2019年3月19日、ココログリニューアルに伴って大混乱していました。
スタイルが崩れる、画像が表示されない、管理画面にも入れないなど散々でした。
記事投稿の仕様も大幅変更されてサイズを変えた画像投稿が面倒になりました。
そのうちに慣れると思いますが、しばらく悪戦苦闘しそうです、、、
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・2019年2月、T-530の修理調整作業を承りました。
・以下、作業記録です。
■製品情報-----------------------------------------------------------
・オーディオ懐古録 LUXMAN T-530 / FREQUENCY SYNTHESIZD AM/FM STEREO TUNER
・オーディオの足跡 LUXMAN T-530 ¥78,000(1982年6月発売)
・Hifi Engine Luxman T-530 / Synthesized AM/FM Stereo Tuner (1982-87)
■動作確認------------------------------------------------------------
・フロントパネルはほぼ無傷、でも木製ボディのキズが目立つ。
・電源オン、フロントパネルの照明点灯。
・透明パネル内側にたまったホコリがちょっと気になる。
・周波数表示は十分に明るく文字痩せなし。
・FM受信周波数帯76.1MHz~89.9MHz
・名古屋地区のFM局周波数を選択してもSメーターが全く点灯しない。
・もちろん音も出ない。
・muting off(mono)にしても変化なし。
・これは完全に故障か、、と思っていたら、、
・突然Sメーターがフル点灯状態で不規則に明滅を始める。
・同時にSTEREOランプも同じタイミングで明滅する。
・しばらく放置すると明滅が治まってフル点灯状態になる。
・STEREOランプ点灯して正常受信状態になる。
・ステレオ音声で他の名古屋地区放送局を受信できます。
・これは不思議な症状です。
・手持ちのAMループアンテナでAM受信確認。
・AM受信周波数522kHz~1611kHz
・AMは大丈夫みたいです。名古屋地区のAM局をすべて受信OK
・電源オン時の挙動がおかしいのか?電源回路の問題か?
・翌日、作業部屋に設置し直して再び電源オン、動作確認の続きです。
・電源投入直後からSメーターが点灯して受信OKです。でも、、
・FM/AMとも「ブーン」という大きなハム音が聞こえる。
・経験的にアース不良のような感じです。
・何故か昨日とは全く異なる症状?
■内部確認------------------------------------------------------------
・木製ボディを開けて内部確認。
・基板上にホコリなどなくキレイな状態です。
・目視では不良が疑われる部品は無さそう。
・ハンダ面を確認するため底板を外そうとボディを裏返したところ、、、
・ボディ内部から金属製ワッシャー2個が転がり出てきました!
・これは、、ピンッ! と来ました。
・T-530はフロントパネルとシャーシの隙間を埋めるためにワッシャーを挟んでいます。
・たぶんこのワッシャーが基板上に落ちていたに違いない!
・清掃を兼ねてフロントパネルを外してみると、、
・上部3カ所のネジのうち、2カ所のワッシャーが無くなっていました。
・予想通りボディから転がり出てきたワッシャーと同じものです。
・ワッシャーが出てきた後、再度動作確認したところ、FM/AMとも正常動作です。
・最初に確認した不思議な不具合は全く発生しません。
・一連の不調原因は、金属製ワッシャーが基板上を転がっていたことだと思います。
・本体を動かすたびにワッシャーがあちこちの部品に接触していたみたいです。
・電源回路がショートしなかったのは奇跡的かも?
・火災などの重大事故にならなくて良かったです。
■C.A.T.システム / Computer Analized Tuning System--------------------
・受信状態に応じてコンピューターが4つの機能を自動切替し最適組合せを実現する機能。
・通常は C.A.T.ボタンは押さない状態(インジケータ点灯)で使用。
・C.A.T.ボタンを押した状態(インジケータ消灯)でC.A.T.システムオフ。
・C.A.T.システムオフのとき4つの機能は手動で個別選択できる。
【Antenna Attenuator】アンテナアッテネーター
・6連バリコン相当の6バラクター構成により強電界における妨害排除能力を高める機能
・スイッチオンによ4連フロントエンドパックに加えてアンテナ側2連が起動する。
・強い電波の近接局がある場合に有効
【IF Selector】IF帯域切替
・Wide(400kHz)とNarrow(300kHz)の2段切替機能
【C.S. Filter】アンチバーディーフィルター
・不要な高域成分をカットし隣接局からの妨害波によるビート障害を排除する機能
※おまけ「C.S.」の意味は?
・サービスマニュアルに「C.S.Filter(Anti-Birdie Filter)」と記載あります。
・LUXMANカタログに「Anti-Birdie Filter (Clean Sound Filter) 」と記載あり。
・つまり、C.S.Filter=アンチバーディーフィルター=Clean Sound Filter
【High Blend】ハイブレンド
・受信強度に応じてステレオセパレーションを調整する機能
■調整記録------------------------------------------------------------
●FM部
・C.A.T.オフ、Mutingオフ
【FM同調点調整】
・TP3~TP4 DC電圧計セット
・83MHz mono 1kHz 100%変調 60dB → L103(IC側)調整 → 電圧ゼロ
【FM同調点調整】
・音声出力にWaveSpectar接続
・83MHz mono 1kHz 100%変調 60dB → L103(逆側)調整 → 歪最小
【VCO調整】
・TP5 周波数カウンタ接続
・83MHz 無変調 60dB → VR104調整 → 19kHz±10Hz
【セパレーション調整】
・Mutingオン
・音声出力にWaveSpectar接続
・83MHz stereo 1kHz 100%変調 60dB → VR105調整 → 反対chへの漏れ信号最小
・フロントエンドユニット内IFT調整→ ステレオ歪最小
・上記作業を数回繰り返す
【パイロット信号キャンセル調整】
・Mutingオン
・音声出力にWaveSpectar接続
・83MHz stereo 1kHz 100%変調 60dB → F106,F107(黒)調整 → 漏れ信号最小
【ミューティング調整】
・Mutingオン
・83MHz mono 1kHz 20dB → VR102調整 → 音が出る位置に
【Sメーター調整】
・83MHz mono 1kHz 50dB → VR101調整 → SメーターLED全灯
【テストトーン調整】
・音声出力にWaveSpectar接続
・83MHz mono 1kHz 50dB → OUTPUTレベル記録
・test tone オン → VR301調整 → 上記レベル-6dB ※実測474kHz
【フロントエンド調整】
・C.A.T.オフ、Antenna att.オン
・LA1235 13ピンにDC電圧計セット →Sメーター電圧
・76.1MHz mono 1kHz 50dB → L101,L102,※L103,L104,L105調整 → Sメーター最大
・89.9MHz mono 1kHz 50dB → CT101,CT102,CT103,CT104,CT105調整 → Sメーター最大
・上記作業を数回繰り返す。
※L103,L104,L105の調整は難しいので触らない方が無難。
※C.A.T.オフ、Antenna att.オンにしないとアンテナ側2段が動作しない。
●AM部
【VT電圧】
・TP1 DC電圧計セット
・受信周波数 603kHz → L107調整 → 2V
・受信周波数1404kHz → CT104調整 → 7V
【RF調整】
・603kHz 1kHz 30%変調 → L104調整 → Sメータ最大
・1404kHz1kHz 30%変調 → CT103調整 → Sメーター最大
【IF調整】
・1053kHz CBCラジオを聴きながら L105,L106調整 → 歪感最小
【Sメーター調整】
・1053kHz CBCラジオを聴きながら VR103調整 → SメーターLED
■試聴----------------------------------------------------------------
・幸いにも故障個所は無かったです。
・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。
・内部を弄るときは細心の注意が必要、改めて実感しました。