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KENWOOD KT-1100D 修理調整記録4

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 ・2017年5月、KT-1100Dの修理調整を承りました。
 ・KENWOODサービスで修理不可となったそうです。
 ・「部品入手不可により性能維持が困難なため返却します。」
 ・さて、どこが故障しているのでしょう?

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■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-1100D ¥74,800(1987年頃)
 ・KENWOOD チューナーカタログ 1986年11月版
  ※KT-1100Dの他に D-3300T、KT-1010F、KT-880Fが載っています。

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル、ボディとも状態はとても良いです。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・表示管がキレイに点灯。文字欠け、文字痩せなし。
 ・オート/マニュアル選局で名古屋地区のFM局を受信。周波数ズレなし。
 ・Tメーター、Sメーターのセグメント点灯。STEREOランプ点灯。
 ・WIDE/NARROW切替OK。REC CAL OK。メモリボタン動作OK。
 ・各種ボタン操作に軽快に反応する。切替動作正常。
 ・付属AMループアンテナでAM放送の受信確認。
 ・AM放送はオート選局で正常に受信。IFバンド切換で音質変化OK。
 ・電源プラグを抜いて5日後でもメモリ保持していました。
 ・故障しているとは思えない状態です。

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■内部確認------------------------------------------------------------

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■修理記録------------------------------------------------------------

 ・FMアンテナ端子がちょっと変形しています。
 ・Fプラグが入りにくいのでジャンク品から部品取りしてあった端子に交換。

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■調整記録------------------------------------------------------------

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【本体設定】
 ・RF SELECTOR:NORMAL
 ・IF BAND:WIDE
【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L14調整 → 3.0V±0.1V ※実測 3.1V
 ・90MHz → TC1調整 →25.0V±0.1V ※実測24.6V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L9調整 → 0.0V±10mV ※実測+63mV
 ・TP12~TP13 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L12調整 → 0.0V±10mV ※実測+334mV
【RF調整】
 ・R67左側 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L1,L4,L7,L18調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・R64右側端子 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ L10調整 → 電圧最大
【AUTO STOP=MUTING調整】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ VR1調整
【TUNING METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【SIGNAL METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR3調整 → ※
  ※バーグラフの点灯レベル調整
【MPX VCO調整】
 ・TP14に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR4調整 → 19.00kHz±50Hz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ L25調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DET】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR3:DET調整 → 二次歪最小
【歪調整2 MONO2】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR4:MONO2調整 → 二次歪最小
【歪調整3 MONO3】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR6:MONO3調整 → 三次歪最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,80dB)→ VR5調整 → 二次歪最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ VR7調整 → 三次歪最小
【歪調整6 NARROW】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz.80dB)→ VR2調整 → 二次歪最小
【SEPARATION調整 WIDE】
 ・IF BAND:WIDE
 ・83MHz(R信号,1kHz,80dB)→ VR2調整 → L信号もれ最小
 ・83MHz(L信号,1kHz,80dB)→ VR3調整 → R信号もれ最小
【SEPARATION調整 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR1調整 → 信号もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・83MHz(mono信号,1kHz,100%変調)→ 本体左側小基板VR4調整 → 100%位置
【AM簡易調整】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・531kHz → L20調整 → 実測 2.8V 確認のみ
 ・1629kHz→ TC2調整 → 実測 8.1V 確認のみ
 ・ 729kHz NHK第一放送受信 → L21調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信  → TC3調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz CBCラジオ受信  → L22調整 → Sメーター最大

■調整作業で気になった点-------------------------------------------

【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L9調整 → 0.0V±10mV ※実測+63mV
 ・TP12~TP13 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L12調整 → 0.0V±10mV ※実測+334mV

 ・L9調整はピタリと決まります。
 ・一方で L12(PLL検波)調整がピタリと決まらないです。
 ・KENWOODサービスの指摘事項はL12のことでしょうか。

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■試聴----------------------------------------------------------------

 ・調整直後の状態なら全く違和感なく使えます。
 ・L9が正常なので周波数表示でのズレは発生しません。
 ・L12のズレが酷くなると音質劣化として耳で分かるようになると思います。
 ・ジャンク機から部品取りするか、L12裏面にコンデンサを追加するか。
 ・バリコンチューナーに比べればまだ新しい機種のような気がしますが、
 ・でも製造から30年も経つのですね。
 ・部品取り候補機:KT-1100D、KT-2020、KT-990V

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