・2019年10月、続けて333ESXIIのメンテナンスを承りました。
・以下、作業記録です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESXII ¥49,800(1987年発売)
・SONY ES テクノロジーカタログ 1987年10月発行
・Hifi Engine ST-S730ES 海外版サービスマニュアル
■動作確認------------------------------------------------------------
・受信動作は正常だが、出てくる音が歪んでいるそうです。
・早速電源とアンテナを接続して動作確認。
・オート選局で名古屋地区のFM局を受信できます。
・シグナルメーター点灯、STEREOランプ点灯、IF BAND切換OK。
・MUTING動作OK、REC CALトーンOK、メモリ登録動作OK、
・受信動作は正常ですが、出てくる音が明らかに歪んでいます。
・AM放送は受信動作正常、出てくる音も正常です。
■内部確認------------------------------------------------------------
・多くの電解コンデンサーが交換済み。
・ハンダ面を見るとR245に並列にチップコンデンサ(容量不明)追加
・これはIFT205内蔵コンデンサーの容量抜け対策のようです。
■修理記録:音が歪む----------------------------------------
・WaveSpectraで基準音を再生すると酷い高調波歪が載っています。
・音声出力端子から遡って音声信号を拾い出し歪源を探す。
・IC301 CXA1064 18pin:Lch信号出力 → 歪あり
・IC301 CXA1064 20pin:Rch信号出力 → 歪あり
・IC301 CXA1064 23pin:検波信号入力 → 正常
・これは IC3:CXA1064自体の故障のようか?
・CXA1064=LA3450
・部品取り用に保管しているVictor FX-711からLA3450を取り外して移植。
・結果は正解、キレイな音が出るようになりました。
・CXA1064の故障は初体験です。
■調整記録------------------------------------------------------------
【FM同調点調整】
・IFT205調整 LA1235-7pin~10pin間電圧ゼロ ※調整前実測-38mV
【VT電圧調整】
・IC803-5pin電圧測定
・90MHz L104調整 21.0V±0.2V ※調整前実測21.2V
・76MHz 確認のみ 8.0V±1.0V ※調整前実測 8.0V
【SST回路調整】
・SST調整はVT電圧調整後、かつトラッキング調整前に行うこと
・76MHz受信 RT801調整 IC802-11pin電圧 → 0V 実測1.0mV
・90MHz受信 IC802-9pin電圧 → 14V確認 ※調整前実測14.0V
【トラッキング調整】
・IC203(LA1235)-13pin(又はRT204)電圧max
・76MHz L101,L102,L103
・90MHz CT101,CT102,CT103
【PLL検波調整】
・TP201をGNDに落とす
・IFT207調整 TP202 DC電圧ゼロ ※調整前実測-98mV
・CT201調整 歪最小
【IF歪調整】
・Wide受信、MUTINGオフ
・IC203(LA1235)-13pin電圧計セット
・RT202、RT203 時計回り一杯に回す
・SSG出力20dBモノラル信号送信
・IFT201調整 電圧最大へ
・IFT101調整 電圧最大へ
・SSG出力80dBにセット
・IFT203、RT202を交互に調整 歪最小へ
・SSG出力20dBにセット、Mutingオン
・IFT202調整 電圧計最大へ
・SSG出力80dBステレオ信号送信
・IFT204、RT203を交互に調整 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
・RT206 SSG出力20dBでステレオインジケータ点灯
【パイロットキャンセル】
・RT303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
・RT301 R→L ※調整後実測62dB
・RT302 L→R ※調整後実測60dB
【Sメーター調整】
・RT204
【MUTINGレベル調整】
・RT205
【CAL TONE】
・Peak Level-3.9dB 323Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
・RT401 Sメーター調整
・RT402 AUTOSTOP調整
■試聴---------------------------------------------------------------
・最近はICの故障事例が増えている気がします。
・製造から30年、さすがに寿命を迎えつつあるのでしょうか、、