・2018年5月初め、T-X500の故障機が届きました。
・初体験機種です。
■製品情報-----------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 VICTOR T-X500 ¥39,800(1984年11月発売)
■動作確認------------------------------------------------------------
・F型端子にFM同軸ケーブル接続して受信確認。
・オート選局ではすべてのFM放送局を素通りして受信不可。
・マニュアル選局でFM放送を受信するがSTEREOランプ点灯せず。
・AM放送は背面ループアンテナで受信OK。オートチューニング可能。
・メモリー登録できるが、電源コンセントを抜くと消失する。
■内部確認-------------------------------------------------------------
・5連バリキャップの豪華フロントエンド
・CF×2個 → LA1235 → LA3400
・LA1235 → クアドラチュア検波、MUTING、Sメーター
・LA3400 → PLL-MPX
・LA1245 → AMチューナーシステム
■調整記録-------------------------------------------------------------
・資料がないので回路構成を追いながら調整方法を模索しました。
【VT電圧調整】
・TP501 → 電圧計セット
・90MHz → TC104調整 → 22.5V ※確認のみ
・76MHz → L104調整 → 7.3V ※確認のみ
【FM同調点調整】
・TP101 → DC電圧計セット
・83MHz受信 → T102(奥側)コア調整 → 電圧ゼロ 実測-655mV
・83MHz受信 → T102(前側)コア調整 → 高調波歪最小
▲T102(奥側)で電圧ゼロ調整できない
【トラッキング調整】
・IC101:LA1235-13pin → DC電圧計セット
・90MHz → TC101,102,103,105調整 → 電圧最大
・76MHz → L101,102,103,105調整 → 電圧最大
・83MHz → T101調整 → 電圧最大
■修理記録------------------------------------------------------------
・FM同調点調整でT102(奥側)コアで電圧ゼロに調整できない。
・同調点が検出できないのでオート選局が動作しない。
・原因はT102内部のコンデンサー容量抜けか?
・本機には底面点検口がないので、基板を外して裏返す必要があります。
・試しに温度補償型コンデンサー22pFを基板面に直付け。
・これによってFM同調点のゼロ点調整が出来ました。
・オート選局で受信できるようになりました。
・基板を外したついでにメモリー保持用のキャパシタを交換しました。
■調整記録------------------------------------------------------------
【FM同調点調整】
・TP101 → DC電圧計セット
・83MHz受信 → T102(奥側)コア調整 → 電圧ゼロ
・83MHz受信 → T102(前側)コア調整 → 高調波歪最小
【セパレーション調整】
・83MHzステレオ受信 → R171調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【Sメーター調整】
・83MHz受信 → R156調整 → Sメーター(dB表示)調整
・dB表示の精度はあまり良くないです。
・50~70dB辺りが正しく表示されるように調整しました。
・それでも目安程度です。
【Muting調整】
・83MHz受信 → R155調整 → Muting動作設定
【AM調整】
・R313 → DC電圧計セット
・ 729kHz(NHK)受信 → T301調整 → 電圧最大
・1332KHZ(東海)受信 → TC301,TC302調整 → 電圧最大
・R313調整 → Sメーター(dB表示)調整
■試聴---------------------------------------------------------------
・最近検波回路の故障、特にコンデンサの容量抜けによく遭遇します。
・製造から30年超ですからそろそろ部品の寿命でしょうか。