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Accuphase T-106 修理調整記録

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 ・2018年8月、ブラックボディのT-106をお預かりしました。
 ・メーター内側も黒色なので、とても精悍な印象です。

T10604

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Accuphase T-106 ¥145,000(1984年1月発売)
 ・Hifi Engine Accuphase T-106 AM/FM Stereo Tuner

T10602T10612

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外装に目立つキズなし。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・メーター照明点灯、周波数表示点灯。
 ・周波数ツマミを回すとFM=0.1MHz単位、AM=9kHz単位で周波数が変化する。
 ・周波数の変化に応じて「ピッ」「ピッ」と電子音が鳴る。
 ・左側メーター:MULTIPATH/DEVIATION(切換式)、右側メーター:SIGNAL
 ・Tメーター代わりに[TUNED]点灯。[STEREO]点灯。
 ・周波数ズレなく名古屋地区のFM放送局を正常に受信。
 ・IF BAND切替(NARROW/NORMAL)OK、MUTING動作OK。
 ・MULTIPATHメーターが常時100%付近を示す。
 ・背面の純正ループアンテナで名古屋地区のAM放送を受信。
 ・高い周波数CBCラジオ(1053kHz)と東海ラジオ(1332kHz)はかろうじて聴ける。
 ・一方で低い周波数 NHK2局(729kHz,909kHz)は受信できない
 ・SIDE BAND SELECTORスイッチを切換ても効果なし。
 ・調整ズレか?どこか故障か?
 ・メモリー登録はFM/AMともOK。
 ・可変出力VRにガリ無し。

T10605T10606T10607T10608T10609
T10611T10613T10614T10615T10616

■内部確認------------------------------------------------

 ・VR1 NARROW GAIN
 ・VR2 S-METER MAX
 ・VR3 S-METER MIN
 ・VR4 76K VCO
 ・VR5 PILOT CANCEL
 ・VR6 SEPARATION
 ・VR7 SIGNAL MUTE
 ・VR8 TUNE MUTE
 ・VR9 MOD
 ・VR201 METER
 ・VR202 記載なし
【電圧確認】
 ・+15 → +14.7v
 ・+ 5 → +4.95v
 ・+5.6→ +5.70v

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■調整記録------------------------------------------------

●FM部
【本体設定】
 ・MUTING OFF
 ・FILTER OFF
 ・SELECTIVITY NARROW
【VT電圧】
 ・フロントエンド右端端子(写真参照)~GND DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → OSCコイル(L6)調整 → 2.6v → 3.0v
 ・90MHz → OSCトリマ(TC6)調整 → 19.4v → 20.8v
【RF調整】※フロントエンド内部調整
 ・76MHz 無変調 40dB → L1,L2,L3,L4,L5調整 → Sメーター最大
 ・90MHz 無変調 40dB → TC1,TC2,TC3,TC4,TC5調整 → Sメーター最大
 ・83MHz 無変調 40dB → IFT調整 → Sメーター最大
【検波調整】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz 80dB → T2調整 → 高調波歪最小
 ・83MHz 80dB → T1調整 → 高調波歪最小
【IF GAIN調整】
 ・83MHz 60dB → VR1調整 → NORMAL/NARROWでSメーター振れ同じ
【SIGNAL METER調整】
 ・83MHz  40dB → VR2調整 → Sメーター= 40
 ・83MHz 100dB → VR3調整 → Sメーター=100
【MUTING調整】
 ・MUTING OFF
 ・83MHz 20dB → VR7調整 → 30dBで正常音声が聴こえる位置
 ・83MHz 20dB → VR8調整 → 20dBでMUTINGが作動する位置
 ※VR7,VR8の調整は慎重に。
【STEREO歪調整】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz 80dB → IFT調整 → 高調波歪最小
【MPX VCO調整】
 ・TP9に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR12調整 → 76kHz
【PILOT CANCEL調整】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz ST変調 80dB → T3,VR5調整 → 19kHz信号最小
【SEPARATION調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・83MHz(R/L信号,1kHz 80dB)→ VR6調整 → もれ信号最小
【DEVIATION調整】
 ・83MHz(STEREO 100%変調)→ VR9調整 → DEVメーター100%
●AM部
【VT電圧】
 ・J3~GND DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・ 522kHz → T205調整 → 0.9V → 1.5v
 ・1611kHz → VC1調整 → 19.6v → 21.8v
【RF調整】
 ・ 522kHz → T201,T202調整 → Sメーター最大
 ・1611kHz → VC3,VC2調整 → Sメーター最大
 ・ 999kHz → T203調整 → Sメーター最大
 ・ 999kHz → T204,VC4調整 → 歪み最小
【Sメーター調整】
 ・VR201 メーター振れ調整
【AM同期検波位相調整】
 ・TP204、TP205をWavespectra接続
 ・ 999kHz(1kHz)受信 → VR202調整 → リサージュ波形を正円に
 ※同期検波の調整方法は試行錯誤の結果です。間違っているかも?

T106

 ※AMの上限周波数が前回1号機は1629kHz、今回2号機は1611kHzでした。
 ※上記調整後もマルチパスメーターが常時100%付近を示します。
 ※マルチパスメーターの調整方法が分かりません?故障かも?

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・AM不調の原因は調整ポイントの大幅なズレでした。
 ・経年劣化によるものか?人為的なものかは分かりません。
 ・AM外部アンテナを工夫するとシンクロナス検波の真価が発揮されそうです。
 ・ウッドケースと組み合わせると個性的なフロントマスクになりますね。

T10610


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