・2015年11月、ジャンク品を寄付していただきました。
・見た目はシンセチューナー、でも中味はバリコンチューナーという変わり種です。
・情報の少ない機種なのでここに記録を残します。
■製品情報------------------------------------------------------------
・OTTO、今は亡き SANYO のオーディオブランドでした。
・「OTTO」「SANYO」で検索しても有用な情報が見当たりません。
・1978年発行の古いオーディオ雑誌に載っていた記事を流用します。
・1978年9月発売。定価43,000円。W44.0×H9.0×D30.4cm、5.2kg。
・写真ではミニコンポのチューナー部に見えそうですが、立派なフルサイズコンポです。
・デザイン上のバランスを取るためか?蛍光表示管が大きめサイズです。
■修理記録------------------------------------------------------------
・既に電源コードが交換済みでしたが、、
・使っているコードやハンダ状態がかなり怪しい感じ?です。
・それにコードストッパーが取り付けられていないのでスカスカ状態。
・このまま通電するのはちょっと怖かったので、まずは電源コードを修復しました。
・保管品の中から適当なプラグ付きコードをチョイス。
・コードスットッパーを使って背面パネルに固定。
・内部のハンダ箇所もやり直しました。
■動作確認------------------------------------------------------------
・さて、いよいよ電源オン、、
・大き目の蛍光表示管に周波数が浮かび上がりました。
・選局ツマミを回転すると周波数表示が変化します。
・周波数範囲 FM 75.0MHz~91.0MHz、AM517kHz~1697kHz。
・FMは0.1MHz、AMは1kHz単位で変化します。
・名古屋地区のFM放送局を本来の周波数で受信しました。
・LED点灯式のTメーターとSメーターは点灯しますが、点灯時の挙動がちょっと変??
・たぶんTメーター中点とSメーター最大点が合っていない状態と思います。
・MUTING動作OK。REC CALトーン動作OK。HI-BLENDが効いているかどうか不明。
・AMは背面バーアンテナで名古屋地区の放送を受信できました。
・再調整だけで復活しそうです。
■内部確認------------------------------------------------------------
・選局ツマミの回転でバリコン軸を駆動しています。
・FM3連AM2連バリコン → IF回路 → LA1231(クアドラチュア検波) → HA11223W
・周波数窓と指針が無いだけで、中身は本物のバリコンチューナーです。
・そういえばYAMAHA T-2,T-9 ではフロントパネルにデジタル表示が付いていました。
・そうそう、DENON TU-900も同じでした。
・バリコンチューナーから周波数窓と指針を取り払った、と思えばいいわけです。
・LA1231 FM IF SYSTEM
・HA11223W PLL MPX
・LA1240 AM SYSTEM
・VR01 Muting調整
・VR03 VCO
・VR04 Pilot Cancel
・VR05 Separation
・TP1 FM-Sメーター電圧
・TP2
・TP3 VCO 76kHz
・TP4 AM-Sメーター電圧
■調整記録------------------------------------------------------------
●FM部
【OSC調整】
・TP1(FM-Sメーター電圧)DC電圧計セット
・76MHz受信 → Lo → 電圧最大
・90MHz受信 → TCo → 電圧最大
【RF調整】
・TP1(FM-Sメーター電圧)DC電圧計セット
・76MHz受信 → L1,L2 → 電圧最大
・90MHz受信 → TC1,TC2 → 電圧最大
・83MHz受信 → IFT → 電圧最大
【レシオ検波調整】
・LA1231 7ピン~10ピン DC電圧計セット
・T01下段調整 → 電圧ゼロ(Tメーター中点)
・T01上段調整 → 高調波歪最小
・別基板VR01調整 → LED式Tメーター点灯調整
【ミューティング調整】
・83MHz 20dB受信 → VR01調整 → MUTING作動
【VCO調整】
・TP03 周波数カウンタ接続
・83MHzステレオ信号受信 → VR03調整 → 76kHz
【パイロット信号キャンセル調整】
・83MHzステレオ信号受信 → VR04調整 → 19kHz漏れ信号最小
【セパレーション調整】
・83MHzステレオ信号受信 → VR05調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【REC CAL確認】
・調整用VRがないので確認のみ ※322kHz -10dB
●AM部
【受信調整】
・TC1,TC2,T02,T03,バーアンテナ調整
■試聴----------------------------------------------------------------
・特段に高性能とか高音質というわけではありません。
・でも、この存在自体が歴史ですね。