・2017年6月、ヤフオクでST-4950のジャンク品を入手しました。
・通電未確認でしたが、商品写真をよく見ると周波数の目盛りは崩れていない模様。
・実は、周波数の数字や目盛りが綺麗に残っているガラス板が欲しかった。
・夏休み、まずは使える状態にまで整備してみました。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 SONY ST-4950 ¥69,800(1976年頃)
・Hifi Engine SONY ST-4950 AM/FM Stereo Tuner (1975-77)
■動作確認------------------------------------------------------------
・電源コードの印字 → 1973
・経年の汚れはあるものの、ボディに目立つキズはない。
・電源を接続してスイッチオン、、緑色の周波数窓が浮かび上がる。
・心配していた周波数目盛りや数字にダメージ無し、これはラッキー!
・75Ω端子にFMアンテナを接続して名古屋地区のFM局を受信OK。
・+0.2MHz程度の周波数ズレ。
・Tメーター中点とSメーター最大が一致しない。
・STEREOランプの点灯が不安定。点灯したり点灯しなかったり。
・MUTING動作OK。
・AM放送は背面バーアンテナで名古屋地区のAM局を受信しました。
・問題点はFMの周波数ズレとステレオ分離周辺。
■内部確認------------------------------------------------------------
・FM4連、AM2連バリコン → レシオ検波 → HA1156
・IFバンド Narrow/Wide切り替えなし
・RT201:Muting調整
・RT202:Sメーター振れ調整
・RT203:Mutingバランス調整
・RT301:VCO調整
・RT302:出力レベル調整Lch
・RT303:出力レベル調整Rch
・RT501:セパレーション調整
・周波数窓の照明方法や基板構成は先代の ST-5130,5140,5150とよく似ている。
・先代のMPX部をIC化(HA1156)でグレードアップした構成です。
・さらに、先代では視認しずらかったダイヤル指針は赤く光るタイプに変更。
・フロントパネル裏側の印字「49.10.49」 昭和49年(1974年)10月49日?
・数多く分解した経験の中で日付として読めない初ケースでした。
■調整記録------------------------------------------------------------
※参考資料:ST-5950サービスマニュアル
【レシオ検波調整】
・アンテナ入力なし → IFT201左コア調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
・ダイヤル指針を周波数目盛り83位置にセット
・83MHz受信 → CT104調整 → Sメーター最大
※特殊なOSC回路を備えていますが調整できないので簡易法で対応
【FMトラッキング調整】
・76MHz受信 → L101,L102,L103調整 → Sメーター最大
・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103調整 → Sメーター最大
・83MHz受信 → IFT101調整 → Sメーター最大
【検波歪調整】
・音声出力をWaveSpectraで観測
・83MHz受信 → IFT201右コア調整 → 高調波歪最小
【ミューティング調整】
・83MHz受信 → RT201調整 → ミューティング作動レベル調整
・83MHz受信 → RT203調整 → ミューティングバランス調整※
※バランス調整
ミューティングが作動するポイントをTメーター左右対称になるように調整
【Sメーター振れ調整】
・83MHz受信 → RT202調整 → Sメーター最大振れ調整
【VCO調整】
・IC301 HA1156 10ピンに周波数カウンタ接続
・アンテナ入力なし → RT301調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
・83MHz受信 → RT501調整 → 左右chの漏れ信号最小
【オーディオレベル調整】
・RT302、RT303 左右信号レベルを揃える。
【AM調整】
・ダイヤル指針を600kHz位置にセット
・600kHz受信 → L402調整 → Sメーター最大
・600kHz受信 → バーアンテナ内L401調整 → Sメーター最大
・ダイヤル指針を1400kHz位置にセット
・1400kHz受信 → CT402調整 → Sメーター最大
・1400kHz受信 → CT401調整 → Sメーター最大
■試聴----------------------------------------------------------------
・緑色に浮かび上がる周波数窓とふたつのメーターがイイ感じです。
・赤く光るタイプに変更されたダイヤル指針が好印象。
・納得できる一台に仕上がりました、、でも解体予定。