・2019年9月、YAMAHA T-9のメンテナンスを承りました。
・発売当時に購入されたワンオーナー品との事。
・とても綺麗な外観から大切に扱われていたことが伺えます。
・以下、作業記録です。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 YAMAHA T-9 ¥98,000(1979年頃)
・オーディオ懐古録 YAMAHA T-9
・Hifi Engine YAMAHA T-9 FM Stereo Tuner (1979)
■動作確認------------------------------------------------------------
・PAL-F変換プラグを介して同軸アンテナ線を接続、電源オン。
・赤い指針と左右のチューニングインジケーター点灯。
・-0.2MHzほどの目盛り位置で名古屋地区のFM放送を受信。
・デジタル表示は正しい周波数を示す。
・各機能のインジケーター点灯。STEREOランプ点灯。
・シグナルメーターの点灯が少ない。
・OTS機能作動OK、REC CALトーンOK。
・手動選局OK。続いてモータードライブの自動選局をテスト。
・放送局のメモリー登録できましたが、、自動選局動作が微妙、、
・指針の移動が途中で止まってしまうことがある。
■内部確認-----------------------------------------------------------
・電圧確認
+B → +17.2v
-B → -18.6v
9B → + 9.7v
+9 → + 9.7v
■修理記録:指針の引っ掛かり-----------------------------------------
・上り方向に指針を移動するとき、81MHz付近で引っ掛かるような現象がある。
・原因は、指針に繋がる4芯コードが基板の角にちょうど引っ掛かるようです。
・対策として薄いプラ板を加工してカバーを作ってみました。
・ダイヤルスケール裏側に両面テープで固定。これで引っ掛かりは解消です。
■調整記録-----------------------------------------------------------
【本体切替ボタンの設定】
・RX MODE : AUTO DX
・MUTE/OTS : OFF
・BLEND : OFF
・REC CAL : OFF
【検波コイル調整】
・IC110[IG03210] 20Pin → 電圧計セット(Tメーター電圧)
※20pin代用ポイント → すぐ右側22k抵抗
・電波入力なし → T105調整 → 電圧ゼロ(Tメーター中点)
・指針を76MHz~90MHzまで移動し中点がほぼズレない事を確認
【OSC調整】
・ダイヤル指針 → 目盛り83.0MHz位置にセット
・83.0MHz,無変調,70dB → TCo調整 → Sメーター最大
※Loは調整不可のためトリマーのみで調整。
※83MHz付近では指針と目盛りがピッタリ合いますが、両端ではややズレます。
【RF調整】
・83.0MHz,70dB,無変調 → TC1,TC2,TC3,TC4,T102調整 → Sメーター最大
※L1,L2,L3,L4 調整が難しいのでノータッチ
【IF歪調整】
・83.0MHz,70dB,1KHz,100%変調 → TC101調整 → 高調波歪最小
・同上 → T102,T103,T104,TC101,VR102,VR103調整 → 高調波歪最小
【VCO調整】
・TP19kHz → 周波数カウンター接続
・83.0MHz,70dB,無変調 → VR108調整 → 19KHz
【38kHz SUB調整】
・83.0MHz,70dB,1KHz,100%変調,SUB信号 → T113調整 → Lchレベル最大
【パイロット信号キャンセル調整】
・SSG 83.0MHz,70dB,PILOT信号 → T114調整 → 19KHz漏れ最小
【セパレーション調整】
・83.0MHz,70dB,1KHz,100%変調,ST → VR105,VR106調整 → 反対信号漏れ最小
【Sメーター調整】
・83.0MHz,100dB → VR110調整 → LED全点灯
・83.0MHz, 0dB → VR109調整 → LED全消灯
【デジタル周波数調整】
・2階基板 VR103横のTPを10kΩ抵抗を介してGND接続
・VR103調整 → 周波数表示(小数点第一位)を微調整
【プリセットチューニング上限位置調整】
・90.5MHz受信 → プリセット5に登録
・80MHz付近でプリセット5を押し指針移動開始
・このとき90.2MHz付近で自動停止するようにVR113を調整する
【プリセットチューニング下限位置調整】
・75.5MHz受信 → プリセット1に登録
・80MHz付近でプリセット1を押し指針移動開始
・このとき75.8MHz付近で自動停止するようにVR114を調整する
■試聴----------------------------------------------------------------
・内部充電池は安全のため外しておきました。
・プリセットチューニングは不安定ですが、チューナーとしては動作しています。