・2024年1月、ST-4950のメンテナンスをお引き受けしました
・この機種に触れるのは随分久しぶりです
・調整手順などを見直しながら作業を進めました
・以下、作業記録です
■製品情報-------------------------------------------------
・オーディオの足跡 SONY ST-4950 ¥69,800(1976年頃)
・Hifi Engine SONY ST-4950 AM/FM Stereo Tuner (1975-77)
■動作確認-------------------------------------------------
・電源コードの印字 → 1974
・経年の汚れはあるものの、ボディに目立つキズはない
・電源を接続してスイッチオン、緑色の周波数窓が浮かび上がる
・周波数目盛りや数字にダメージなし
・ただ経年の汚れで透明なガラス板が曇っている
・TメーターとSメーターの照明電球が点灯しない
・75Ω端子にFMアンテナを接続して名古屋地区のFM局を受信テスト
・わずかな周波数ズレあるがFM放送受信OK
・Tメーター中点とSメーター最大が一致しない
・Tメーター中点からかなりズレた位置でSTEREOランプ点灯
・実際のステレオ感あり、MUTING動作OK
・AM放送は背面バーアンテナで名古屋地区のAM局を受信OK
・電球切れ以外は深刻な故障個所は無さそうです
■内部確認-------------------------------------------------
・FM4連、AM2連バリコン → レシオ検波 → HA1156
・IFバンド Narrow/Wide切り替えなし
・RT201:Muting調整
・RT202:Sメーター振れ調整
・RT203:Mutingバランス調整
・RT301:VCO調整
・RT302:出力レベル調整Lch
・RT303:出力レベル調整Rch
・RT501:セパレーション調整
・周波数窓の照明方法は先代の ST-5130,ST-5140,ST-5150 と同じ
・ガラス板の両端を固定する方法が進化している
・MPX部はIC化(HA1156)してグレードアップしている
・さらにダイヤル指針は赤色LEDで同調点が分かりやすい
■修理記録:照明電球交換----------------------------------
・SメーターとTメーターをライトアップする電球が切れています
・電球を外して刻印を見ると STANLEY 12v/5w、端子電圧 AC10.7v
・これならホームセンターの自動車用品売り場で入手容易です
・早速買ってきて電球交換
・ついでに周波数窓を照らす同型電球×2個も交換しておきました
■失敗記録:ガラス板の印字は取扱い注意----------------------
・続いて周波数や目盛りを刻んだガラス板を磨きました
・ところがここで大失敗、、
・ウエットティッシュでガラス板の左半分を軽く一拭きしたところ
・目盛り線が崩れる、AM周波数の数字がかすれる、、しまった!!
・ST-5950でも失敗経験があるので注意していたのに、、
・遠目で見れば分かりませんが、悔しい失敗でした
・ST-5950/4950のガラス板印字は脆いので清掃時は要注意です
■調整記録-------------------------------------------------
【レシオ検波調整】
・アンテナ入力なし → IFT201左コア調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
・ダイヤル指針を周波数目盛り83位置にセット
・83MHz受信 → CT104調整 → Sメーター最大
【FMトラッキング調整】
・76MHz受信 → L101,L102,L103調整 → Sメーター最大
・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103調整 → Sメーター最大
・83MHz受信 → IFT101調整 → Sメーター最大
【検波歪調整】
・音声出力をWaveSpectraで観測
・83MHz受信 → IFT201右コア調整 → 高調波歪最小
【ミューティング調整】
・83MHz受信 → RT201調整 → ミューティング作動レベル調整
・83MHz受信 → RT203調整 → ミューティングバランス調整 ※
※バランス調整
作動すポイントをTメーター左右対称になるように調整
【Sメーター振れ調整】
・83MHz受信 → RT202調整 → Sメーター最大振れ調整
【VCO調整】
・TP(19kHz) → 周波数カウンタ接続
・アンテナ入力なし → RT301調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
・83MHz受信 → RT501調整 → 左右chの漏れ信号最小
【オーディオレベル調整】
・RT302、RT303 左右信号レベルを揃える。
【AM調整】
・ダイヤル指針を600kHz位置にセット
・600kHz受信 → L402調整 → Sメーター最大
・600kHz受信 → バーアンテナ内L801調整 → Sメーター最大
・ダイヤル指針を1400kHz位置にセット
・1400kHz受信 → CT402調整 → Sメーター最大
・1400kHz受信 → CT401調整 → Sメーター最大
■試聴-----------------------------------------------------
・緑色に浮かび上がる周波数窓とふたつのメーターがイイ感じです
・赤く光るダイヤル指針がワンポイントアクセントで好印象