・2019年8月末、ウッドケース付きのKT-5300を寄付していただきました。
・ウッドケースのおかげでステキな高級機に見えます。
・以下、整備記録です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・KT-5300 AM-FMステレオチューナー ¥29,800円
・外観は KT-7700、KT-5500 に似た印象はです。
・本機に関するネット情報はほとんどありません。
・1979年トリオ総合カタログから抜粋。
■動作確認------------------------------------------------------------
・外観は経年の汚れがあるものの、目立つキズはない。
・F型端子がないので300Ω端子にFMアンテナを接続して電源オン。
・周波数窓の照明点灯、二つのメーター照明点灯。球切れはない。
・名古屋地区のFM放送を受信。+0.3MHz程度の周波数ズレ
・Tメーター中点とSメーター最大点が一致しない。
・Sメーター最大点付近でSTEREOランプ点灯。
・MUTING動作OK。
・背面バーアンテナで名古屋地区のAM局を受信。
・Sメーターがほとんど振れない。
・FMは調整ズレ、AMは何か故障個所がありそうな予感。
■内部確認------------------------------------------------------------
・FM3連、AM2連のフロントエンドユニット → CF×2個 → QD検波
・KB4402 FM IF Amp ※HA1137W 同等品のようです。
・HA1156 FM STEREO DEMODULATOR
・HA1197 AM Tuner
・VR1 Sメーター
・VR2 VCO調整
・入門機らしく、とてもシンプルな構成。セパレーション調整VRもない。
■修理記録------------------------------------------------------------
・使われているICのうち HA1156と HA1197の足が真っ黒に変色。
・硬めの歯ブラシでゴシゴシ磨いてみました。
・磨いた結果、HA1197でAM受信感度が大幅に向上。
・HA1156では有意な効果なし。
■調整記録------------------------------------------------------------
【Tメーターオフセット調整】
・アンテナ入力なし → T5上段コア調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
・76MHz受信 → T3調整 → Sメーター最大
・90MHz受信 → CT1調整 → Sメーター最大
【RF調整】
・76MHz受信 → T1,T2調整 → Sメーター最大
・90MHz受信 → CT3,CT2調整 → Sメーター最大
・この調整作業を数回繰り返す。
【IFTコア調整】
・83MHz受信 → T4調整 → Sメーター最大
【検波調整】
・音声出力 → WaveSpectraに接続
・83MHz受信 → T5下段コア調整 → 高調波歪最小
【Sメーター振れ調整】
・83MHz受信 → VR1調整 → Sメーター振れ具合調整
【VCO調整】
・TP1 → 周波数カウンタ接続
・83MHz無変調 → VR2調整 → 19kHz
【AM調整】
・ 600kHz受信 → アンテナ内コイル、T6調整 → Sメーター最大
・1400kHz受信 → CT5,CT4調整 → Sメーター最大
■試聴----------------------------------------------------------------
・調整ポイントが少なくてセパレーション調整もありません。
・それでもFM/AMとも不満なく受信できます。
・ウッドケースに納まると豪華に見えるから不思議、、
■ウッドケース---------------------------------------------------------
・ウッドケースに納まると高級機に見えるから不思議、、