・2015年12月、またまたアンティークチューナーを入手しました。
・状態はかなり悪そう、、でも型番が示すように当時のラインナップ最上機です。
・こういう機種のメンテナンスをすることがとても楽しいです。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 PIONEER TX-100 ¥60,000(1971年頃)
・Hifi Engine PIONEER TX-1000 (1972) ※回路図あり
■動作確認------------------------------------------------------------
・経年のキズ、汚れ、シール痕が目立ちます。
・ただフロントパネルがほぼ無傷なのが救いです。
・残念な点は背面のAMバーアンテナの台座が破損していること。
・電源オン、二つのメーター照明点灯。周波数窓の中央部がやや暗い。
・指針の照明が点灯しないので電球切れかと思ったら、、
・実は先端だけがわずかに点灯していて、同調すると指針全体が点灯するタイプでした。
・-0.2MHzほどの周波数ズレがあるもののFM放送を受信しました。
・STEREOランプ点灯。MUTING動作OK。MUTINGレベルはフロントパネルのVRで可変。
・グラグラ状態の背面バーアンテナで名古屋地区のAM放送を受信できました。
・インジケータランプ点灯、Sメータ動作正常。
・OUTPUTつまみのガリはないが固定/可変ともRchの出力レベルが小さめ。
・問題点は照明電球切れとRchの出力レベルが小さいこと、です。
■内部確認------------------------------------------------------------
・PIONEER TX-90とよく似た感じ。
・機能ごとの基板が整然と並んだ分かり易い構造です。
・FM4連、AM3連の独立したバリコンが2基並んでいます。
・クリスタルフィルター → レシオ検波 → ディスクリートMPX
・W11-042 FM FRONTEND
・W12-033 FM IF UNIT
・W13-028 MPX UNIT
・W18-034 MUTING UNIT
・W28-005 HEADPHONE UNIT
・W14-016 AM TUNER UNIT
・W36-014 AF UNIT
・W16-034 POWER UNIT
■修理記録:照明窓電球交換--------------------------------------------
・周波数窓中央部が暗い原因はやはり電球切れでした。
・ヒューズ型電球 8V 0.3A 手持ちの中古電球に交換して完了。
・電球交換はフロントパネルを外して前面から行った方が簡単です。
・指針が移動するレールに軽く潤滑剤を塗っておきました。
・フロントパネルは分解清掃して輝きを取り戻しました。
■修理記録:Rchの出力レベルが小さい-----------------------------------
・FM/AMとも固定/可変出力のRchレベルが小さい。
・FM-IF基板の検波出力 → 正常
・マルチパスH端子出力 → 正常
・AF基板 Lch INPUT1○ → REC OUT6○ → OUTPUT2○
・AF基板 Rch INPUT2○ → REC OUT8× → OUTPUT12×
・不調原因は Q2 2SC871 の故障でした。
・代替品として 2SC1815 に交換してレベル差解消しました。※足の並びに注意!
・左右のバランスを保つためにLch側も交換しました。
■修理予定:AMバーアンテナの台座-----------------------------------
・私の記録の中ではAMアンテナの同型品は同じTX-910、TX-8900のようです。
・いつか同型ジャンク品が入手できたらアンテナごと交換しましょう。
■調整記録------------------------------------------------------------
【フロントエンド】
・OSC調整 TCo、Lo
・RF調整 TC1,TC2,TC3 / L1,L2,L3
【レシオ検波調整】
・何も受信しない状態でIF基板 T2上段コア調整 → Tメーター中央へ
・フロントエンドT1、IF基板T2下段コア → 高調波歪最小
・IF基板T1調整 → Sメーター最大振れ位置へ
【MPX調整】
・L-R信号送信 → Lch出力最大へ
・VR1 → セパレーション調整
【AM調整】
・OSC調整 T2,AM3
・RF調整 バーアンテナ,T1 AM1,AM2
■試聴----------------------------------------------------------------
・このノスタルジックな雰囲気がたまりません。
・ステレオ受信時の歪率0.1%、セパレーション約50dB。
・BGM用の試聴なら十分な性能を保っています。