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SANSUI TU-S707X 修理調整記録4

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 ・2015年11月、SANSUI TU-S707Xの故障品が届きました。
 ・電源コードが切断された状態です。
 ・さて、直せるか??

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■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SANSUI TU-S707X ¥54,800(1984年発売)
 ・オーディオ懐古録 SANSUI TU-S707X ¥54,800
 ・Hifi Engine TU-S77X ※回路図あり

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・まずは電源コードを交換して電源オン。
 ・FM/AMとも周波数が表示される。輝度OK。文字瘠せなし。
 ・UP/DOWNボタンに反応して周波数が上下に変化する。
 ・RFセレクタ、IF切換に応じてインジケーター点灯。
 ・REC CALトーンOK。メモリ登録OK。
 ・ところがFM局もAM局もを全く受信しない。局間ノイズのみ。
 ・これは本格的に壊れていますね、、

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■修理記録:FMトリマ交換----------------------------------------------

【VT電圧確認】
 ・フロントエンド内[VT-GND]に直流電圧計接続
 ・90MHz時の電圧=実測値24.5V → TC5調整 → 全く変化せず
 ・76MHz時の電圧=実測値24.5V → 全く変化せず
 ・OSCトリマTC5を回してもVT電圧が全く変化しない。

【OSCトリマ交換】
 ・OSCトリマの容量抜けならよくある故障事例です。
 ・フロントエンドユニットを外して新品の青色トリマ(10pF)に交換。
 ・これで直るかと思ったら、、、残念。
 ・90MHz時の電圧=実測値24.5V → TC5調整 → 全く変化せず
 ・76MHz時の電圧=実測値24.5V → 全く変化せず
 ・FMだけでなくAMも全く受信できないので原因は別にありそう。

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■修理記録:コントロールIC交換----------------------------------------

【TC9147BP交換】
 ・回路図を追いながらVT電圧が変化しない原因を探す。
 ・コントロールICのTC9147BP周辺の電解コンデンサやトランジスタをいくつか交換。
 ・しかし全く効果なし。これはTC9147BP自体が壊れているか?
 ・部品取り用のPIONEER F-120Dから同じTC9147BPを外して移植。
 ・FMのVT電圧が動き出して受信できるようになりました。
  ・90MHz時の電圧=実測値24.5V → TC5調整 → 23.0V
  ・76MHz時の電圧=実測値24.5V → 3.2V
 ・このICの故障は初体験です!

【リチウム電池交換】
 ・TC9147BP横にあるメモリ保持用リチウム電池が何故か外れています。
 ・でも電池が無い状態でもメモリ登録は可能でした。
 ・登録した内容は電源を抜いて2日後も保持していました。
 ・電池は無くても短期間なら2200uFの電解コンデンサが機能するようです。
 ・SANYO CR2430 3V、基板取付用に金属タグが付いているタイプ。
 ・部品取り用に保管しているTU-S7707Xから電池を外して移植。
 ・取り付ける前に電圧測定すると何とまだ3Vを示していました。

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■調整記録------------------------------------------------------------

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【本体正面・機能切替ボタン設定】
 ・FM MODE=MONO
 ・IF BAND=WIDE
 ・RF MODE=DX
【VT電圧確認】
 ・フロントエンド内[VT-GND]に直流電圧計接続
 ・90MHz時の電圧 → TC5調整 → 23.0V
 ・76MHz時の電圧 → 3.1V
【フロントエンド調整】
 ・IC3[HA12412] 13pin-GNDに直流電圧計接続
 ・SSG 83MHz、1kHz、100%変調、50dB
 ・受信周波数83MHzの位置でトリマコンデンサTC1,TC2,TC3,TC4調整 → 電圧最大値
 ・上記作業を数回繰り返す
  ※コイルL1,L2,L3,L4の間隔調整は難しいのでパス。
【IFTコイル調整】
 ・IC3[HA12412] 13pin-GNDにDC電圧計接続
 ・SSG 83MHz、1kHz、100%変調、30dB
 ・フロントエンド内IFTコイル調整 → 電圧最大値
 ・RF基板上の[T1]を調整 → 最大電圧
 ・IF BAND=NARROWに切り替え → 電圧値測定
 ・IF BAND=WIDEに戻して電圧測定 → VR2[WIDE GAIN]調整 → NARROW時と同じ電圧
【FM同調点の調整】
 ・[TP1-TP2] DC電圧計接続
 ・無信号状態でT2のIC側コアを調整 → 電圧=0V±30mVに。※調整前約580mV
 ・SSG 83MHz、1kHz、100%変調、60dB
 ・T2のIC反対側コアを調整 → 二次高調波最小
 ・上記作業を数回繰り返す
【FM LOCKED LEVEL調整】
 ・SSG 83MHz、1kHz 100%変調、30dB
 ・VR4[FM SIGNAL]を調整 → 本体正面[LOCKED]オレンジ色LEDが全灯する位置
【REC Level】
 ・VR5調整 460kHz -6dB
【本体正面・機能切替ボタン設定】
 ・FM MODE=STEREO
【VCO フリーラン周波数調整】
 ・SSG 83MHz、無変調、60dB
 ・TP1-TP4にDC電圧計接続 → VR105[OFFSET VCO]調整 → 電圧=0V±0.05V
 ・TP3[VCO]-GNDに周波数カウンター接続 → L101調整 → 304.000kHz
【PILOT OFFSET調整】
 ・SSG 83MHz、無変調、60dB
 ・TP2-TP5に直流電圧計接続 → VR104[PILOT OFFSET]調整 → 電圧=0V±0.1V
 ・SSG 83MHz、60dB、19kHzPILOT信号ON → ステレオランプ点灯を確認
【PILOT CANCEL調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・SSG 83MHz、60dB、19kHzPILOT信号ON
 ・本体正面のステレオランプ点灯を確認。
 ・L100、VR103L調整 → Lch波形観察 → 19kHz信号最小
 ・VR106、VR103R調整 → Rch波形観察 → 19kHz信号最小
【IF BAND=WIDE セパレーション調整】
 ・SSG 83MHz、1kHz 100%変調、70dB、Rchのみ信号、PILOT信号ON
 ・VR102L調整 → ※調整後実測62.2dB
 ・SSG 83MHz、1kHz 100%変調、70dB、Lchのみ信号、PILOT信号ON
 ・VR102R調整 → ※調整後実測64.2dB
【IF BAND=NARROW セパレーション調整】
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・SSG 83MHz、1kHz 100%変調、70dB、Rchのみ信号、PILOT信号ON
 ・VR101L調整 → ※調整後実測62.2dB
 ・SSG 83MHz、1kHz 100%変調、70dB、Lchのみ信号、PILOT信号ON
 ・VR101R調整 → ※調整後実測62.2dB
【MUTING LEVEL調整】右側RF基板
 ・音声出力をWaveSpectraに接続
 ・SSG 83MHz、1kHz 100%変調、25dB、ステレオ信号、PILOT信号ON
 ・VR3[MUTE]を調整 → ステレオランプ点灯し信号が出る位置へ
【AUTO STOP LEVEL調整】右側RF基板
 ・SSG 83MHz、1kHz 100%変調、30~35dB、ステレオ信号、PILOT信号ON
 ・VR1[FM.STOP]を調整 → オートサーチが有効な位置へ
【AM調整】
 ・LA1245-16ピン → AM Sメーター電圧測定
 ・ 729kHz NHKラジオ受信 → T2調整 → 電圧最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC2調整 → 電圧最大
 ・AM VR1調整 → AM STOP LEVEL
 ・AM VR2調整 → AM SIGNAL

Tus707x

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・コントロールICの故障事例は初体験でした。
 ・手間はかかりましたが各部再調整によって復活したと思います。

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