・2018年1月、ウッドケースに納まったT-101が届きました。
・このウッドケースはとっても高級感があります。
・今回のMPX-ICは LM1310N でした。
・以下、作業記録です。
■製品情報-------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 Accuphase T-101 ¥110,000 (1974年5月発売)
・オーディオ懐古録 Accuphase T-101 ¥110,000 (1974年)
・Hifi Engine Accuphase T-101 FM Stereo Tuner ※サービスマニュアルあり
・取扱説明書(日本語版)
■動作確認--------------------------------------------------------------
・ウッドケース付きのT-101を初めて見ました。
・重厚なウッドケースは高級感たっぷり、目立つキズもなくとても綺麗。
・電源オン、周波数窓と二つのメーターが青色照明に浮かび上がる。
・アンテナ端子に接続して動作確認。
・名古屋地区のFM放送を受信するとSメーター、Tメーターが大きく振れる。
・マルチパスメーターもそれなりに動いている。
・三つのメーターの動き方は正常。
・固定/可変出力とも音声OK。マルチパスH端子、FM DET OUT端子も音声OK。
・MUTING動作OK、STEREOランプ点灯。
・特に不調箇所は無さそうです。
■内部確認-------------------------------------------------------------
・FM専用5連バリコン、WIDE系、NARROW系、レシオ検波
・MPX-IC:LM1310N
・1号機 → TA7156P、2号機 → HA1156W、今回はLM1310N です。
・パーツリストでは MC1310P、回路図では LM1310N、LM1310P
・1,2号機で接触不良があったコネクタ部分をチェックしました。
・今回の個体はとても綺麗で接触不良なし。
・念のためコネクタを抜いて接点を磨いておきました。
■調整記録-------------------------------------------------------------
・T-101サービスマニュアルの調整方法に準拠(一部アレンジあり)
【検波調整1】
・MONO、MUTINGオフ、NORMAL
・信号なし → IF基板 T3上段コア調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
・90MHz → フロントエンド CT1調整
・76MHz → フロントエンド L11調整
・上記調整を数回繰り返す
【トラッキング調整】
・90MHz → フロントエンド CT2,CT3,CT4調整 → Sメーター最大
・76MHz → フロントエンド L11,L12,L13調整 → Sメーター最大
・上記調整を数回繰り返す
【Sメーター調整】
・83MHz 86dB,30%dev → IF基板 VR4調整 → Sメーター目盛り5
【検波調整2】
・MONO、MUTINGオフ、NORMAL
・固定出力 WaveSpectra接続
・83MHz 66dB,100%dev → IF基板 T3下段コア調整 → 高調波歪最小
【MUTING WIDTH調整】
・MUTING オン
・83MHz 86dB,30%dev → IF基板 VR2調整 →
・Tメーターを見ながら左右離調時にMUTING作動ポイントが左右対称にする
【MUTING LEVEL調整】
・MUTING オン
・83MHz 22dB,30%dev → IF基板 VR3調整 → 出力が出現する位置へ
【VCO調整】
・MPX基板 IC1 1pin → 周波数カウンタ接続
・83MHz 無変調 → MPX基板 VR1調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
・固定出力端子にWaveSpectra接続
・83MHz 100%dev → MPX基板 VR2調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【音声出力レベル】
・固定出力 AC電圧計接続
・83MHz 66dB,100%dev → IF基板 VR1調整 → 2.0v
■試聴-----------------------------------------------------------------
・今回は LM1310N に遭遇しました。
・毎回新しい発見があって楽しいです。
・それにしてもウッドケースの重厚感、高級感、存在感が凄い!