・2018年3月初め、部品取り目的でジャンク機を入手しました。
・「通電のみ確認」という格安品でしたが幸いにも正常動作しました。
・以下、分解前に一通り調整した記録です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 KENWOOD KT-V990 ¥59,800(1987年頃)
・KENWOOD KT-990D 回路図
■動作確認------------------------------------------------------------
・目立つキズもなく外観の状態は良いです。
・アンテナを接続して電源オン。
・FL管点灯。明るさは十分。文字痩せ、文字欠けなし。
・オート選局で名古屋地区のFM放送局を正常に受信しました。
・バー表示タイプのTメーター、Sメーターの動作OK。周波数ズレなし。
・STEREOランプ点灯OK。
・RF切替(LOCAL/DISTANCE)、IF切替(WIDE/NARROW)OK。
・REC CALトーンOK。
・純正ループアンテナで名古屋地区のAM放送を受信できました。
・基本的な動作に不具合は無さそうです。
■内部確認------------------------------------------------------------
・LA1231N FM IF System
・LA3350 PLL MPX
・LA1245 AM Tuner
■調整記録------------------------------------------------------------
【本体設定】
・ACTIVE RECEPTION OFF
・RF SELECTOR DISTANCE
・IF BAND WIDE
●FM部
【VT電圧】
・TP3~TP4 DC電圧計セット
・アンテナ入力なし
・76MHz → L14調整 → 確認のみ※実測3.1V
・90MHz → TC1調整 → 確認のみ※実測25.0V
【FM同調点調整】
・TP5~TP6 DC電圧計セット
・83MHz(無変調,80dB)受信 → L9調整 → 0.0V
【RF調整】
・D42(検波基板CN3 4ピン)DC電圧計セット
・83MHz(無変調,40dB)→ L1,L4,L7,L10 調整 → 電圧最大
【IFT調整】
・D42(検波基板CN3 4ピン)DC電圧計セット
・83MHz(無変調,40dB)→ L17調整 → 電圧最大
【PLL検波調整】
・TP7~TP8 DC電圧計セット
・83MHz(無変調,80dB)受信 → L12調整 → 0.0V
・83MHz(無変調,80dB)受信 → L11調整 → 0.0V
【MPX VCO調整】
・TP20に周波数カウンタ接続
・83MHz(無変調,80dB) → VR3調整 → 19kHz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
・音声出力をWavespectraで観察
・83MHz(SUB信号,80dB)→ L33調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DET】※DCC基板
・83MHz(MONO信号,400Hz,100%変調,80dB)→ VR3調整 → 歪率最小
【歪調整2 MONO】※DCC基板
・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR4調整 → 歪率最小
【歪調整3 MONO】※DCC基板
・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dBu)→ VR6調整 → 歪率最小
【歪調整4 STEREO/L】※DCC基板
・83MHz(L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR5調整 → 歪率最小
【歪調整5 STEREO/SUB】※DCC基板
・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR7調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整】
・83MHz(R信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR4調整 → Lchもれ最小
・83MHz(L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR5調整 → Rchもれ最小
●AM部
【VT電圧】
・TP3~TP4 DC電圧計セット
・ 531kHz → L26調整 → 確認のみ※実測1.4V
・1602kHz → TC2調整 → 確認のみ※実測8.0V
【受信簡易調整】
・ 729kHz(NHK第一)→ L27調整 → シグナルメーター最大
・1332kHz(東海ラジオ)→ TC3調整 → シグナルメーター最大
・1053kHz(CBCラジオ)→ L28調整 → シグナルメーター最大
■試聴----------------------------------------------------------------
・RF=DISTANCEでの受信感度は抜群に良好です。
・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。
■分解記録------------------------------------------------------------
・検波基板と歪補正回路が載ったDCC基板を取り出しました。
・どちらもKT-7020と同じものでした。
・ただD-3300Tの基板とは微妙な相違点があります。
・なかなか楽しい勉強材料です。