル選局では放送周波数±0.2MHz範囲でモノラル受信できる。
・ステレオ受信不可。STEREOインジケータ点灯せず。
・RF切替(DISTANVCE/DIRECT)OK。WIDE/NARROW切替OK。REC CAL OK。
・AM放送はオート選局、マニュアル選局とも正常に受信。
・検波回路のL9の調整ズレ、またはL9故障を予想しました。
■調整記録------------------------------------------------------------
【VT電圧】
・TP6~TP7 DC電圧計セット
・アンテナ入力なし
・76MHz → L14調整 → 3.0V±0.1V ※実測 2.8V
・90MHz → TC1調整 →25.0V±0.1V ※実測23.8V
【検波調整】
・TP10~TP11 DC電圧計セット
・83MHz受信 → L9調整 → 0.0V±10mV ★+1.05v
※VT電圧OK、しかしL9調整で電圧ゼロに設定できない → L9故障
■修理記録:検波回路基板交換-------------------------------------------
・L9が載っている検波回路基板を取り外す。
・補修済みのL9を搭載したKT-1100Dの検波基板に丸ごと交換。
・組み立てて通電すると、L9調整が出来るようになりました。
・取り外した基板はL9を補修して次回の修理に利用します。
■試聴----------------------------------------------------------------
・この機種の弱点は検波基板のL9ですね。
・交換と再調整によって良い性能を取り戻したと思います。