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SONY ST-S333ESXII 修理調整記録7

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 ・2017年9月、333ESXIIの修理調整を承りました。
 ・333ESシリーズの原点ともいえる名機です。
 ・以下、作業内容のご報告です。

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■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESXII ¥49,800(1987年発売)
 ・SONY ES テクノロジーカタログ 1987年10月発行
 ・Hifi Engine ST-S730ES 海外版サービスマニュアル

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・天板、フロントパネル、サイドウッドともほぼ無傷。
 ・放熱口から内部を覗くと大量のホコリが堆積している。
 ・オート選局で-0.2MHzの周波数で名古屋地区FM局を受信。
 ・IF BAND切替OK。MUTING動作OK。STEREOランプ点灯。
 ・CAL TONE出力 OK。
 ・FM放送は聴けるが、サ行の発音が割れる状態。
 ・手持ちのループアンテナでAM受信確認OK。
 ・チューニングつまみがグラグラ状態。

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■内部確認------------------------------------------------------------

 ・放熱口から見えたように大量のホコリが堆積している。
 ・エアーでホコリを飛ばして内部清掃。
 ・復調回路IC:CX1064
 ・最終オーディオ回路LPF:アクティブ型

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■修理記録:チューニングつまみ修正------------------------------------

 ・チューニングつまみがグラグラ状態。
 ・フロントパネルを外し確認。
 ・つまみの軸を固定するナットが緩んでいる。
 ・これをスパナで増し締めして完了。

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■修理記録・ハンダクラック修正----------------------------------------

 ・ハンダ面を確認してハンダクラックを数カ所発見。
 ・不具合としては発症していませんが予防措置としてクラック箇所を修正。

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・IFT205調整 LA1235-7pin~10pin間電圧ゼロ ※調整前実測-2.45V
 【VT電圧調整】
 ・IC803-5pin電圧測定
 ・90MHz L104調整 21.0V±0.2V ※調整前実測21.1V
 ・76MHz 確認のみ 8.0V±1.0V ※調整前実測7.9V
【SST回路調整】
 ・SST調整はVT電圧調整後、かつトラッキング調整前に行うこと
 ・76MHz受信 RT801調整 IC802-11pin電圧 → 0V 実測1.2mV
 ・90MHz受信 IC802-9pin電圧 → 14V確認 ※調整前実測14.1V
【トラッキング調整】
 ・IC203(LA1235)-13pin(又はRT204)電圧max
 ・76MHz L101,L102,L103
 ・90MHz CT101,CT102,CT103
【PLL検波調整】
 ・TP201をGNDに落とす
 ・IFT207調整 TP202 DC電圧ゼロ ※調整前実測-625mV
 ・CT201調整 歪最小
【IF歪調整】
 ・Wide受信、MUTINGオフ
 ・IC203(LA1235)-13pin電圧計セット
 ・RT202、RT203 時計回り一杯に回す
 ・SSG出力20dBモノラル信号送信
  ・IFT201調整 電圧最大へ
  ・IFT101調整 電圧最大へ
 ・SSG出力80dBにセット
  ・IFT203、RT202を交互に調整 歪最小へ
 ・SSG出力20dBにセット、Mutingオン
  ・IFT202調整 電圧計最大へ
 ・SSG出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT204、RT203を交互に調整 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・RT206 SSG出力20dBでステレオインジケータ点灯
【パイロットキャンセル】
 ・RT303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・RT301 R→L ※調整後実測63dB
 ・RT302 L→R ※調整後実測66dB
【Sメーター調整】
 ・RT204
【MUTINGレベル調整】
 ・RT205
【CAL TONE】
 ・Peak Level-4.2dB 298Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
 ・RT401 Sメーター調整
 ・RT402 AUTOSTOP調整

<調整結果>
 ・FM同調点が大きく外れていていました。
 ・PLL検波調整にズレが大きかったです。
 ・セパレーション値も大幅に改善しました。

■修理記録・PLL検波 CT201交換----------------------------------------

 ・調整後の試聴で更なる不具合を確認。
 ・不定期に「ガサゴソ」という雑音が発生します。
 ・ゴキブリが紙の上を這っているような不快な音が音声に被る状態です。
 ・これは経験的にPLL検波回路にある CT201 の劣化が怪しい感じ。
 ・CT201(容量不明)を20PFの赤色トリマに交換。
 ・回路図やパーツリストにCT201の容量記載ありませんが 20pFでよさそうです。
 ・交換後、再度調整実施。
 ・1週間に渡って動作確認していますが不快な雑音は解消したようです。

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■試聴---------------------------------------------------------------

 ・再調整によってFM/AMとも良い性能を取り戻したと思います。
 ・1987年発売、もう30年も前になるんですね、、
 ・当時は ESXII → ESG → ESA → ESJ → 5ES と新製品を買い替えていました。
 ・何ともバブリーなオーディオ全盛期でした。

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