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KENWOOD KT-6050 修理調整記録1

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 ・2019年6月、KT-6050の修理調整作業を承りました。
 ・以下、作業記録です。

Kt605003

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-6050 ¥45,000(1993年頃)
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-6050 AM/FM Stereo Tuner (1993-95)

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字1994。
 ・フロントパネル、ボディともに目立つキズはない。
 ・A/B 2系統のF型FMアンテナ端子。
 ・電源オン。表示部点灯。しかし全体的に表示が薄い。。
 ・部分的な輝度劣化というよりも表示部全体が暗い感じ。
 ・オート選局で名古屋地区のFM放送局を受信。
 ・上り方向、下り方向ともに周波数ズレなく受信OK。
 ・シグナルメーター点灯、Tメーターもセンターを示す。
 ・STEREOランプ点灯。実際のステレオ感あり。
 ・付属AMループアンテナで名古屋地区のAM放送の受信テスト。
 ・上り方向、下り方向ともに周波数ズレなく受信。
 ・特に名古屋のCBCラジオ(1053kHz)を受信するとSTEREOランプ点灯。
 ・AMステレオ回路は正常動作しています。

 ・FM/AMとも特に問題なさそう、、と思ってFM放送を聞いていたら、、
 ・何故かFM受信中に勝手に上り方向に周波数が動き出す、、
 ・オート選局が勝手に作動したようです。
 ・次の放送局を見つけられず、76~90MHz間でずっと周波数が動き続ける状態に。
 ・マニュアル選局に切り替えてFM局周波数に合わせてもSメーターが反応しない。
 ・この状態でAM受信に切り替えると、、
 ・何とAM放送も受信できなくなっていた、

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FMフロントエンド=5連バリキャップ
 ・LA1267:FM/AM Tuner
 ・LA3450:PLL FM MPX
 ・MC13022A:AM STEREO DECODER
 ・ハンダ面を見ると面実装部品がビッシリ並んでいます。
 ・これが故障したら特定と交換はほぼ困難でしょう。

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■修理記録:OSCトリマコンデンサ交換----------------------------------

 ・FM/AMとも受信感度を失うという状況です。
 ・試しにFMのVT電圧を測定
  ・76MHz → 3V
  ・90MHz → 16~18V ※本来は25V前後のはずが安定しない 
  ・TC1(7pF)OSCトリマコンデンサ交換 → 効果なし
 ・これは電源回路の問題か?

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■修理記録:電源回路電解コンデンサ交換-------------------------------

 ・電源回路のトランジスタ、電解コンデンサーを点検したところ、
 ・C301 470uF/25v が導通状態であることを発見。
 ・これを同容量の新品に交換したところVT電圧が安定。
 ・輝度が低いと感じていたFL管が明るく点灯するようになりました。
 ・もっと早く気付くべきでした。

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■調整記録----------------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・アンテナ入力なし
 ・TP6~TP7 → DC電圧計セット
 ・76MHz → L42調整 → 3.0V±0.1V
 ・90MHz → TC1調整 → 25.0V±0.2V
【FM同調点調整】クアドラチュア検波
 ・TP1~TP2 → DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L35調整 → 0.0V±30mV
【PLL検波調整】
 ・TP4~TP5 → DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L37調整 → 0.0V±15mV
【RF調整】
 ・VR17 → DC電圧計セット → Sメーター電圧
 ・83MHz受信 → L6,L7,L9,L11,L15調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・VR17 → DC電圧計セット → Sメーター電圧
 ・83MHz受信 → L15,L40調整 → 電圧最大
【AUTO STOP調整】
 ・83MHz(1kHz,ST信号,20dB)→ VR 1調整 → dB表示=20dB、最下段セグメント点灯
 ・83MHz(1kHz,ST信号,70dB)→ VR17調整 → dB表示=70dB、最上段セグメント点灯
 ※dB表示切替はリモコン必要
【歪調整1 WIDE MONO】
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR6調整 → 歪率最小
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR5調整 → 歪率最小(2nd)
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR9調整 → 歪率最小(3rd)
【歪調整2 NARROW MONO】
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR7調整 → 歪率最小(2nd)
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR4調整 → 歪率最小(3rd)
【歪調整3 WIDE STEREO】
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,80dB)→ VR12調整 → 歪率最小
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ VR 8調整 → 歪率最小
【歪調整4 NARROW STEREO】
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,80dB)→ VR11調整 → 歪率最小
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ VR10調整 → 歪率最小
【PILOTキャンセル調整】
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz(ST信号) → VR16調整 → 19kHz信号最小
 ※左右バランスに注意
【SEPARATION調整 WIDE】
 ・83MHz(1kHz,ST信号)→ VR14調整 → Rch漏れ信号最小
 ・83MHz(1kHz,ST信号)→ VR15調整 → Lch漏れ信号最小
【SEPARATION調整 NARROW】
 ・83MHz(1kHz,ST信号)→ VR13調整 → 反対ch漏れ信号最小
【AM VT電圧調整】
 ・TP6~TP7 → DC電圧計セット
 ・1602kHz受信 → L33(赤)調整 → 14.0V
 ・ 531kHz受信 → 2.5V ※確認のみ 2.4V
【AM 受信調整】
 ・999kHz受信 → L33(黒)調整 → シグナルメーター最大
【AM AUTO STOP調整】
 ・999kHz 20dB受信 → VR2調整 → dB表示=20dB、最下段セグメント点灯

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・不調原因の特定に時間がかかりましたが、復旧して良かったです。

Kt605005

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