・2017年3月、D-3300Tの調整作業をお引き受けしました。
・作業内容をご報告します。
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオ懐古録 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年)
・オーディオの足跡 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年)
・Tuner Information Center (T.I.C) KT-3300D(1987年 $525)
・取扱説明書 (国内版)
■動作確認------------------------------------------------------------
・アンテナ端子A に同軸ケーブルを接続して電源オン。
・表示部は明るく点灯。照度の劣化や文字痩せは感じません。
・地元FM局を受信しながら動作の確認。
・オートチューニング、マニュアルチューニングとも名古屋地区のFM局を受信しました。
・周波数ズレなし。RF切換、IF切換OK。STEREOランプ点灯。
・Modulationを示す横バー点灯。
・REC CALトーンは動作しました。
・顕著な不具合は無さそうです。
■内部確認------------------------------------------------------------
■調整記録------------------------------------------------------------
【本体設定】
・IF BAND:WIDE
・RF SELECTOR:DISTANCE
・QUIETING CONTROL:NORMAL
※(X86),(X05),(X13):基板番号
【VT電圧】
・TP6~TP7 DC電圧計セット
・アンテナ入力なし
・76MHz → L5(X05-)調整 → 3.0V±0.1V
・90MHz → TC5(X05-)調整 →25.0V±0.1V
【検波調整】
・TP10~TP11 DC電圧計セット
・83MHz(無変調,80dB)受信 → L12(X86-)調整 → 0.0V±10mV
・TP16~TP17 DC電圧計セット
・83MHz(無変調,80dB)受信 → L9 (X86-)調整 → 0.0V±10mV
【RF調整】
・Multipath V端子 DC電圧計セット
・76MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L1~4 (X05-)調整 → 電圧最大
・90MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ TC1~4(X05-)調整 → 電圧最大
【IFT調整】
・Multipath V端子 DC電圧計セット
・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ L10,L11,L22(X05-)調整 → 電圧最大
・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ L11(X86-)調整 → 電圧最大
【AUTO STOP調整】
・83MHz(19kHz信号,10%変調,20dB)→ VR1(X86-)調整 → STEREOインジケータ点灯
【SIGNAL METER調整】
・(X13-)電源スイッチ後方の小さな基板
・83MHz(無変調,50dB)→ VR3(X13)調整 → 7番目のドット(最上段)点灯
【TUNING METER調整】
・SELECTOR:MONO
・83MHz(10Hz,100%変調,80dB) → VR2(X13)調整 → ※
※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【MPX VCO調整】
・TP15に周波数カウンタ接続
・83MHz(無変調,80dB) → VR5(X05-)調整 → 76.00kHz±50Hz
【PILOT CANCEL調整1】
・音声出力をWavespectraで観察
・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dB)→ VR1(X05-)調整 → 19kHz信号最小
・左右chのバランス確認
【PILOT CANCEL調整2】
・83MHz(19kHz信号,10%変調,80dB)→ L20(X05-)調整 → 19kHz信号最小
・左右chのバランス確認
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
・音声出力をWavespectraで観察
・83MHz(SUB信号,1kHz,90%変調+19kHz信号,10%変調,80dB)→ L19(X05-)調整 → Lch最大
【歪調整1 DET】
・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR3(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整2 MONO】
・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR4(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整3 MONO】
・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR6(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整4 STEREO】
・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR5(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整5 STEREO】
・83MHz(SUB信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR7(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整6】
・83MHz(MAIN信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR8(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整7】
・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR9(X86-)調整 → 歪率最小
【歪調整8 NARROW】
・83MHz(MAIN信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR2(X86-)調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整1 L】
・83MHz(R信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR4(X05-)調整 → L信号もれ最小
【SEPARATION調整2 R】
・83MHz(L信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR3(X05-)調整 → R信号もれ最小
【SEPARATION調整3 NARROW】
・IF BAND:NARROW
・83MHz(R信号,1kHz,90%変調+19kHz信号10%変調,80dB)→ VR2(X05-)調整 → R信号もれ最小
【DEVIATION調整】
・REC CAL 確認 407Hz -5.6dB
・REC CAL オン → VR4(X13)調整 → 左から5番目のドットが点灯する位置
■試聴----------------------------------------------------------------
・故障箇所はありませんでした。
・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。
・黒いサイドウッドが渋い高級感を演出していますね。