・2019年12月末、KT-8000の故障品が届きました。
・STEREOランプが点灯しないそうです。
・以下、作業記録です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・TRIO KT-8000 取扱説明書
・1976年 KT-9700 \150,000円 初のパルスカウント検波搭載機
・1977年 KT-9900 \200,000円 パルスカウント検波機の最高峰
・1977年 KT-8000 \ 69,800円 中級機で初のパルスカウント検波
・1978年 KT-8300 \ 63,000円 KT-8000の後継機。
■動作確認------------------------------------------------------------
・FM同軸ケーブルを接続して電源オン。
・周波数窓の照明点灯。LEDインジケーター点灯。
・名古屋地区のFM放送局を受信。
・SメーターとTメーターの動き方は正常。
・ただしご指摘のようにSTEREOインジケーターの点灯が不安定。
・点灯したり消灯したりと安定しない。
■内部確認------------------------------------------------------------
・ボディを開けて内部を確認しました。
・特に変わった箇所は無く、すべてオリジナル部品と思います。
・VCO調整VRを軽く回したところSTEREO点灯が安定しました。
・底板を外してハンダ面を見てみました。
・ハンダ面に抵抗や電解コンデンサが多数追加されています。
・過去に見たKT-8000もほぼ同じ状態でした。
・修理調整記録4に同じ状態の基板写真が掲載してあります。
・一方で 追加部品が全くないKT-8000 もありました。
・発売後に仕様変更があったようです。
■修理記録------------------------------------------------------------
・不調原因はMPX回路の調整ズレでした。
・以下の調整によって安定してSTEREO受信できるようになりました。
■予防措置------------------------------------------------------------
・部品の故障は無かったですが、
・KT-8000の過去の経験から以下の予防措置を実施しました。
・真っ黒に変色したICやTRの足をクリーニング。
・予防措置として HA1457 → HA1457W 交換。
■調整記録------------------------------------------------------------
【FM OSC調整】
・SSG 90MHz → TC7調整 → Sメーター最大
・SSG 76MHz → L7間隔調整 → Sメーター最大
※L7調整は難しいので83MHzの一点調整実施
【RF調整】
・SSG 90MHz → TC1~6調整 → Sメーター最大
・SSG 76MHz → L1~6調整 → Sメーター最大
・SSG 83MHz → L11調整 → Sメーター最大
【FM同調点(HA1137W)調整】
・SSG 83MHz → L14調整 → 本体Tメーター中央
【IF調整】
・IF BAND=Wide
・SSG 83MHz → L12調整 → Sメーター最大
・IF BAND=Narrow
・SSG 83MHz → L13調整 → Sメーター最大
【2nd IF調整】
・L16調整 → TPにて1.96MHz確認
【Sメーター調整】
・IF BAND=Wide → VR1調整 → Sメーターゼロ
・IF BAND=Narrow→ VR2調整 → Sメーターゼロ
・VR3:Sメーター振れ調整
【ノイズアンプ調整】
・D5 カソード側に電圧計セット
・離調時 → VR8調整 → 8.3V
・同調時 → 0V 確認のみ
【MPX部調整】
・VR7:パイロットキャンセル調整
・VR6:VCO調整 TP(R133前足)にて76kHz確認
・VR4、VR5:セパレーション調整
■試聴--------------------------------------------------------------
・電球色に映える周波数窓とアルミパネルのコントラストがイイですね。
・トリオ製チューナーの魅力です。