・2019年2月初め、KT-6050の修理調整作業を承りました。
・KT-6040の後継機という位置付けらしいです。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 KENWOOD KT-6050 ¥45,000(1993年頃)
・Hifi Engine KENWOOD KT-6050 AM/FM Stereo Tuner (1993-95)
■動作確認------------------------------------------------------------
・電源コードの印字1994。
・ボディ全体に細かい擦り傷と経年の汚れ。
・底面に点検口が無い。これは残念。
・A/B 2系統のF型FMアンテナ端子。
・電源オン。表示部点灯。文字は小さめだが、輝度劣化や欠けは無い。
・オート選局で名古屋地区のFM局を受信。周波数ズレなし。
・STEREOランプ点灯。実際のステレオ感あり。
・RF ATT切替OK、IF BAND切替OK、
・選局ツマミの回転に対する反応が良くない。逆方向にオート選局始める場合有。
・REC CALトーンOK、メモリボタンへの登録作業OK。
・手持ちの適当なAMループアンテナで受信テスト。
・オート選局で名古屋地区のAM局を受信。
・特にCBCラジオ(1053kHz)を受信したら STEREOランプ点灯!
・おお!これは貴重な AM STEREO対応機だ!
・いまだAM STEREO放送を続けているCBCラジオも稀少な放送局です。
・FM/AMとも基本動作はできているようです。
■内部確認------------------------------------------------------------
・FMフロントエンド=5連バリキャップ
・LA1267:FM/AM Tuner
・LA3450:PLL FM MPX
・MC13022A:AM STEREO DECODER
■調整記録----------------------------------------------------------
【VT電圧】
・アンテナ入力なし
・TP6~TP7 → DC電圧計セット
・76MHz → L42調整 → 3.0V±0.1V ※実測 2.9V
・90MHz → TC1調整 → 25.0V±0.2V ※実測 24.7V
【FM同調点調整】クアドラチュア検波
・TP1~TP2 → DC電圧計セット
・83MHz受信 → L35調整 → 0.0V±30mV ※実測+3.1V
【PLL検波調整】
・TP4~TP5 → DC電圧計セット
・83MHz受信 → L37調整 → 0.0V±15mV
【RF調整】
・VR17 → DC電圧計セット → Sメーター電圧
・83MHz受信 → L6,L7,L9,L11,L15調整 → 電圧最大
【IFT調整】
・VR17 → DC電圧計セット → Sメーター電圧
・83MHz受信 → L15,L40調整 → 電圧最大
【AUTO STOP調整】
・83MHz(1kHz,ST信号,20dB)→ VR 1調整 → dB表示=20dB、最下段セグメント点灯
・83MHz(1kHz,ST信号,70dB)→ VR17調整 → dB表示=70dB、最上段セグメント点灯
【歪調整1 WIDE MONO】
・83MHz(1kHz,80dB)→ VR6調整 → 歪率最小
・83MHz(1kHz,80dB)→ VR5調整 → 歪率最小(2nd)
・83MHz(1kHz,80dB)→ VR9調整 → 歪率最小(3rd)
【歪調整2 NARROW MONO】
・83MHz(1kHz,80dB)→ VR7調整 → 歪率最小(2nd)
・83MHz(1kHz,80dB)→ VR4調整 → 歪率最小(3rd)
【歪調整3 WIDE STEREO】
・83MHz(L/R信号,1kHz,80dB)→ VR12調整 → 歪率最小
・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ VR 8調整 → 歪率最小
【歪調整4 NARROW STEREO】
・83MHz(L/R信号,1kHz,80dB)→ VR11調整 → 歪率最小
・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ VR10調整 → 歪率最小
【PILOTキャンセル調整】
・音声出力をWaveSpectra接続
・83MHz(ST信号) → VR16調整 → 19kHz信号最小
※左右バランスに注意
【SEPARATION調整 WIDE】
・83MHz(1kHz,ST信号)→ VR14調整 → Rch漏れ信号最小
・83MHz(1kHz,ST信号)→ VR15調整 → Lch漏れ信号最小
【SEPARATION調整 NARROW】
・83MHz(1kHz,ST信号)→ VR13調整 → 反対ch漏れ信号最小
【AM VT電圧調整】
・TP6~TP7 → DC電圧計セット
・1602kHz受信 → L33(赤)調整 → 14.0V ※実測13.8V
・ 531kHz受信 → 2.5V ※確認のみ 2.4V
【AM 受信調整】
・999kHz受信 → L33(黒)調整 → シグナルメーター最大
【AM AUTO STOP調整】
・999kHz 20dB受信 → VR2調整 → dB表示=20dB、最下段セグメント点灯
■試聴----------------------------------------------------------------
・曲線デザインのフロントパネルが1990年代の製品らしい印象です。
・補完放送が始まったのでAMステレオ放送はもはや用済みですね。
・CBCラジオはいつまで続けてくれるのでしょう。
・もしかしたら受信機の方が先に姿を消すかも?